surgery
第5中足骨基部(ジョーンズ骨折)スクリュー固定
ジョーンズ骨折は、足の小指の付け根付近にある第5中足骨の骨折で、特に血流が少ない部位に発生するため、自然には治りにくく、骨がくっつかない「偽関節」になりやすい難治性の疾患です。スポーツ選手や早期復帰を目指す方にとって、この骨折を確実に治癒させ、早期のリハビリテーションへ移行するために、強固な固定を可能にする「髄内スクリュー固定術」が最適な治療法です。
手術の適応(対象となる方)
ジョーンズ骨折に対するスクリュー固定術は、特に以下のような症状や状態にある患者様を対象とします。
- 保存療法(ギプス固定など)で骨癒合(骨がくっつくこと)が得られない方。
- レントゲン検査などで骨折部位の血流が悪い状態(骨硬化像)が確認された方。
- 早期に仕事やスポーツなどの活動に復帰したいと強く希望される方。
- 長期間の松葉杖生活や安静が困難な方。
手術術式の選択
ジョーンズ骨折では、その難治性のため、活動性の高い患者様に対しては手術療法が第一選択となります。
手術療法(髄内スクリュー固定術)
- 適応: 早期復帰や再発防止を強く望むすべての方。
- 方法: 第5中足骨の中心にある髄腔に、太めの金属製スクリューを挿入し、骨折部位を強力に圧迫して固定します。
- 特徴:
- 骨折部を強固に安定化させ、高い確率で骨癒合を達成します。
- 早期からのリハビリテーション開始を可能にし、復帰期間を短縮します。
保存療法(免荷・安静固定)
- 適応: 活動性が非常に低く、長期間(3ヶ月以上)の安静・免荷が可能な方。
- 方法: ギプスや装具で患部を固定し、松葉杖を使って体重をかけずに治癒を待ちます。
- 特徴: 治癒率は手術療法に比べて低く、骨がくっつかない場合は最終的に手術が必要となることがあります。
手術の詳細
麻酔・所要時間
- 麻酔方法: 主に腰椎麻酔(下半身麻酔)または全身麻酔を選択できます。
- 手術時間: 準備時間を含め、通常30分~60分程度で完了する比較的短時間の手術です。
手術手順
手術は、患部に数センチの小さな切開を行い、骨の中心(髄腔)を通して行われます。
- 切開と通路確保: 患部に最小限の切開を施し、ガイディングワイヤーを正確に挿入します。
- スクリュー固定: ガイドワイヤーに沿って適切な長さと太さのスクリューを挿入し、骨折部を強く締め付けて安定させます。
- 縫合: 骨の安定化を確認した後、創部を丁寧に縫合し手術を終了します。
入院・術後経過
- 入院期間: 標準的な入院期間は5日間が目安です。
- 術後経過:
- 入院中の管理: 術後の痛みや腫れを抑えるため、患部の冷却や挙上を行い、疼痛管理を徹底します。手術翌日から、医師や理学療法士の指導のもと、足首や足趾の関節運動を無理のない範囲で開始します。
- 退院後の注意点: 退院後も松葉杖を使用し、医師の指示があるまで体重をかけない(免荷)期間を継続します。術後約6週間を目安に、X線検査で骨の治り具合を確認し、保護装具を装着しながら段階的な荷重訓練へと移行します。
期待される効果
- 難治性のジョーンズ骨折の骨癒合率が向上します。
- 骨折が治癒することで、慢性的な痛みや不安定感が解消されます。
- 保存療法に比べ、日常生活やスポーツへの復帰期間が短縮されます。
手術のリスクと合併症
- 一般的なリスク: 感染、術後の痛みや腫れ、出血などがあります。
- 特有のリスク:
- 偽関節の残存: 稀に、固定後も骨が完全に癒合しない可能性があります。
- スクリューによる刺激: 挿入したスクリューが周囲の組織や神経を刺激し、違和感やしびれが生じることがあります。
- 抜釘術の可能性: 骨が完全に癒合した後、スクリューによる違和感がある場合は、抜去術が必要となることがあります。
費用について
ジョーンズ骨折に対する手術は保険適用となります。
概算費用: 骨折観血的手術(中足骨)の場合、健康保険3割負担の方の概算費用は、入院期間5日間で10万円から13万円が目安です。
高額療養費制度: 入院・手術費用は高額になることが予想されますが、公的な「高額療養費制度」が適用されます。事前に医療保険への手続き(限度額適用認定証の取得)を行うことで、窓口での支払いを自己負担限度額まで抑えることが可能です。医療費控除についてもご案内できますので、ご相談ください。
当グループでの手術の特長
アレックスメディカルグループは、Arthroscopy(関節鏡視下手術)、Rehabilitation(リハビリテーション)、Exercise(運動療法)の3分野を重視したスポーツ整形外科専門クリニックグループです。
- 低侵襲と高精度な手術:
- 患者様の身体的負担を最小限に抑えるため、低侵襲な手術手技を追求しています。正確な位置決めによる髄内スクリュー固定により、強固で安定した固定を実現します。
- 専門家による徹底した復帰支援:
- 手術を行う医師と、理学療法士、トレーナーなどの専門スタッフが密に連携し、診断から手術、術後の運動指導まで、一貫したチーム体制で完全復帰をサポートします。
- 再発予防を重視した運動療法:
- 痛みを取るだけでなく、科学的根拠に基づいたリハビリテーションおよびトレーニング指導を通じて、再発を予防し、安全でスムーズな競技復帰を目指します。
よくあるご質問
- Q. 手術は痛いですか?
- A. 麻酔下で行うため、手術中に痛みはありません。術後の痛みについても、適切な薬でしっかり管理しますのでご安心ください。
- Q. いつから歩けますか?
- A. 手術後約6週間を目安に、X線検査で骨の安定性を確認した後、保護装具を装着したうえで、医師の指示に従い段階的に体重をかける練習を開始します。
- Q. スポーツ復帰までどれくらいかかりますか?
- A. 骨癒合のスピードや競技レベルによりますが、手術と適切なリハビリテーションにより、術後8〜12週間程度での段階的な競技復帰を目指すことが可能です。
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