股関節の外来
股関節の痛み・不安定感でお悩みの方へ
股関節は、体の中で最も大きく重要な関節の一つであり、歩行、立つ、座るといった日常動作の基盤を支えています。この股関節に痛みや違和感が生じると、生活の質(QOL)が大きく低下し、活動量の減少を通じて健康寿命の短縮に繋がる可能性があります。
「単なる加齢のせい」「そのうち治るだろう」と股関節のトラブルを放置することは、症状を悪化させ、変形を進行させる危険性があります。アレックスメディカルグループ(AR-Ex)では、股関節を担当する医師と、各分野の専門スタッフが連携し、痛みの根本原因を正確に診断します。患者様が目指すレベルでの「完全復帰」を実現するための、体系的で専門性の高い治療を提供します。
受診をおすすめする主なサイン
股関節の痛みが数週間以上続く場合は、早期に専門的な整形外科を受診することが重要です。以下のような症状があれば、お早めにご相談ください。
- 歩き始めや立ち上がりの際に、股関節の付け根や太ももの前側に痛みが走る。
- 長時間の歩行や階段の昇降が困難になり、日常生活に支障が出ている。
- 股関節の奥で、引っかかり感やクリック音、または不安定感を覚える。
- 夜間に痛みが強くなり、寝つきにくい、あるいは痛みで目が覚めてしまう(夜間痛がある)。
- 靴下を履く、爪を切るといった、股関節を深く曲げる動作が難しくなった。
主な対象となる股関節の症状・疾患
股関節の痛みは多岐にわたる原因から発生します。当外来では、特に専門的なアプローチが求められる以下の疾患に対応しています。
- 変形性股関節症: 関節軟骨がすり減り、関節が変形する進行性の疾患です。初期は違和感程度でも、進行すると持続的な痛みや可動域の制限を引き起こします。
- 股関節インピンジメント(FAI): 大腿骨頭と臼蓋の骨の形状が合わず、股関節を動かす際に骨同士が衝突し、関節唇の損傷や炎症を引き起こす疾患です。特にスポーツ選手や若年層によく見られます。
- 股関節唇損傷: 関節の安定性を高める関節唇という組織が、外傷や繰り返しの負荷で損傷した状態です。不安定感やクリック音を伴うことがあります。
- 臼蓋形成不全: 股関節の受け皿である臼蓋が浅い、先天的な構造異常です。関節への負担が大きいため、若いうちから股関節症を発症するリスクが高まります。
- 大腿骨頭壊死症: 大腿骨頭の一部への血流が途絶え、骨が壊死してしまう疾患です。
正確な診断に基づく治療への第一歩
股関節は人体の中でも診断が難しい部位の一つです。当グループでは、痛みの真の原因を特定するために、多角的な評価と高精度な画像診断を組み合わせています。
詳細な問診と機能評価
患者様から症状の経過、生活環境、運動歴などを詳細に伺う問診に加え、専門スタッフによる機能評価を徹底します。股関節の可動域、筋力、安定性を細かく計測し、痛みを引き起こす動作パターンや体幹のバランスを分析します。この評価データは、治療やリハビリテーションの個別プログラム作成に不可欠です。
高精度な画像検査体制
診断の客観性と確実性を高めるため、先進的な画像検査体制を整えています。
- レントゲン(X線検査): 骨の形態異常や関節の変形度合いを確認し、疾患の進行状況を把握します。
- 超音波(エコー)診断: 非侵襲的で患者様の負担が少なく、リアルタイムでの観察が可能です。レントゲンでは確認できない靭帯、腱、筋肉などの軟部組織の損傷や炎症を詳細に捉えます。特に股関節周囲の運動器は動く器官であり、動作に伴う組織の動きを動画で評価できるため、静的な画像だけではわからない痛みの原因や、損傷の正確な場所を特定する上で非常に有用です。
- MRI検査:非常に強い磁石の力を利用して体の中を調べる検査です。レントゲンでは確認できない筋肉や靭帯、軟骨などの損傷や骨内の様子を調べることができます。超音波検査では確認しづらい深い部分の評価も可能です。(検査可能施設:AR-Ex 尾山台整形外科、長野整形外科クリニック、佐久平整形外科クリニック)
- CT検査:レントゲンでは分からない骨折を詳細に確認することができます。レントゲン検査の場合、どうしても2次元的な評価になってしまうので骨と骨の重なりで病変部を見逃すことがあります。CT検査は3次元的に評価が可能なため病変を特定しやすいです。(検査可能施設:アレックス脊椎クリニック)
完全復帰を目指す治療哲学「AR-Ex」
当グループが追求する完全復帰への道筋は、治療(A)、リハビリテーション(R)、運動療法(Ex)の3つの柱を、密に連携させた独自の治療哲学「AR-Ex」に基づいています。専門スタッフによるチーム構成で、診断から最終的な機能回復まで、一貫して患者様の完全復帰をサポートします。
治療(A):低侵襲な手術による最大限の効果
手術が必要と判断された場合でも、当グループは「体への負担を最小限に抑え、最大の治療効果」を追求します。
- 手術特性: 小さな切開でカメラを挿入し処置を行う関節鏡視下手術を積極的に採用しています。
- こだわりの精度: 損傷した組織の修復は1mmの精度にこだわり、健常な組織への影響を極力抑えます。
- メリット: 傷が小さく、術後の痛みや筋力低下のリスクが低減されるため、回復が早まり、早期に本格的なリハビリテーションへ移行することが可能になります。
リハビリテーション(R):知識と可視化に基づく根拠ある身体づくり
リハビリテーション(R)は、手術の成否、そして症状の改善に不可欠なプロセスです。当グループでは、病態に合わせた最適な個別プログラムを作成・実施し、治療の進捗や効果を、客観的な視点で明確に把握・共有することを重視しています。
- 超音波(エコー)で動きを可視化するリハビリテーション: 理学療法士は、超音波診断装置をリハビリテーションの現場で活用します。治療部位の動きや状態を可視化しながら施術や運動指導を行うことで、患者様とスタッフが共通の認識を持ち、より正確で効果的な治療を提供します。
- チーム連携体制: 手術を行う医師とリハビリテーション担当スタッフは、患者様の回復状況について月1回のカンファレンスで密に連携します。これにより、回復の段階に応じた適切な負荷管理と、安全かつ迅速な機能回復を徹底的に管理します。
- 目的: 痛み緩和に加え、再発予防を見据えた股関節周囲の土台となる身体づくりを目指します。
運動療法(Ex):再発予防のための科学的トレーニング
リハビリテーション後の身体機能を長期的に維持し、日常生活やスポーツで最高のパフォーマンスを発揮するためには、科学的根拠に基づいた運動療法が欠かせません。
- 専門スタッフによる指導: 理学療法士に加え、トレーナー、アスレティックトレーナーなど専門スタッフが在籍し、運動指導にあたります。
- 連携されたトレーニングの実施: 医師や理学療法士とトレーナーが連携することで、機能安定化のための体幹強化や、歩行・ランニングなどの動作改善に特化したトレーニングを、リスク管理のもとで実施します。
- 目標: 単なる痛みの改善にとどまらず、再発予防と、スポーツにおける競技力向上や、健康維持といった患者様の具体的な目標達成をサポートします。
診断から復帰後まで途切れないサポート体制
当グループは、複数のクリニック間で情報を共有し、診断、治療、リハビリテーション、そしてその後のフォローアップまで、途切れることのない、一貫したサポート体制で患者様を支えます。これにより、患者様はどの施設にいても、グループ全体の高い専門性に基づいた継続的なケアを受け続けることが可能です。
長期的な健康を支えるサポート
私たちは、回復した後も、患者様が安心して活動できるためのサポートを継続します。
- 先進医療やスポーツ装具の選定・作成など、幅広い選択肢を提供し、最適な治療手段をご提案します。
- 完全復帰後も、グループ内の接骨院での定期的なコンディショニングサポートや、パーソナルトレーニングといったサービスを通じて、回復した身体機能の維持・向上を継続的に支援し、再発を予防します。