disease

大腿骨頚部骨折

症状

大腿骨頚部骨折は、股関節の付け根にある大腿骨の「頚部」と呼ばれる部分で骨折が起こる重度の怪我です。主に骨が弱くなっている高齢者に多く発生し、日常生活に大きな影響を及ぼします。この骨折は、わずかな転倒や、時には立っている状態からでも発生することがあります。

具体的な症状には、以下のようなものが挙げられます。

  • 強い痛み:骨折した部分、特に股関節や足の付け根(鼠径部)に激しい痛みが起こり、動かすことが非常に困難になります。
  • 足の変形と短縮:骨折によって足が外側にねじれて見える(外旋)ことや、骨折部がずれ込むことで患側の足が健側よりも短くなることがあります。
  • 動けない、立てない:ほとんどの場合、強い痛みのため自分で立ち上がったり、歩いたりすることができなくなります。ただし、骨折のずれが少ない場合は、わずかながら歩けることもあります。
  • 腫れと内出血:骨折部に腫れが見られたり、時間の経過とともに内出血によるあざが股関節周辺に現れることがあります。

これらの症状が見られた場合、安静を保ち、できるだけ早く医療機関を受診することが重要です。特に高齢者の場合、長期間動けない状態が続くと、肺炎や床ずれ(褥瘡)などの合併症を引き起こすリスクが高まります。

原因

大腿骨頚部骨折は、主に骨が弱くなっている状態(骨粗しょう症)と、転倒による強い衝撃が組み合わさることで発生します。特に高齢になるほど骨折しやすくなるため、日頃から転倒しないように注意が必要です。

具体的な原因としては、以下の点が挙げられます。

  • 骨粗しょう症:骨の密度が低下し、骨がスカスカになって脆くなる病気です。骨粗しょう症が進んでいると、わずかな衝撃でも簡単に骨折してしまいます。
  • 転倒:玄関の段差につまずく、浴槽で滑るなど、日常生活での転倒が主な原因です。骨粗しょう症の人が転倒すると、特に股関節周辺に骨折が起こりやすくなります。
  • 筋力やバランス能力の低下:高齢になると足腰の筋力が衰え、バランスを取る能力が低下します。これにより、ちょっとしたことでふらつき、転倒のリスクが高まります。
  • 服用中の薬の影響:睡眠薬や抗不安薬、一部の降圧薬などが、ふらつきやめまいを引き起こし、転倒のリスクを増大させることがあります。

これらの原因が複合的に関わり、特に高齢者の転倒事故によって、大腿骨頚部骨折は多く発生しています。日頃から骨の健康を意識し、転倒予防を心がけることが大切です。

診断

大腿骨頚部骨折が疑われる場合、迅速かつ正確な診断が求められます。転倒の状況や痛みの程度などをお聞きし、適切な画像検査によって骨折の有無や状態を詳しく調べます。

診断は主に以下の流れで行われます。

  • 問診と診察:いつ、どこで、どのように転倒したか、またその時の痛みや動かせない状態を確認します。患部の痛みや腫れの場所、足のねじれ(外旋)や短縮がないかなどを観察し、骨折の可能性を判断します。
  • X線(レントゲン)検査:ほとんどの大腿骨頚部骨折は、X線検査で骨折の有無やずれの程度をはっきりと確認することができます。骨折のタイプを把握し、治療方針を決める上で重要な検査です。
  • CT検査:X線検査だけでは判断が難しい、骨折の細かい状態や複雑なずれを確認したい場合などに使用します。骨折部の立体的な状態を確認できます。
  • MRI検査:特に骨折がごく軽度でX線でも確認できない場合や、骨折が強く疑われる場合に非常に有用な検査です。骨折部に生じたわずかな変化を高精度で診断できます。
  • 血液検査:手術を行う前に、貧血や炎症、肝臓・腎臓の機能、血液が固まる能力(凝固機能)などを評価し、全身状態の安全性を確認します。
  • 骨密度検査:骨粗しょう症の進行度を把握するために、X線や超音波などを用いて行うことがあります。この結果は、骨折後の再発予防の治療に役立てます。

これらの検査結果を総合的に判断し、骨折の場所、ずれの程度、患者様の全身状態などを考慮して、最適な治療方法を決定します。

治療

大腿骨頚部骨折の治療は、主に手術が中心となります。骨折した部分を適切に治し、できるだけ早く日常生活に戻ることを目指します。治療の全体像としては、骨折した骨を元の位置に戻して固定するか、人工の関節に置き換える手術を行い、その後、機能回復のためのリハビリテーションを継続して行います。

具体的な治療方法には、以下のようなものがあります。

  • 手術(骨接合術):骨折のずれが少ない場合や、比較的活動性の高い患者様に選択されます。折れた骨を金属のネジやプレートなどで固定し、ご自身の骨がくっつくのを待ちます。
  • 手術(人工骨頭置換術または人工股関節置換術):骨折のずれが大きい場合や、骨折によって大腿骨頭への血液の流れが悪くなっていると考えられる場合に選択されます。大腿骨頭の一部または全体を人工の部品に置き換え、早期からのリハビリテーションを可能にします。
  • 早期リハビリテーション:手術直後から痛みを管理しながら、すぐにリハビリテーションを開始します。歩く練習や筋力を回復させる訓練を集中的に行い、元の生活レベルに戻ることを目指します。人工骨頭置換術は骨接合術より早期に体重をかけることができるメリットがあります。
  • 薬物療法:骨粗しょう症が原因である場合は、骨折の再発を防ぐために骨を強くする薬を使用します。痛みが強い場合は、痛み止めの薬を使って痛みを和らげます。

骨折のタイプや骨の状態、患者様の年齢や活動レベルによって、最適な治療法は異なります。

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