disease

弾発指(ばね指)

症状

弾発指(ばね指)は、手の使い過ぎなどが原因で発症する指の腱鞘炎の一種です。指の曲げ伸ばしの際に、指の付け根に強い痛みや特有の引っかかり(ばね現象)が生じるのが特徴です。この症状は、日常生活における物を握る、掴むといった動作に大きな支障をきたします。

具体的な症状としては、以下の点が挙げられます。

  • 指の付け根の痛みや腫れ:指の付け根(手のひら側)に、押したときの痛みや局所的な腫れを感じます。症状は、特に朝方、起床時に強く感じることがよくあります。
  • 指の曲げ伸ばし時の引っかかり(ばね現象):狭くなった腱鞘に腱が引っかかり、指を伸ばそうとする際に一旦止まりますが、無理に動かすことで勢いよく「カクン」と伸びます。主に親指、中指、薬指に多く見られます。
  • 指の動かしにくさや拘縮:症状が重度化し長期化すると、指の関節が固まり、自力で指を完全に伸ばすことが難しくなる場合があります。

症状を放置すると、指の機能が徐々に失われ重症化する恐れがあるため、違和感や痛みを感じたら、早期に専門医の診察を受けることが大切です。

原因

弾発指は、指を動かす腱が通るトンネルである「腱鞘」が炎症で厚くなり狭くなることで、腱との間で摩擦が生じて発生します。指の酷使だけでなく、患者様の体質や全身の状態など、複数の要因が複雑に関わって生じることがわかっています。

具体的な原因としては、以下の複数の要因が複合的に関与しています。

  • 手指の使い過ぎ(オーバーユース)による摩擦:仕事や家事などで指先に繰り返しの負荷がかかり、腱と腱鞘に過度な刺激が加わることで炎症が起こり、腱鞘が肥厚する主要な原因となります。
  • ホルモンバランスの変化:更年期以降の女性(50歳前後)は、女性ホルモンが低下することで腱や腱鞘の柔軟性が失われ、腱鞘が狭くなりやすくなり発症リスクが高まります。
  • 特定の疾患による影響糖尿病や透析を受けている患者様は、腱組織の代謝異常を伴いやすく、腱鞘炎や腱の結節ができやすく、複数の指にばね指を発症する傾向が見られます。
  • 加齢に伴う組織の質の変化:加齢により、腱や腱鞘の柔軟性や滑走性が自然と低下するため、わずかな負荷でも炎症や引っかかりを引き起こしやすくなります。

このように、弾発指の発生には、局所的な負荷だけでなく、患者様の体質や全身の健康状態が深く関わっています。

診断

弾発指の診断は、患者様の身体への負担が少ない臨床的な評価(問診・触診)が中心で、多くの場合、迅速に診断が可能です。専門医が症状を詳しくお伺いし、患部の状態を確認します。

問診と触診による臨床診断

指の痛みや腫れの場所、症状が現れる時間帯を詳しくお伺いし、指を動かした際のばね現象の有無や程度を触診で確認します。炎症で肥厚した腱鞘や腱のコブ(結節)を触知することで正確な診断が可能です。また、糖尿病などの全身疾患の有無も確認します。

画像検査を用いた詳細な評価

臨床診断を裏付けるため、以下の画像検査を補助的に使用します。

  • 超音波(エコー)検査:X線では観察が難しい腱や腱鞘の軟部組織をリアルタイムで観察し、腱鞘の肥厚や腱の結節の大きさを正確に把握し、病態の進行度を詳細に評価します。
  • レントゲン検査:腱鞘炎自体は写りませんが、指の痛みが関節の変形や骨の異常など、他の整形外科的疾患によるものではないかを除外するために、必要に応じて実施することがあります。

これらの検査を通じて、患者様の状態を多角的に把握し、それぞれの症状の重さに合わせた最適な治療方法を検討します。

治療

弾発指の治療は、症状の進行度合いに応じて段階的に進められます。初期には保存的治療(手術をしない治療)から開始し、保存療法で改善が見込めない場合や、症状が重度で日常生活に大きな支障をきたしている場合に、手術治療を検討します。

具体的な治療法は以下の通りです。

  • 安静と固定(装具療法):軽度の炎症を鎮めるため、指を休ませることが基本です。サポーターや装具で指の動きを制限し、患部への負荷を減らすことで自然治癒を促します。
  • 薬物療法:痛みが強い場合や炎症を抑える目的で、内服薬(痛み止めなど)や外用薬(湿布など)を使用し、他の治療効果が現れるまでの痛みをコントロールします。
  • ステロイド注射:保存療法で効果が得られない場合に選択されます。狭窄した腱鞘の周囲にステロイド剤を注入し、強力な抗炎症作用で腱鞘の腫れを抑え、迅速な症状改善を目指します。
  • 手術(腱鞘切開術):注射治療を含めた保存療法で改善しない場合や、指が固まった重症例に対して行います。局所麻酔下で狭くなっている腱鞘の一部を小さく切り開くことで、腱がスムーズに動けるように通り道を根本的に広げます。

手術に不安を感じる方もいますが、ばね指の手術は、15分から30分程度の短時間で完了する治療法です。最も強い痛みは局部麻酔の注射時で、これは通常のばね指注射の痛みとほぼ同程度です。当グループでは、患者様の身体的負担を軽減するため、抜糸が不要な方法や、傷跡が目立たない低侵襲な手法を取り入れるなど、安心できる治療を提供できるよう努めています。治療後は、再発を防ぎ、早期に指の機能を取り戻すためのリハビリテーションを行うことが大切です。

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