肩脱臼の外来
肩の不安定感や「脱臼のくせ」にお悩みの方へ
肩関節は、体の中で最も大きな可動域を持つ関節であり、腕を自在に動かせる利便性がある一方で、その構造上、外傷や繰り返しの使用により損傷しやすく、不安定になりやすいという特性を併せ持っています。特に、スポーツ活動や転倒などにより肩が一度外れてしまうと(急性肩関節脱臼)、関節を支える重要な組織(関節唇や靭帯)が傷つき、脱臼を繰り返しやすくなります。
この「脱臼のくせ」(反復性肩関節脱臼)は、特に成長期や若年層(10代)で初めて脱臼した場合、7割以上が高い確率で発生すると言われています。脱臼を繰り返すごとに、関節窩と上腕骨頭の骨が摩耗し、関節の安定性がさらに失われていくため、治療が難しくなります。
「一時的なもの」「すぐに治るだろう」と自己判断して放置すると、骨の摩耗という不可逆的な損傷を招くリスクが高まります。そのため、初めての脱臼や、自分で整復できた亜脱臼の場合であっても、骨折や神経損傷の有無を確認するため、早期に専門的な診断と、再発予防を見据えた治療計画を立てることが極めて重要です。
主な対象となる症状
当外来では、肩関節の不安定性や脱臼に関連する以下の症状に対し、専門性の高い診断と治療を提供しています。
急性肩関節脱臼
- 転倒やスポーツなど、強い外力によって初めて肩が外れた状態。整復後の固定に加え、X線(レントゲン)検査と診察で骨折と神経損傷の有無を早急に確認します。
反復性肩関節脱臼(脱臼のくせ)
- 日常生活や軽い動作、負荷で繰り返し肩が外れてしまう、または外れそうになる強い不安感(不安定感)がある状態。
関節唇損傷
- 脱臼時に肩の安定に重要な役割を果たす関節唇を損傷した状態(バンカート損傷、SLAP損傷など)。不安定感やクリック音、痛みを伴うことがあります。
精密な診断と患者様主体の治療計画
適切な治療方針を決定するためには、損傷部位の状態だけでなく、患者様がどのような活動レベルへの復帰を目指しているかを詳細に把握することが不可欠です。
詳細な問診と正確な機能評価
症状の経過や、患者様が目指す活動レベル(日常生活、趣味、競技復帰など)を詳細に確認し、治療目標を明確にします。可動域、筋力、不安定性の度合いを丁寧に評価し、保存療法か手術療法かを含めた最適な治療方針を決定します。
画像検査による客観的な損傷評価
レントゲン検査で骨や関節の位置、骨の欠損の有無を確認します。さらに、超音波(エコー)検査を用いて、筋肉や腱の損傷、炎症の状態をリアルタイムで確認し、骨だけでなく軟部組織の評価も徹底して行います。特に初回脱臼時には、骨折や、腕を上げることや肩の感覚に関わる重要な神経の損傷の有無を正確に診断することが、その後の予後を左右するため重要です。
アレックスメディカルグループの強み:完全復帰を目指す統合的アプローチ
アレックスメディカルグループの治療哲学は、治療(A)、リハビリテーション(R)、運動療法(Ex)の3分野を重視することにあります。専門スタッフによるチーム構成で、診断から手術、術後の機能回復、そして再発予防に至るまで、一貫したサポート体制を整え、患者様の完全復帰を目指します。
当グループの統合的アプローチの特長:
- 治療 (A): 1mmの精度にこだわる高精度な関節鏡視下手術による、関節が外れにくい安定した構造への回復。
- リハビリテーション (R): 医師とのチーム連携と超音波診断装置を用いた可視化技術による、根拠に基づいた機能回復と安定性強化。
- 運動療法 (Ex): 理学療法士・トレーナーとの連携による、科学的根拠に基づいた再発予防とパフォーマンス向上。
治療 (A):回復を早める高精度な関節鏡視下手術
手術が必要とされる肩脱臼に対し、当グループでは低侵襲な関節鏡視下手術を積極的に行います。この手法は、小さな切開でカメラを挿入し、損傷部位を修復するため、傷が小さく、術後の痛みが少なく、筋肉へのダメージを最小限に抑えることができます。
脱臼再発の防止には、修復の精度が極めて重要です。当グループでは、わずかなズレも再脱臼に繋がることを防ぐため、「1mmの精度」にこだわった高精度な処置を追求し、肩関節が再び外れないよう、本来の安定した構造を最大限に回復させます。これにより、最小限の侵襲で最大限の効果を引き出し、患者様の早期回復とスムーズな復帰を可能にします。また、脱臼を繰り返す前方への不安定性が強いケースなど、患者様の状態に応じた先進的な手術手法も取り入れています。
リハビリテーション (R):医師と理学療法士によるチーム管理
術後の可動域回復や筋力・安定性向上、そして再発予防には、個別化されたリハビリテーションが不可欠です。当グループでは、手術を行った医師とリハビリ担当者が、月1回のカンファレンスを通じて常に密接に情報共有を行い、チームで患者様の完全復帰までの管理体制を整えています。これにより、修復した組織の保護と機能回復の促進を安全に両立させることができます。
さらに、知識と計測に基づいた最適なプログラムを処方するだけでなく、リハビリテーション中に超音波診断装置を使用し、治療部位の動きを可視化します。この可視化技術により、客観的な根拠に基づいた正確な訓練を実施し、患者様ご自身もリハビリに納得感を持って取り組むことができ、再発予防を含めた身体づくりを目指します。
運動療法 (Ex):科学的根拠に基づいた再発予防トレーニング
当グループの専門性は、機能回復を目的とするリハビリテーション(R)に加えて、再発予防と競技力向上を目的とする運動療法(Ex)の段階までサポートを継続することにあります。
理学療法士、柔道整復師に加え、トレーナーやアスレティックトレーナーなどの専門スタッフが在籍しており、医師や理学療法士とトレーナーが連携し、医学的なリスク管理のもとでトレーニング指導を行います。これは、単に筋力をつけるだけでなく、肩脱臼の原因となった動作パターンの分析・改善、安定性を高めるための科学的根拠に基づいたトレーニングを実施することを意味します。この包括的な運動指導により、患者様は安全に、かつ高いレベルでスポーツへの完全復帰や、怪我をしにくい身体づくりを実現することができます。
治療から復帰後まで、切れ目のないサポート
アレックスメディカルグループは、各クリニックが情報を共有し、診断、治療、リハビリ、その後のフォローアップまで、一貫性のあるサポートを提供します。
特に、活動レベルの高い患者様やスポーツ愛好家にとって重要なのは、初期治療期間を終えた後の継続的なサポートです。当グループでは、先進医療の提供に加え、スポーツ装具の選定や、パーソナルコンディショニング(PCC)など、患者様の目的に合わせた継続的なコンディショニング管理をサポートする体制を整えています。これにより、完全復帰からその後の再発予防、パフォーマンスの維持まで、長期にわたり患者様をサポートし続けることができます。
このような症状があればすぐにご相談ください
肩の不安定感や脱臼のトラブルは、放置せず早期に医師の診断を受けることが、治療効果を最大限に高める鍵です。以下の症状がある場合は、お気軽にご相談ください。
- 一度外れた肩が、力を入れたり動かしたりする際に「抜けそうな感覚」や強い不安感が続いている。
- スポーツ動作中に肩に違和感や引っ掛かりを感じる。
- 夜間痛で眠れない、または過去の怪我から可動域が戻らない。