肘関節の外来
肘の痛みでお悩みの方へ
肘関節が担う重要な役割とトラブルのリスク
肘関節は、上腕骨、橈骨(とうこつ)、尺骨(しゃっこつ)の3本の骨で構成されており、腕を曲げ伸ばしする動きだけでなく、手首や指の繊細な動作を可能にするための土台となる重要な関節です。この関節は膝や股関節とは異なり体重が多くかかることは少ないものの、野球、テニス、ゴルフなどのスポーツ活動や、日常的な重労働によって酷使されやすいという特徴があります。
過度な負荷や外傷により、肘関節の軟骨や靭帯、腱などが損傷すると、炎症が起き、慢性的な痛みや可動域の制限を引き起こします。肘の初期のトラブル、例えばテニス肘などは、「なんとなく痛い」「違和感がある」といった軽微な症状から始まることが多いため、患者様によって放置されがちです。しかし、この初期段階で専門的な診断を受けずにいると、症状は進行し、最終的にはドアノブを回す、タオルを絞るといった日常生活の動作で強い痛みを伴うようになります。さらに悪化すると、握力の低下で物を落としやすくなったり、何もしていない安静時にもジンジンと痛む状態(安静時痛)に発展する危険性があります。肘の機能回復と長期的な健康を維持するためには、早期の専門的な診断と適切な介入が極めて重要となります。
主な対象となる肘関節の症状・疾患
アレックスメディカルグループの肘関節外来では、スポーツ整形外科クリニックグループとしての豊富な経験と専門的な知見に基づき、幅広い肘の疾患に対応し、患者様の早期回復をサポートします。
- 上腕骨外側上顆炎(テニス肘): ドアノブを回す、ぞうきんを絞る、物を持ち上げるなど、手首を反らせる動作で肘の外側に痛みが出る疾患です。再生医療(PRP療法)の適用も検討されます。
- 上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘・野球肘): 投球やスイング動作の繰り返しによって、肘の内側に痛みが発生します。
- 変形性肘関節症: 過去の骨折や脱臼、または長年の酷使により関節軟骨が摩耗し、肘の曲げ伸ばしが制限されたり、違和感が生じたりする疾患です。
- 肘関節周辺骨折・靭帯損傷: 転倒や衝突などの外傷により、上腕骨、橈骨、尺骨の一部または複数に骨折が生じたり、関節の安定性を保つ靭帯が損傷したりした状態です。
- 投球障害肘: 成長期のリトルリーグショルダーや、成人期の腱板損傷などのように、繰り返しの投球動作によって肘の靱帯や骨、軟骨が損傷する疾患です。
早期発見・正確な治療を実現する診断体制
診断の流れ
肘の痛みの原因は、骨だけでなく、複雑に絡み合う腱、靭帯、神経などの軟部組織にあることが多いため、正確な診断が治療の成否を分けます。当グループでは、まず患者様の症状の経過や生活・スポーツ歴などを詳細に確認する問診・診察を行います。その情報に基づき、骨や関節の位置を確認するレントゲン検査に加え、超音波(エコー)検査や詳細な機能評価を行い、痛みの根本原因を特定し、最適な治療計画をご提案します。
超音波診断装置を用いた精度の高い検査
当グループでは、超音波診断装置(エコー)を積極的に活用することで、診断の質を高めています。超音波検査は、放射線を使用しないため被爆の心配がなく、非侵襲的で安全な検査手法です。
この検査の最大の利点は、レントゲンでは捉えにくい靭帯、腱、筋肉などの軟部組織の状態を、リアルタイムかつ鮮明に確認できる点にあります。特に、肘関節周辺の炎症や微細な組織の損傷を動的に評価できるため、患者様の痛みの原因を正確に把握することが可能です。この精度の高い検査結果は、その後の治療やリハビリテーションの方向性を決めるものになります。
AR-Exの治療哲学:完全復帰を目指す3つの柱
アレックスメディカルグループは、治療を単なる「怪我の修復」で終わらせず、患者様の「受傷前と同じように活動できるレベルへの復帰」という目標達成まで導くことを使命としています。そのため、診断からリハビリテーション、再発予防に至る全プロセスを、専門スタッフによるチーム体制で、独自の治療理念のもと一貫してサポートします。
この治療理念は、3つの要素(治療、リハビリテーション、運動療法)を柱とし、これらを密接に連携させることで、最小限の負担で最大限の回復効果を追求します。
最小限の侵襲で最大限の効果を目指す「治療」(A)
1mmの精度にこだわる低侵襲手術
手術が必要な場合、当グループでは肘関節への負担を最小限に抑える「関節鏡視下手術」を高い精度で実施します。当グループは、患者様の身体への負担を最小限に抑え、最大の回復を目指すために、処置の精度に1mm単位でこだわります。この低侵襲な手術特性により、手術の傷が小さく、術後の痛みや筋力低下のリスクが低減され、回復が早くなります。その結果、患者様は日常生活やスポーツ活動へスムーズに復帰することができます。
幅広い選択肢を提供する最新の治療法
手術以外の保存療法においても、当グループは幅広い選択肢を提供しています。特に、テニス肘や変形性肘関節症などに対しては、患者様ご自身の血液から抽出した成長因子を利用するPRP療法やAPS療法といった再生医療の適用が可能です。再生医療は、患者様自身の組織を用いるため、薬物治療による副作用や、外科手術による感染などの合併症リスクが少ないというメリットがあります。手技も比較的簡便であり、多くの場合、入院不要で治療が受けられるため、手術を避けたい患者様にとって有効な選択肢となります。
科学的根拠に基づく「リハビリテーション」(R)
超音波で状態を確認しながら行うリハビリテーション
リハビリテーションの目的は、単なる痛み緩和だけでなく、再発予防を見据えた身体づくりにあります。当グループの理学療法士は、知識と計測に基づき、患者様一人ひとりの状態や回復段階に合わせた最適なリハビリテーション計画を作成・実施します。
特に重視しているのが、超音波診断装置を用いたリハビリの実行です。超音波を用いることで、靭帯や筋肉の回復状況、炎症部位をリアルタイムで確認しながらリハビリを進めることができます。これにより、理学療法士は客観的な根拠に基づいて、狙った組織へ正確にアプローチし、より効果的で精度の高い機能回復を目指します。また、手術を行う医師と理学療法士が、月1回のカンファレンスを通じて連携し、再発予防を見据えた一貫した管理体制を維持します。
復帰後を見据えた予防的「運動療法」(Ex)
専門スタッフによるチーム体制
治療とリハビリテーションによって回復した肘の機能を、実際のスポーツや生活で持続的に活かすためには、運動療法が不可欠です。当グループでは、理学療法士や柔道整復師に加え、トレーナー、アスレティックトレーナーといった専門スタッフが在籍しており、科学的根拠に基づいたトレーニング指導を実施します。
リスク管理下の継続的なコンディショニング
運動療法では、治療の専門家である医師や理学療法士と、トレーニングの専門家であるトレーナーが協力してサポートします。これにより、怪我のリスクを徹底的に管理したうえで、競技力向上、ダイエット、健康維持など、患者様の目的に合わせた個別のトレーニングを実施します。この連携体制は、患者様が競技復帰した後も継続的にコンディショニング指導を行い、再発を予防し、活動の質の向上を長期的に支えることを目的としています。
患者様を支えるAR-Exの専門性と継続サポート
グループ連携による一貫した継続サポート
アレックスメディカルグループの強みは、グループ全体での密な連携体制にあります。各クリニックが情報を共有し、診断から治療、術後フォローアップ、そして再発予防のための運動指導まで、シームレスで一貫性のある治療計画を実行します。患者様は、治療の過程で迷いや中断を経験することなく、安心して回復に専念できる環境が提供されます。
この継続サポート体制は、患者様の「完全復帰」とその後の「活動の維持」を見据えています。先進医療の提供に加え、パーソナルコンディショニングサービスなどを通じて、治療終了後も患者様の健康を長期的に支え続けます。