disease

踵骨骨端症(セバー病)

症状

踵骨骨端症(セバー病、またはシーバー病)は、活発に運動する成長期のお子さんの、かかとの後方に痛みが生じる代表的なスポーツ障害の一つです。この疾患は、骨が急成長する10歳前後の小学高学年から中学生の男の子に多く発症し、特にサッカー、バスケットボール、陸上など、走ったり、跳んだりといった動作を頻繁に行う競技で注意が必要です。適切な治療とケアを行わなければ、スポーツ活動はもちろん、日常生活にも支障をきたすことがあります。

具体的な症状は以下の通りです。

  • 運動時や運動直後の激しいかかとの痛み:運動中はもちろんのこと、特に練習や試合といった負荷の高い活動の後にかかとを強く痛がります。
  • かかとを押したときの強い痛み(圧痛):かかとの骨の後ろ側やアキレス腱の付着部を押すと、ピンポイントで強い痛みを感じるのが特徴です。
  • 痛みによる歩行の変化:かかとをつくと痛みがあるため、お子さんが無意識につま先立ちで歩いたり、足をかばうような不自然な歩き方になったりすることがあります。
  • 安静にしていた後の痛み:起床時や長時間座っていた後など、動き出しの最初の一歩で強い痛みを感じることもあります。

セバー病は特定の動作や部位で痛みが持続・悪化するため、単なる疲労や成長痛と判断せず、早期に専門的な診断を受けることが重要です。

原因

セバー病は、成長期特有の骨の構造的な要因と、スポーツ活動による物理的な負荷(オーバーユース)が複合的に作用することで発生します。この病気の発生メカニズムを理解することが、適切な治療や再発予防につながります。

原因となる具体的な要因は以下の通りです。

  • 成長軟骨(骨端核)の未熟さ:踵の骨は成長の途中で、骨端核という成長軟骨の部分が骨本体から分離した、構造上非常にもろい状態になっています。
  • アキレス腱や足底筋膜による過度な牽引力:ふくらはぎの筋肉が硬くなると、その先にあるアキレス腱や足の裏の足底筋膜が収縮する際、この脆弱な成長軟骨を強く引っ張り続け、微細な損傷や炎症を引き起こします。
  • スポーツ活動による慢性的ストレス:長時間のランニングやジャンプなどの動作は、かかとの成長軟骨に集中的な衝撃を継続的に加え、骨の修復能力を超えてしまいます。
  • 足のアライメント(骨の並び)異常:偏平足や内反足といった足の骨格のバランスが通常と異なる場合、地面からの衝撃を適切に吸収できず、かかとの一部に過度な負担が集中しやすくなります。

セバー病は、運動のしすぎだけでなく、アキレス腱の硬さや足の構造的な特徴など複数の要素が関わって発症します。個々のお子さんに合わせた対策を講じることが、痛みの解決とスポーツ活動の継続には不可欠です。

診断

セバー病の診断は、成長痛と誤認されやすいこの疾患を正確に見分け、スポーツ復帰を果たすための最も重要なステップです。正確な診断により、最短で治療を開始することができます。

当グループのクリニックでは、以下の方法で詳細な診断を行います。

  • 身体診察と詳しい問診:まず、痛みの発生時期や程度、運動の種類、生活習慣を詳しくお聞きします。診察では、かかとの特定の部位を押したときの痛み(圧痛)を確認し、歩行時やつま先立ちで痛みの出方や程度をチェックします。
  • レントゲン検査(X線):X線検査は、かかとの成長軟骨の状態を確認するために必須です。また、疲労骨折など似た症状を示す他の重篤な疾患ではないかを明確に見分ける(鑑別診断)ことも目的です。
  • 総合的な負荷評価:スポーツ活動の頻度や強度、靴の選び方、そして足の形態(アライメント異常の有無)を詳細に評価します。この情報に基づき、お子さん固有の発症要因を特定することで、根本的な治療方針を確立します。

経験豊富な専門医が画像診断と身体所見を合わせて正確な診断を行い、保護者の方に病態と今後の見通しを丁寧にお伝えします。正確な診断が、お子さんの早期復帰を実現するための第一歩となります。

治療

踵骨骨端症は、成長とともに自然に良くなる病気で、手術が必要になることはほとんどありません。しかし、痛みを我慢すると症状が悪化し、長期にわたり運動ができなくなる可能性があるため、痛みを適切に管理し、原因となる負荷を軽減するための適切な処置が必要です。

当グループのクリニックでは、原因に直接働きかける積極的な保存療法を中心に行います。

  • 運動量の調整と安静:痛みが強い時期は、ランニングやジャンプを伴う運動を一時的に制限し、かかとへの衝撃を避けることが基本です。歩行が困難な場合は、短期間、松葉杖を使用してかかとへの負担を取り除くことも検討します。
  • ふくらはぎとアキレス腱のストレッチ:この疾患の主な原因であるアキレス腱の牽引力を軽減するため、ふくらはぎの筋肉を重点的に、毎日継続してストレッチすることが痛みの軽減と再発予防に非常に有効です。
  • 適切な靴と足底板(インソール)の使用:かかとの衝撃を吸収できるクッション性の高い、お子さんの足に合った靴を選ぶことが大切です。また、足の骨格に問題がある場合は、専門的に作製された医療用の装具(インソール)を靴に装着し、歩行時や運動時のかかとへの異常な負荷を補正します。
  • 消炎処置と冷却(アイシング):患部の炎症と痛みが強い場合は、アイシング(冷却)を行い、必要に応じて炎症を抑える作用のある内服薬や外用薬を用いて、症状を速やかに和らげる処置を行います。

私たちは、お子さんのかかとの痛みを適切に管理し、原因である筋肉の硬さや足のアライメントの問題に対して積極的に介入することで、スポーツへの復帰を目指します。再発予防のためのストレッチやインソール調整を通じて、活動的な生活を送れるよう総合的にサポートいたします。

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