治りづらいアキレス腱症の治療方法
アキレス腱障害は若年アスリートから中高年スポーツ愛好家まで幅広く生じるスポーツ障害です。
アキレス腱周囲に痛みを伴うことが多いです。
アキレス腱障害は、アキレス腱踵付着部から近位2~6cmに生じるアキレス腱症(non-insertional achlles tendinopathy;NIAT)と
アキレス腱付着部に生じるアキレス腱付着部症(insertional achlles tendinopathy;IAT)に分けられます。
アキレス腱周囲に痛みを伴うことが多いです。
アキレス腱障害は、アキレス腱踵付着部から近位2~6cmに生じるアキレス腱症(non-insertional achlles tendinopathy;NIAT)と
アキレス腱付着部に生じるアキレス腱付着部症(insertional achlles tendinopathy;IAT)に分けられます。
アキレス腱の解剖
人体において最大かつ最も強靭な腱であり、長さ約15cm、厚さ約6mmです。アキレス腱は腓腹筋とヒラメ筋が融合して合同腱となっており、
踵の付着部から上部に5~6cm付近で1つの腱となり、踵に付着します。
アキレス腱の血流
アキレス腱は踵の付着部より上へ4cmの部分で血流量が減少しており、パラテノン(アキレス腱表層の腱上膜:血流が豊富)からの血流供給路をアキレス腱のほぼ全長にわたり認めます。
そのため、アキレス腱への血液供給にパラテノンは重要な役割を果たしています。
腱の血流量は女性で多く、加齢に伴い血流量の低下を認めます。
発症原因
アキレス腱障害の発症原因は外的因子・内的因子の2つの因子からなります。外的因子
トレーニング量・負荷量の急激な増加
長く走りすぎる、急激に走る距離を伸ばす、上り坂・下り坂のトレーニングの多用をするといった要因が アキレス腱症になる予測因子となっています。
冬場・寒いところでのトレーニングでの蓄積
過去の論文では軍隊志願者のトレーニング開始時期を4分割し調査をしたところ、発生率は夏場で3.6%、冬場で9.4%と 冬場での発生率が有意に高かったそうです。しかし、気温がアキレス腱にどのような影響を与えるかについては検証されていません。
内的因子
性別(女性<男性)
アキレス腱の腱血流量は女性に多いと報告されています。 そのため、女性よりも男性の方がアキレス腱症の発生率が高くなっています。
年齢(若年<高齢)
加齢に伴い腱の血流量が減少すると報告されているため、若年者より年齢が高くなるにつれて発生率が高くなる可能性があります。
血液データ
中性脂肪の値が高い方やHDLコレステロール値が低い方で発生率が高く、脂質異常症とアキレス腱症の関連性が高いと報告されています。
症状
急性症状では、安静時でも痛みが伴ったりします。足関節(足首)を動かすことによってアキレス腱にストレスが加わるだけでも痛みが出現したりします。
歩行時や階段昇降時・ランニング時などにアキレス腱の付着部(踵)・腱中央部(アキレス腱の中央部)
筋腱移行部(筋肉が腱に変わる部位)の部位に痛みを伴います。
症状が慢性化してきても同様の症状が出現します。
Ex)
#押すとアキレス腱が痛い
#朝起きた時にアキレス腱が痛い
#朝起きた時に踵の後ろが痛い
#歩き始めにアキレス腱が痛い
#ランニング後半にアキレス腱が痛い
痛みが出る場所
①アキレス腱付着部
②アキレス腱中央部
③アキレス腱筋腱移行部
通常治療
安静・運動制限を含めた保存療法が第一選択とされてきました。注射
疼痛部位に対するステロイド注射を行います。 現段階でアキレス腱に対するステロイド注射は当法人ではお勧めしておりません。 なぜなら、ステロイド注射を行うと確かに、痛みは軽減すると思います。 しかしステロイド注射の多用をすることにより、腱の状態が悪くなってしまうからです。 なので当法人ではステロイド注射は治療の第一選択ではありません。
内服
ロキソニンやボルタレン、トラムセットなどの痛み止めの薬を処方します。
リハビリテーション
遠心性収縮運動や物理療法を行います。
その他、アキレス腱に負担がかかってしまった原因を特定し
患部のみならず、患部外へのリハビリテーションを提供します。
その他、アキレス腱に負担がかかってしまった原因を特定し
患部のみならず、患部外へのリハビリテーションを提供します。
ホームエクササイズ紹介
『ふくらはぎのストレッチ』
30秒×2~3セット
*痛みの出る場合は中止してください
『ふくらはぎの筋力強化』
段差から踵出した状態からつま先立ち
Point!!
踵を上げ下ろす時にゆっくり下ろす。
1秒で上げ5秒かけて下ろす。
『バランスエクササイズ』
足首が不安定になりやすいため
バランスパッドやクッションの上に
片足立ちを30秒行う。
AR-Exスポーツ・難治性疼痛外来でのアキレス腱症の治療の特徴
画像検査
単純レントゲン
・踵の骨棘(とげ)の確認
MRI
・アキレス腱の腫れの確認
・アキレス腱周囲の状態確認
US(超音波検査)
・アキレス腱の腫れの確認
また、画像の検査結果次第では、体外衝撃波治療やPRP治療、TENEXなどの最新治療を行う場合もあるため
詳細の画像検査は必要になってきます。
検査・評価
当法人では画像検査の他に身体検査(理学療法評価)も行います。
画像検査だけでは患部の状態のみしか把握することができません。
合わせて『関節可動域検査』や『収縮時痛(力を入れた時の痛み)』『足部アライメントチェック(配列の確認)』などを行います。
これらを検査することによりアキレス腱を痛めた原因を追求することができます。
スポーツ・難治性疼痛外来の治療方法
通常の治療では、内服や注射、リハビリテーションなどの保存療法を行います。症状が慢性化してきますと、手術療法を行うこともあります。
当法人のスポーツ・難治性疼痛外来では以下の治療法を検討します。
体外衝撃波治療
体外衝撃波とは「音源が音速を超えた時に発生する圧力波」のことで、「拡散型」と「集束型」の2種類があります。損傷した部位に対し体外衝撃波を照射することで、疼痛の緩和を図ります。
拡散型圧力波装置
集束型体外衝撃波装置
治療期間
まず3回の治療で効果判定を行います(治療間隔は1~2週)。3回で満足のいく結果を得られた場合は治療を終了します。
治療効果はあるがまだ満足できない場合、医師との相談の上4回以上の治療を行います。
症状の改善が認められない場合、または悪化している場合は治療を終了します。
症状の経過によっては3回以下でも治療を終了する場合があります。
治療施設
スポーツ・難治性疼痛外来の受診の流れや費用については各施設のページからご確認下さい。東京都で体外衝撃波治療を受けられる施設
都立大整形外科クリニック(目黒区)
明大前整形外科クリニック(世田谷区)
埼玉県で体外衝撃波治療を受けられる施設
さいたま整形外科クリニック(さいたま市)
長野県で体外衝撃波治療を受けられる施設
長野整形外科クリニック(長野市)
佐久平整形外科クリニック(佐久市)
上田整形外科内科(上田市)