disease

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)

症状

上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)は、一般に「テニス肘」と呼ばれ、肘の外側に痛みが出る疾患です。手首や指を反らす筋肉(伸筋群)の腱の付着部に、繰り返しの動作による負担で炎症や組織の変性が起こり、疼痛が発生します。内側上顆炎(ゴルフ肘)と比較して発症率が高く、治りにくい傾向にあることが知られています。

具体的な症状は以下の通りです。

  • 初期症状:肘の外側全体に「うずき」や漠然とした「違和感」が現れます。コップやカバンなどの軽いものを持った際に「チクっと」した鋭い痛みが生じることが特徴です。
  • 進行症状:腱への負担が慢性化すると、日常の何気ない動作でも持続的な痛みが現れ、生活に大きな支障をきたします。

特に痛みを誘発しやすい動作

  • タオルや雑巾を絞る:前腕のひねり動作と手首の伸展が複合的に作用し、患部に強い負担を集中させます。
  • ドアノブを回す、ペットボトルの蓋を開ける:ひねる動作を伴う握り動作が、伸筋群の緊張を誘発します。
  • 荷物や鍋を持ち上げる:手首を反らした状態を保持しながら物を持ち上げる際、持続的な伸筋群の緊張が集中します。

これらの症状に心当たりがある場合は、早期の受診が大切です。

原因

上腕骨外側上顆炎の主な原因は、手首や指を反らす伸筋群の使いすぎ(オーバーユース)と、それに伴う腱組織の劣化、すなわち腱の変性が関わっています。繰り返しの動作による微細な損傷が、加齢による組織の修復能力の低下と相まって慢性化し、痛みにつながります。

具体的な原因は以下の通りです。

  • 短橈側手根伸筋腱(ECRB)への負担集中:手首を反らす短橈側手根伸筋腱の付着部に、反復的な動作による牽引力が加わり、組織の損傷と変性が進行します。
  • 加齢による修復能力の低下:年齢を重ねると腱組織の血液供給が低下し、損傷を修復する能力が落ちるため、中高年層で慢性的な痛みが起こりやすくなります。
  • 生活上の反復動作(非スポーツ要因):特に日常的な家事労働を行う家庭の主婦に多く見られることが報告されています。タオル絞りや重いものを持つといった反復性の高い動作が、伸筋群に継続的なストレスを与えます。
  • テニスにおける不適切な負荷:30歳以降にテニスを始めた人に発症率が高いことや、不適切なラケット、高頻度なプレーなどが肘への負担を増加させる原因と考えられています。

これらの要因が複合的に関与し、慢性的な痛みを生じさせます。

診断

上腕骨外側上顆炎の診断は、症状の聞き取り(問診)、専門的な誘発テスト、そして画像検査を組み合わせて行われます。正確な診断を通じて、病態に合わせた最適な治療法を導き出します。

  • 問診と誘発テストによる評価 患者様がどの動作で痛みを感じるかを詳細に把握した後、肘の外側上顆部を押して圧痛を確認します。さらに、病変の中心に負荷をかける中指伸展抵抗テストを実施し、肘の外側に特異的な痛みが誘発されるかを評価します。
  • 画像検査による病態の評価と鑑別
    • 超音波(エコー)検査:損傷部位の腱の厚みや変性の程度などをリアルタイムで観察し、痛みの原因を客観的に把握します。
    • X線(レントゲン)検査:骨折や関節炎、石灰化など、痛みの原因となりうる他の疾患がないかを確認し、鑑別診断に役立てます。

これらの専門的な評価を通じて、患者様一人ひとりに適した治療方針を決定します。

治療

上腕骨外側上顆炎の治療は、痛みの軽減と組織の修復、機能回復を目標に、病態に応じて段階的に進められます。慢性的な変性が関与しやすいため、炎症抑制だけでなく、組織再生を視野に入れたアプローチが重要です。

主な治療方法は以下の通りです。

  • 安静と装具の活用 痛みを誘発する動作を避け、患部の安静を保ちます。テニス肘用バンドなどを装着し、腱の付着部にかかる牽引力を軽減させます。
  • 薬物療法と注射 炎症を抑えるために湿布や内服薬を使用します。急性期には、炎症を迅速に抑えるためにステロイドと局所麻酔剤の混合液を患部に注射することがあります。
  • 専門的なリハビリテーションとストレッチ 痛みが軽減した後、再発を防ぐための理学療法が重要です。伸筋群の柔軟性を高めるストレッチ指導などを行い、機能回復を目指します。
  • 動注治療(動脈内注射)患部周辺の新生血管に抗生物質を注入し、抗生物質の粒子でモヤモヤ血管を閉塞させることで疼痛の軽減を期待する治療です。
  • 超音波吸引治療TENEX(テネックス) 超音波画像で確認しながら、特殊な器具を用いて変性した腱組織を吸引・除去する治療法です。
  • PRP(多血小板血漿)治療 患者様ご自身の血液から成長因子を抽出し、損傷部位に注入することで、自己治癒力を高め、組織の再生を促進する先進医療です。
  • 体外衝撃波治療 体外から音波の衝撃波を患部に当て、血流改善や慢性的な痛みの伝達を抑制し、治癒を促す治療法です。
  • 手術療法 保存的治療や先進治療で改善しないごく一部の難治例に対して、変性した腱組織の切除や修復を行う手術が最終的な選択肢として検討されます。

当院では、患者様の病態と活動レベルに合わせて、最適な治療法の組み合わせを提案し、早期の機能回復をサポートします。

対応クリニックのご紹介

アレックスメディカルグループでは、上腕骨外側上顆炎に対し、整形外科専門医とリハビリテーション専門スタッフが連携し、正確な診断と治療を提供しています。

当院では、専門医による正確な診断に加え、リハビリテーション、そして難治例に対するPRP療法体外衝撃波治療TENEXといった先進的な治療オプションを組み合わせることで、患者様の早期社会復帰を支援します。肘の痛みでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

東京エリア

埼玉エリア

長野エリア

先進治療
WEB予約WEB予約
LINE公式LINE公式