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足関節外側靭帯再建術(ブロー・ストローム法)

足関節外側靭帯再建術(ブロー・ストローム法)は、捻挫を繰り返すことで足首が慢性的に不安定になった状態(慢性足関節不安定症)を根本的に改善するための、世界的な標準術式です。この不安定症は、過去の捻挫で損傷した靭帯が十分に修復されずに生じる足首の構造的なゆるみが原因です。不安定な状態を放置すると、将来的に変形性足関節症に進行するリスクがあります。本治療は、不安定な足関節に強固な安定性を取り戻し、日常生活やスポーツ活動への完全復帰を目指すための効果的な治療法です。

治療の適応(対象となる方)

この治療は、足関節の不安定性により生活に支障をきたしている方を対象とします。特に以下のような症状や状態にある患者様に適応されます。

  • 何度も足首の捻挫を繰り返し、足首のぐらつきや不安感が続いている方。
  • 階段や不整地などで、足首が意図せずひねられてしまうような「抜けそうな感覚」を頻繁に覚える方。
  • サポーターやリハビリテーションなどの保存的治療を6ヶ月以上続けても、不安定感が改善しない方。
  • 画像検査により、足関節外側靭帯の明らかな損傷と関節のゆるみが確認されている方。

慢性的な足関節不安定症は構造的なゆるみが原因であるため、活動性の高い方や不安定性が強い場合は、手術による靭帯の直接的な修復が必要となります。

手術術式の選択

足関節外側靭帯再建術には複数の術式が存在しますが、当グループでは、不安定性の程度や患者様が求める活動レベルを評価し、最適な術式を選択します。

ブロー・ストローム法

ブロー・ストローム法は、慢性足関節不安定症に対する標準的な術式で、世界で最も広く行われています。

  • 適応: 軽度から中等度の不安定症や、損傷した靭帯組織の残りが比較的良好な場合に適しています。
  • 方法: 損傷した外側靭帯を直接短縮・縫合し、ゆるみを解消します。周辺組織を利用した「Gould変法」による補強を併用することが一般的です。
  • 特徴: ご自身の靭帯組織を活かすため、拒絶反応リスクが低く、足関節の自然な動き(可動域)を最大限維持しやすい大きな利点があります。

その他の治療アプローチ(腱移植術)

靭帯の損傷が非常に大きく、ブロー・ストローム法での修復が難しい重度の不安定症や再発例に対しては、ご自身の別の腱の一部を移植材として使用し、新しい靭帯として再建する腱移植術も検討されます。この方法は強固な安定性が得られますが、場合によっては足首の動きがやや制限されることがあります。

手術の詳細

麻酔・所要時間

  • 麻酔方法: 下半身麻酔(腰椎麻酔)または全身麻酔が中心です。
  • 手術時間: 損傷の程度によって変動しますが、概ね60分から120分程度を目安とします。

手術手順

  1. 術前準備(麻酔導入、消毒など)。
  2. 足首の外側を切開し、損傷靭帯を確認。
  3. 靭帯の修復・補強を行い、ゆるみを解消。
  4. 関節を動かし、安定性を確認。
  5. 切開部を止血・縫合。
  6. ギプスシーネまたは硬性装具で患部を固定。

入院・術後経過

本手術は、術後の適切な管理と段階的なリハビリテーションの導入が重要であるため、入院が必要です。標準的な入院期間は、4~5日間となります。

  • 入院中の管理: 疼痛管理、創部管理、腫れを防ぐための患部の挙上を行います。術後、松葉杖移動や足趾の運動など、早期回復に向けた準備を開始します。
  • 退院後の注意点と回復の目安:
    • 早期(0〜3週): 硬性装具で固定し、体重をかけることは禁止です。
    • 中期(4〜8週): 軟性装具へ移行し、理学療法士の指導のもと、徐々に荷重訓練を開始します。体重をかけるエクササイズは軟性装具を着用して行うことが推奨されます。
    • 本格的なスポーツ復帰は、手術後3ヶ月から6ヶ月程度を目安としています。再発予防のため、リハビリテーションの継続が重要です。

期待される効果

本治療により、慢性的な不安定性が解消され、以下のような効果が期待されます。

  • 足関節の安定性の完全回復。
  • 捻挫の繰り返しからの解放と慢性的な痛みの軽減。
  • 日常生活・スポーツ活動への復帰、質の向上。
  • 将来的な変形性足関節症への進行リスク予防。

手術のリスクと合併症

一般的なリスク

  • 感染、出血、疼痛。
  • 深部静脈血栓症(早期のリハビリテーションで対策)。

靭帯再建術特有のリスク

  • 神経損傷(しびれ、感覚異常)。
  • 関節の動きの制限(リハビリで改善を目指す)。
  • 再発(リハビリ不十分の場合など)。

費用について

足関節外側靭帯再建術(ブロー・ストローム法)は公的医療保険が適用される手術です。

健康保険証をお持ちで3割負担の方の場合、本治療と標準的な5日間程度の入院費用を合わせた概算目安は、14万円から17万円程度となります。この金額は治療内容により前後する可能性があることをご了承ください。費用は退院後の銀行振込にてお支払いいただきます。

本手術は、自己負担額を抑えることができる「高額療養費制度」の対象です。医療費控除についてもご相談いただけます。

当グループでの治療の特長

当アレックスメディカルグループ(AR-Ex)は、スポーツ整形外科専門のクリニックグループです。手術(A)、リハビリ(R)、運動療法(Ex)の3分野を重視し、患者様の完全復帰と再発予防を目指します。

  • 低侵襲な手術: 経験豊富な専門医による、傷が小さく回復が早い関節鏡視下手術を積極的に採用しています。1mmの精度にこだわり、関節機能の温存を重視しています。
  • 専門リハビリとチーム連携: 理学療法士が超音波診断装置などを用いて、治療部位の状態を確認しながらリハビリを実施します。医師とリハビリスタッフが連携し、一貫性のある回復の進め方を提供します。
  • 再発予防のための運動療法: 理学療法士に加え、トレーナーが在籍し、科学的根拠に基づいたトレーニングを行います。筋力やバランス能力の低下を克服し、競技力向上や再発予防を含めた身体づくりをトータルでサポートします。

よくあるご質問

Q. 手術後、どのくらいでスポーツに復帰できますか? 

A. 競技レベルによりますが、本格的な復帰は手術後3ヶ月から6ヶ月程度が目安です。再発を防ぐため、専門家の指導に従いリハビリを継続することが重要です。

Q. 手術後のリハビリテーションは重要ですか? 

A. はい、非常に重要です。安定性確保後の足首の動き、筋力、バランス能力を回復させることが、再発予防と完全復帰に不可欠です。

Q. 入院期間はどれくらいですか? 

A. 標準的に4~5日間の入院期間を設けています。

関連する疾患について

  • 足関節捻挫
  • 距骨下関節不安定症
  • 足根洞症候群
  • 変形性足関節症

対応クリニックのご紹介

本治療に対応しているクリニックは以下の通りです。

東京エリア

埼玉エリア

長野エリア

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