disease

外脛骨障害

症状

外脛骨障害は、成長期の子どもやスポーツを活発に行う青少年に多く見られる足の痛みです。足の内側、土踏まずの少し上にある「外脛骨(がいけいこつ)」という骨の出っ張り部分に、炎症や痛みが集中します。

痛みは足を使うことで悪化し、日常生活や運動に大きな支障をきたすことがあります。外脛骨障害を疑うべき具体的な症状には、以下のようなものが挙げられます。

  • 足の内側の骨の出っ張りにある痛み:土踏まずのやや上にある骨の出っ張り(外脛骨)を指で押すと、強い痛みを感じます。この押したときの痛みの場所(圧痛点)を特定することは、診断する上で重要な手掛かりとなります。
  • 運動中や運動後の腫れ、熱感:ランニング、ジャンプ、急な方向転換など、足に負担がかかる運動の最中や終わった後に、痛みや腫れ、熱感が顕著に増します。特に足を酷使するスポーツ(サッカー、バスケットボールなど)で発生しやすい傾向があります。
  • 靴による圧迫で生じる痛み:硬い靴や、足の形にフィットしない靴を履いたとき、外脛骨が靴の縁などに圧迫され、激しい痛みを引き起こすことがあります。
  • 慢性的な足の疲労感:症状が進行すると、運動をしていない安静時や普段の歩行時にも、外脛骨の周りがジンジンとした痛みに襲われ、足全体の疲労感が抜けにくくなることがあります。

これらの症状は、使いすぎや成長痛と自己判断されがちですが、放置すると痛みが慢性化し、スポーツや日常生活に支障をきたす可能性があります。症状が続く場合は、整形外科クリニックでの正確な診断が重要です。

原因

外脛骨障害の痛みは、オーバーユース(使いすぎ)に加え、「生まれつきの骨の形」と「足のアーチを支える筋肉の牽引力」が組み合わさることで発生します。

  • 外脛骨という生まれつきの骨の存在:外脛骨とは、足の舟状骨という骨の一部になるはずだった小さな骨が、分離したまま残っている状態を指します。この外脛骨が足の内側に骨の出っ張りとして存在することが、腱が引っ張られる力の受け皿となり、痛みの発生する土台となります。
  • 後脛骨筋腱(こうけいこつきんけん)による過剰な牽引ストレス:外脛骨には、足の土踏まず(アーチ)を安定させる重要な筋肉である後脛骨筋の腱が付着しています。運動などでこの筋肉が強く収縮するたびに、腱が外脛骨を引っ張り、外脛骨と舟状骨の結合部に微細な損傷や炎症(痛み)を引き起こします。
  • 偏平足(へんぺいそく)による負荷の増大:足の縦アーチが低下している(偏平足)人は、アーチを維持しようとして後脛骨筋が常に過剰に働かなければなりません。これにより、後脛骨筋腱から外脛骨への牽引ストレスが恒常的に強くなり、障害が発生しやすくなります。
  • 不適切な靴の使用とオーバーユース:長時間の運動や急激な運動量の増加は後脛骨筋を疲労させ、腱の緊張を高めます。さらに、足に合わない靴が骨の出っ張りである外脛骨自体を圧迫することで、既存の炎症を悪化させる引き金となります。

痛みを根本から解決するためには、炎症を抑える対症療法に加え、外脛骨の構造的な問題と後脛骨筋への負担を減らすための対処が不可欠となります。

診断

外脛骨障害の診断は、問診と触診で痛みの部位を特定し、画像検査によって外脛骨の有無と形態を正確に確認することが必要です。最適な治療方針を決定するために以下の診断手順を踏みます。

まず、問診と触診によって、いつから、どのような動作で痛みが生じるのかを詳しくお伺いします。その上で、足の内側にある外脛骨の出っ張り部分を指で押して、痛みが最も集中している場所(圧痛点)を確認します。

次に、X線(レントゲン)検査を行います。これは、外脛骨が実際に存在するかどうか、またその大きさや、隣接する舟状骨とどのように結合しているか(形態的なタイプ)を正確に把握するために必須の検査です。

外脛骨の主なタイプ分類

タイプ特徴(舟状骨との関係)
Type 1舟状骨から離れて存在している(遊離型)
Type 2舟状骨と軟骨や線維で結合している(結合型)
Type 3舟状骨と完全に骨で結合している(骨性癒合型)

さらに、必要に応じて超音波(エコー)検査を実施します。これにより、痛みの部位の軟部組織や腱の状態をリアルタイムで詳しく観察できます。炎症の程度や、周囲の腱に損傷がないかを確認することで、より詳細な情報に基づき治療の計画を立てることができます。

当院では、骨の有無だけでなく、その形態や周囲の炎症の状態までを総合的に評価し、患者様に最適な治療の道筋を示します。正しい診断が、成功する治療の出発点です。

治療

外脛骨障害の治療は、症状の軽減と炎症の鎮静化を目指す保存療法が中心です。痛みの根本原因である後脛骨筋への負担を軽減し、再発を予防するための対策が特に重要となります。

外脛骨障害に対しては、通常以下の治療法を組み合わせて行います。

  • 安静とアイシング:急性期の強い痛みがある間は、スポーツ活動や長時間の歩行を控え、患部に負担をかけないようにします。患部を冷やす(アイシング)ことで、炎症を鎮め、痛みを緩和します。
  • 薬物療法:痛みの原因となっている炎症を抑えるための内服薬(非ステロイド性抗炎症薬など)や、患部に直接塗る湿布や軟膏を使用して、症状の緩和を図ります。
  • 装具療法(インソール・足底板):足の縦アーチが低下している場合、アーチを適切な位置で支え、後脛骨筋腱への過度な負荷を軽減するためのカスタムメイドのインソール(足底板)を使用します。
  • リハビリテーション・ストレッチ:痛みの原因となっている後脛骨筋の柔軟性を高めるストレッチング指導や、足首周囲の筋力を強化・バランスを改善する運動を行います。
  • 手術療法:これらの保存療法を半年以上にわたって継続しても痛みが改善しない、あるいは痛みが非常に強く日常生活に支障をきたす場合には、手術を検討します。手術では、痛みの原因となっている外脛骨を摘出したり、後脛骨筋腱を適切な位置に修復・再建したりします。

外脛骨障害は、原因となる骨の構造があるため、再発しやすい疾患です。保存療法で痛みが引いた後も、インソールによるアーチのサポートや適切なストレッチングを継続することが非常に大切です。当院では、患者様が安心して日常生活に復帰できるよう、継続的なサポートを提供いたします。

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