投球障害肘(内側部障害)

【投球障害肘とは】

 投球障害ひじは大きく分けて、「内側型」と「外側型」、「後方型」の3種類があります。
今回はそのなかでも多い「内側型」についてご紹介します。
内側型の投球障害ひじは、
①内側上顆下端の分節化(牽引性骨軟骨障害)
②内側上顆下端裂離骨折
③内側上顆骨端離開内側上顆骨端離開
があげられます。なかでも①内側上顆下端の分節化は頻度が高く、小学校高学年の選手では約40%に障害があるという報告があります。
 

【投球障害肘はどのように起こるの?】

  ボールを投げる動作において、テイクバックからリリースをするまでの間(写真の瞬間)に、肘の内側には強い牽引(引っ張られる)ストレスがかかります。成長期の骨端軟骨はもろく弱いため、繰り返されるストレスにより組織や構造がこわれ、内側上顆骨端核下端に障害が生じます。

【どのような症状があるの?】

 主な症状は肘の内側の痛みです。ある一球をきっかけに痛みが出現する場合、違和感から徐々に痛みに変わってくる場合があります。
症状が進行すると、日常生活のなかでの痛みや、肘の曲げ伸ばしのしにくさが出てきます。

【診断について】

 診断は主に診察所見、エコー検査、単純レントゲン検査で行います。
正確な病期を確認するためにMRI検査を行うこともあります。

【治療について】

 基本的には手術の適応はなく、保存療法で症状の改善が見込めます。 まずは投球を中止し、肘関節の安静が第一です。
練習参加の中止はしませんが、ランニングから始め、ノックの捕球などへの参加は許可します。
バッティングは、診察で医師の許可がおりてから開始します。
また肘の患部以外の身体機能に問題があることが多いため、保存療法のリハビリは、身体機能の改善を目的に行います。
しかし、痛みが長期間続く場合は手術に至るケースもあります。


※保存療法(リハビリ)については後日掲載します。

 

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