disease

距骨下関節不安定症

症状

距骨下関節不安定症は、かかとの骨(踵骨)とその上の骨(距骨)の間にある「距骨下関節」がゆるみ、足元に慢性的な不安定感と痛みを感じる状態です。この関節は着地時の衝撃吸収とバランス調整に重要な役割を果たします。一般的な足首の捻挫と異なり、急性の激痛よりも、特定の動作や着地時に足元がぐらつく感覚や鈍い痛みが持続することが特徴です。

具体的な症状としては、主に以下の点が挙げられます。

  • 歩行時のぐらつきや不安定感:平坦な道や特に不安定な場所に着地した瞬間、足首の奥が「ゆるむ」ような感覚や、足が内側へ崩れる(倒れ込む)感覚があります。このぐらつきが慢性的な痛みにつながります。
  • 慢性的な足首の痛みや違和感:腫れは伴わないことが多いものの、運動後や長時間歩いた後にかかとの周りや足首の奥に鈍い痛みが持続します。これは不安定な関節が周囲の組織を繰り返し刺激しているためです。
  • 衝撃吸収の困難さ:関節の機能が低下することで、着地時の衝撃を適切に逃がせず、走ったり階段を降りたりする動作で膝や腰など上部の関節にも負担がかかりやすくなります。

これらの症状は「足首が弱いせいだ」として見過ごされがちですが、不安定な状態が続くと、関節内の軟骨摩耗が進み、慢性的な痛みや歩行に支障をきたす可能性があるため、早期の診断を受けることが大切です。

原因

距骨下関節不安定症は、過去に負った怪我の後遺症や、生まれつきの足の骨格構造が関わり発生します。関節を安定させる組織のダメージや継続的な負荷により、距骨と踵骨の適切な位置関係が崩れることで生じます。

具体的な原因としては、以下の点が重要です。

  • 繰り返される捻挫(内反捻挫):足首を内側にひねる捻挫を何度も経験することで、距骨下関節を支える靭帯が損傷したり伸びたりし、これが恒常的な不安定状態の最大の原因となります。
  • 靭帯の損傷と弛緩:関節を安定させる靭帯や関節包がダメージを受けることで、正常な位置を保つ能力を失います。その結果、歩行時などに足が意図しない方向に動きやすくなり、ぐらつきが生じます。
  • 先天的な足の形状(偏平足や回内足):生まれつき土踏まずが低い方や、歩くときに足が内側に過度に傾きやすい方は、距骨下関節に常に不自然な負荷がかかり続け、不安定症を引き起こす引き金となることがあります。

このように、原因は単純な怪我だけでなく、足の構造的な問題も影響しているため、治療を成功させるためには、その不安定症がどの要素によって引き起こされているのかを正確に特定することが非常に重要になります。

診断

距骨下関節不安定症は、単なる足関節捻挫の後遺症と症状が似ているため、専門的な視点から、関節の「ゆるみ」の程度や損傷を受けている組織を詳細に把握することが不可欠です。

診断プロセスでは、まず患者様からの症状の詳細な聞き取りを行い、不安定感や痛みの生じる動作を把握します。その後、徒手検査と画像検査を組み合わせて、不安定性の実態を評価していきます。

1. 徒手検査(身体診察)による不安定性の評価

医師が患者様の足の関節を特定の方向に動かし負荷をかけることで、関節のぐらつき具合(靭帯の緩み)を細かく確認します。この検査は、患者様が訴える「ぐらつき」を客観的に評価し、不安定感が強く現れる方向や痛みのポイントを特定する上で欠かせません。

2. 画像検査による評価

不安定症の診断では、骨の異常だけでなく、靭帯や軟骨の状態、そして体重をかけた際の関節の機能的な崩れ方を評価することが重要となります。

  • X線(レントゲン)検査:足の骨の配列や変形の有無を確認します。特に体重をかけた状態(荷重時)で撮影することで、不安定な関節が内側に倒れ込む様子など、機能的な崩れを立体的に把握できます。
  • MRI検査:骨だけでなく、靭帯、関節包、軟骨といった軟部組織の状態を詳細に映し出します。過去の捻挫による靭帯の損傷や弛緩、不安定性が続いた結果生じた軟骨の摩耗や炎症の有無を確認するために非常に有用です。

これらの精密な検査を組み合わせることで、不安定症の原因を明確にし、患者様一人ひとりに合わせた最適な治療方法を見つけていきます。

治療

距骨下関節不安定症の治療の目標は、不安定な関節の動きを抑え、患者様が痛みなく日常生活やスポーツを行える状態を取り戻すことです。治療は原則として、まずは手術をしない保存療法から開始されます。

治療においては、診断で特定された不安定性の原因(靭帯の弛緩、または構造的な問題)に応じて、適切な保存療法を組み合わせて行うことが改善への鍵となります。

治療の主な方法としては、以下のものが挙げられます。

  • 装具療法(インソールやサポーターの活用):足の着地時のぐらつきや、足が内側に過度に崩れる動き(回内傾向)を抑制し、不安定な関節にかかる過度な負担を軽減するために実施されます。個々の足の形状や歩行の癖に合わせて作製するインソールや専用のサポーターを用いることで、関節の安定性を外部からサポートします。
  • リハビリテーション(運動療法):不安定な距骨下関節を、患者様自身の筋力で支えられるようにするための運動を行います。特に、関節の動きや位置を感知する感覚を改善するバランストレーニングを重点的に組み合わせることで、足元の協調性を高め、ぐらつきにくい状態を目指します。
  • 手術療法:保存療法を一定期間十分に実施しても、痛みが治まらない場合や、日常生活に大きな支障をきたすほどの重度な不安定性が残っている場合に検討されます。手術では、ゆるんでしまった靭帯を修復・再建することで、関節の安定性を根本的に回復させます。

当グループでは、不安定性の程度や、構造的な要因を詳細に把握し、装具療法とリハビリテーションを組み合わせた統合的なアプローチを提供することで、患者様が安心して日常生活を送れるようサポートいたします。

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