疲労骨折
同一部位の骨に慢性的なストレスが加わり疲労が蓄積した骨折のことを言います。
主にスポーツ選手や愛好家において発症しやすい障害です。
そのため、早期診断・早期治療・スポーツへの早期復帰が非常に重要です。
疲労骨折も適切な治療を行わないと難治性に移行してしまいます。
ハイリスクの疲労骨折部位
手の有鈎骨鈎疲労骨折
野球やテニスといったバットやラケットを用いるスポーツに多い肘頭疲労骨折
投球動作の繰り返しにより発症しやすい脛骨跳躍型疲労骨折
ジャンプ動作が多いスポーツに多く発症しやすい脛骨疾走型疲労骨折
ランニング競技に多く発症しやすい腰椎分離症(クリックすれば分離症のページに飛びます)
回旋動作(捻り動作)が多いスポーツで多く発症しやすい診断方法
単純レントゲン
単純レントゲンで骨折線があるかどうかを確認します。疲労骨折初期の場合、単純レントゲンだけでは骨折線を確認することができない場合もあるため、
その場合はMRIを撮像し精査する必要があります。
例)脛骨の跳躍型疲労骨折
黄矢印:疲労骨折部
MRI
MRIでは疲労骨折の精査目的で用いることがあります。レントゲンで骨折線が分からなかった場合、
例えば疲労骨折していた時に安静にせずスポーツを行ない疲労骨折を悪化させ
スポーツの長期離脱を余儀なくされます。
それを防ぐためにはMRI撮像し精査する必要があります。
例)脛骨の跳躍型疲労骨折
正面から見た図
黄矢印:脛骨骨膜に高輝度変化(疲労骨折部)
横から見た図
黄矢印:脛骨骨膜に高輝度変化(疲労骨折部)
CT
CTが必要な場合は、分離症の病期診断や疲労骨折が完全骨折になっているか判断する時や手術適応の判断の時に、CTを撮影します。
例)脛骨の跳躍型疲労骨折
治療方法
リハビリテーション
リハビリテーションでは疲労骨折部になぜ負担がかかったのかを
考えながらリハビリテーションを行います。例)腰椎分離症の場合
腰椎分離症は捻り・反り動作の反復で椎弓根に負担がかかり疲労骨折します。腰部だけではなく、胸郭や股関節などの隣接する関節の柔軟性が大切になってきます。そのため、胸郭や股関節のストレッチや筋力トレーニングを行い、患部(腰)への負担を軽減させます。
リハビリテーションでは患部以外の部位にも着目し、
リハビリテーションを提供して行きます。
超音波骨折治療器(LIPUS)
LIPUSは1990年代から医療ツールとして承認されています。
正式名称は『低出力超音波パルス照射』である。
LIPUSの刺激により骨を形成する骨芽細胞の細胞分化が促進され、
骨ミネラル含有量が増加します。
骨癒合に対するLIPUS刺激は明らかとなっており、
骨折後の回復に多く用いられています。
体外衝撃波
近年では最新の治療として体外衝撃波治療があります。
体外衝撃波は音速を超えて伝わる圧力の波である衝撃波を用いて治療します。
通常の治療でよくならない場合や痛みが続いている場合などに用いて行います。
集束型体外衝撃波治療器
拡散型圧力波治療器
まとめ
疲労骨折は成長期に多く発症する怪我です。中学生や高校生になると短期間に結果を出すことが要求され安静にすることができなくなります。
また、長期間の練習や試合の不参加などにより精神的負荷が強いられ十分な安静が守れず
疲労骨折の治療が長期化し、治りづらくなってしまいます。
そのため、早期診断し適切な治療を行うことをお勧めします。
治療施設
東京都で受けられる施設都立大整形外科クリニック(目黒区)
明大前整形外科クリニック(世田谷区)
さいたま整形外科クリニック(大宮市)
長野県で受けられる施設
長野整形外科クリニック(長野市)