治りづらい内側上顆炎の治療方法

上腕骨内側上顆炎は肘の内側に痛みが出る障害です。「ゴルフ肘」とも呼ばれています。
手首や肘を酷使することで、前腕の筋肉に連続した腱が付着する内側上顆へ負担がかかり、炎症が起こります。
慢性化していくと、腱部分の質が変わり「変性」が起きてしまいます。腱の変性は、年齢を重ねると共に進行するため、中高年にゴルフ肘が多い理由にもなっています。

肘内側の解剖


筋肉
肘の内側にある上腕骨内側上顆には図のようにたくさんの筋が腱となり付着しています。
①②③以外にも浅指屈筋や長掌筋という筋が付着しています。
これらの筋は手首を手の平側に曲げる(掌屈)動作や、手の平を下に向ける(回内)動作を担っています。
①円回内筋 ②撓側手根屈筋 ③尺側手根屈筋

神経
肘の内側には尺骨神経という神経が走行しており、上腕から前腕の内側を走行する神経です。
小指側の感覚と手指・手首の運動に関与する筋を支配します。
④尺骨神経

靭帯
肘の内側には内側側副靭帯という靭帯が付着しています。
肘を支点に、前腕が外側へ引っ張られる動き(外反)を制動しています。


⑤内側側副靭帯

痛くなる部位


腱が付着する内側上顆は、手首や肘を酷使することで付着部にストレスがかかり、痛みが生じます。

内側上顆(周囲)
多くは腱が付着する部分に痛みが生じます。
しかし、外側上顆炎とは違い、痛みの原因である組織が解明されておらず、腱・神経・靭帯どれもが痛みの原因として考えられます。

 前腕(掌側)
肘内側の解剖 で説明した筋肉の部分が緊張することが多いです。


①②が同時に痛くなる場合もあれば、どちらかの症状の場合もあります。
 

なぜ肘の内側が痛くなるのか

主に、年齢と共に腱の部分の質が変わってしまう「変性」によるものと言われています。
肘の内側に付着する筋(前腕屈筋群)は、手首を手の平側に曲げる(掌屈)動作や、
手の平を下に向ける(回内)動作をするときに働きます。              

ゴルフでダフったり、テニスのフォアハンドでのインパクトやスイートスポットにボールが当たらなかったときなど、前腕屈筋群が急激に収縮することで筋や腱付着部にストレスがかかります。                        
また、肘を支点に前腕が外側へ引っ張られる動き(外反)の方向へ力が加わることで、神経や靭帯にストレスがかかります。
いずれの場合も1度の外傷で発症するのではなく、繰り返すストレスによる微細損傷の痛みです。
”ゴルフ肘”と言われるように、ゴルフやテニスでは、肘の内側にストレスがかかるシーンが多いため、
ゴルフ愛好家やテニス愛好家に発症することが多いと言われています。
デスクワークなどでも、ストレスが繰り返されていれば発症することもあります。   

一般的な治療方法

リハビリテーション

①患部のリハビリテーション
肘の内側に付着している筋肉の緊張や硬さが原因で肘の内側にストレスが加わり痛みが出るため
その筋肉を緩めるようなストレッチなどを行います。
②患部外のリハビリテーション
患部外のリハビリテーションでは、なぜ肘の内側にストレスが生じたのか?
それを第一に考えます。肩甲骨周囲の筋力評価や体幹の筋力評価を行い、その結果をもとに考えます。
専門のセラピストがその患者様に合ったトレーニングをお教えいたします。
例)肩甲骨周囲の筋力トレーニング、体幹の筋力トレーニング
注射
主にステロイド注射を行い、痛みの部位に直接注射を打ち炎症を抑えます。

AR-Ex スポーツ・難治性疼痛外来での内側上顆炎の治療の特徴

 

画像評価

内側上顆炎(テニス肘・ゴルフ肘)に対する画像評価はレントゲンやMRI、超音波を用いて行います。

検査・評価

 

AR-Ex スポーツ・難治性疼痛外来の治療方法

スポーツ・難治性疼痛外来での治療方法は一般的な治療方法とは異なります。
この外来では、一般的な治療方法を行ったが、改善しない患者様を対象に専門の医師によって
提供させていただいている外来です。
治りづらくなった患者様は、「なぜ治りづらくなったのか」を知る必要があります。

治りづらくなる原因

受傷当初はなんとなく肘の内側に違和感が生じるところから発生します。
その違和感を放置することにより、違和感が痛みに変化します。
その痛みは個人差はありますが、スポーツ中に生じたり、スポーツ後に生じたりします。
多くの患者様は、「すぐ痛みが減るから大丈夫」や「痛いけど整形外科に行くほどでもない」など様々な声があります。
これが治りづらくなる原因です。
痛みが生じると、原因組織に炎症が起きます。炎症が起きると治そうとする物質が産生されます。
良くなる→少し痛い→良くなる→少し痛い
これを繰り返すことにより、痛みの原因組織が変性し痛みの神経が多くなり、治りづらくなります。
治りづらくなった患者様には以下の治療方法を検討します。
体外衝撃波治療
体外衝撃波とは「音源が音速を超えた時に発生する圧力波」のことで、「拡散型」と「収束型」の2種類があります。
変性した部位(痛みの出現部位)に対し体外衝撃波を照射することで疼痛の緩和や組織修復を図れます。
 

拡散型体外衝撃波装置

収束型体外衝撃波装置
*医師と相談した上で拡散型の体外衝撃波治療装置か収束型の体外衝撃波装置での治療を決定します。

治療期間

まず3回の治療を1クールとし、その後効果判定を行います(治療間隔は1~2週)。
3回で満足のいく結果を得られた場合は治療を終了します。
治療効果はあるがまだ満足できない場合、医師との相談の上4回以上の治療を行います。
症状の改善が認められない場合、または悪化している場合は治療を終了します。
症状の経過によっては3回以下でも治療を終了する場合があります。

治療施設

スポーツ・難治性疼痛外来の受診の流れや費用については各施設のページからご確認下さい。
東京都で体外衝撃波治療を受けられる施設
都立大整形外科クリニック(目黒区)
明大前整形外科クリニック(世田谷区)

埼玉県で体外衝撃波治療を受けられる施設
さいたま整形外科クリニック(さいたま市)

長野県で体外衝撃波治療を受けられる施設
長野整形外科クリニック(長野市)
佐久平整形外科クリニック(佐久市)
上田整形外科内科(上田市)