disease

骨粗鬆症

症状

骨粗鬆症とは、骨の密度が減少し、構造がもろくなることで骨折しやすくなる病気です。初期には痛みなどの自覚症状がほとんどないため、「沈黙の病気」とも呼ばれます。骨折を防ぐためには、症状がなくても早期に骨の健康状態を把握し、対策を講じることが重要です。

この疾患が進行し、病態が悪化すると、以下のような具体的な症状やリスクとして現れます。

  • 初期段階では症状がない: 病気がかなり進行するか、実際に骨折を起こすまで、はっきりとした自覚症状がないことが骨粗鬆症の最も大きな特徴です。
  • 背中や腰の痛み: 骨粗鬆症が進行すると、背骨(脊椎)が潰れる「圧迫骨折」を起こしやすくなります。この圧迫骨折は、慢性的な背中や腰の痛みを引き起こし、日常の動作を困難にさせます。
  • 背中が丸くなる(円背)と身長の低下: 圧迫骨折が重なると、背骨が変形し、背中が丸くなる(円背)現象や、身長が縮んでしまうことがあります。
  • わずかな衝撃による骨折: 骨が極度にもろくなると、転倒時だけでなく、くしゃみや重いものを持つなどのわずかな力でも骨折するリスクが高まります。

骨折は、特にご高齢の方にとって、寝たきりや介護が必要な状態につながる重大な原因です。ご自身の姿勢の変化や身長の低下に気づいた際は、一度骨の健康状態を確認することをおすすめします。

原因

骨は、古い骨を壊し(骨吸収)、新しい骨を作る(骨形成)という「骨代謝」を常に繰り返していますが、骨粗鬆症は、このバランスが崩れ、「骨を壊す働き」が「骨を作る働き」を上回ることで発生します。主な発症原因は加齢やホルモンバランスの変化ですが、骨の健康を脅かす生活習慣も深く関わっています。

骨粗鬆症を引き起こす具体的な原因は以下の通りです。

  • 加齢:年齢を重ねると、骨を作る細胞の働きが衰え、骨の強さや密度が徐々に低下するため、高齢になるほど骨折リスクが高まります。
  • 女性ホルモンの減少:特に閉経後の女性は、骨の維持に重要なエストロゲン(女性ホルモン)が急激に減少し、骨を壊す働きが優位となり骨密度が大幅に低下しやすくなります。
  • 栄養不足:骨の主成分であるカルシウムや、その吸収を助けるビタミンD、骨の質を高めるビタミンKなどの栄養素が不足すると、新しい骨が十分に作られません。これらの栄養素が不足した状態が続くと、骨の強度が維持できなくなります。
  • 生活習慣の乱れ:喫煙は骨密度の低下を招き、過度な飲酒や多量のカフェイン摂取は、体に必要なカルシウムの吸収を妨げる作用があるため、骨の健康に悪影響を与えます。
  • 基礎疾患の影響:糖尿病、慢性腎臓病、関節リウマチなど、他の病気が原因で二次的に骨粗鬆症を引き起こすことがあります。これらの基礎疾患をお持ちの場合は、骨粗鬆症の対策も並行して行う必要があります。

栄養や運動、嗜好品に関する生活習慣は、ご自身の努力で改善できる要素です。日々の生活を見直し、骨の健康を意識した行動を取り入れることは、骨粗鬆症の進行を食い止める上で非常に重要となります。

診断

骨粗鬆症は自覚症状がない段階から進行していることが多いため、将来の骨折を防ぐためには、早期に正確な診断を受けることが不可欠です。当院では、患者様の骨の健康状態を客観的に評価するために、複数の検査を組み合わせて総合的に診断を行います。

骨粗鬆症の診断は、主に骨密度検査を中心とし、患者様の生活背景などを総合的に評価して行われます。

  • 骨密度検査(DEXA法): 骨密度測定の標準とされるDEXA法(デキサ法:二重エネルギーX線吸収測定法)を行います。骨折リスクの高い腰椎や股関節の骨密度を、少ない被曝量で正確に測定します。
  • 診断基準(Tスコア)の適用: 測定結果は「Tスコア」という指標で評価されます。これは、最も骨密度が高いとされる若い成人(若年成人平均値)の平均値と比較した値で、一般的にTスコアが70%未満(-2.5未満)で骨粗鬆症と診断されます。
  • X線検査による評価: 過去の骨折の有無や、現在の背骨の変形(圧迫骨折の既往)を確認するために、X線検査を行います。骨の変形や姿勢の確認は、治療方針を決める上で重要な情報です。
  • 問診と血液・尿検査: 生活習慣や既往歴などを詳しくお聞きする問診を行います。また、血液や尿の検査で、現在の骨の新陳代謝のスピード(骨代謝マーカー)を把握し、治療法の選択に役立てます。

特に40歳以上の女性や、既に骨折を経験されている方、あるいはリスク因子をお持ちの方は、症状がなくても定期的な骨密度検査を受けることを強くおすすめします。

治療

骨粗鬆症の治療は、単に骨密度を改善させるだけでなく、最も深刻な結果である骨折を予防し、患者様が活動的な生活を長く続けられるようにすることを目指します。治療は、患者様の病状や骨折リスクに合わせて、薬物療法、食事療法、運動療法の三本柱を組み合わせた総合的な方法で進めます。

以下に骨粗鬆症の主な治療方法を挙げます。

  • 薬物療法(骨吸収抑制薬):骨が溶けてしまう働きを強力に抑え、骨密度の低下を防ぐ薬です。飲み薬や、頻度の少ない注射、点滴といった投与方法が選べます。
  • 薬物療法(骨形成促進薬):新しい骨を積極的に作ることを促し、骨密度と骨の強さを高める薬です。特に骨折リスクが高い方に対して用いられることがあります。
  • 食事療法:骨の材料となるカルシウム、その吸収を助けるビタミンD、骨の質を支えるビタミンKなどの重要な栄養素を、日々の食事でバランス良く摂れるように具体的な指導を行います。
  • 運動療法:ウォーキングやジョギング、かかと落としなど骨に適切な刺激を与える運動や、筋力を維持し転倒を防ぐための体操を、個々の体力に合わせて無理なく実施します。

食事療法においては、骨を強くするために必須の栄養素を意識して摂取することが非常に重要です。

栄養素主な役割(骨への働き)代表的な食品例
カルシウム骨の主成分となり、骨の密度を維持します。乳製品、小魚、豆腐、小松菜
ビタミンD腸でカルシウムの吸収を助け、骨への定着を促します。サケ、ウナギ、きのこ類
ビタミンK骨のタンパク質を活性化し、カルシウムを骨にしっかり閉じ込めます。納豆、ホウレン草、ブロッコリー

骨粗鬆症の治療は継続が極めて重要です。当グループでは、患者様が無理なく続けられるよう、多様な薬剤の中から生活や病態に合ったものをご提案し、食事や運動指導と合わせて継続的な治療を提供いたします。

対応クリニックのご紹介

東京エリア

埼玉エリア

長野エリア

先進治療
WEB予約WEB予約
LINE公式LINE公式