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関節唇損傷の鏡視下修復

関節唇損傷の鏡視下修復は、肩関節や股関節の安定性を保つリング状の軟骨組織「関節唇」が傷ついた際に、小さな切開から関節鏡を用いて損傷部位を直接修復する専門的な治療法です。関節唇は、関節のボール部分がソケットから外れないように抑える重要な役割を果たします。この組織が損傷すると、関節の不安定感、強い痛み、引っかかりが生じます。関節鏡を用いることで、身体への負担を最小限に抑え、痛みと不安定性を解消し、早期の回復と活動への復帰を目指します。損傷を放置すると将来的に変形性関節症へ移行するリスクがあるため、根本的な修復が非常に重要です。

治療の適応(対象となる方)

この治療は、特に以下のような症状や状態にある患者様を対象とします。

  • 不安定性や痛みが日常生活に大きな支障をきたしている方。
  • 肩関節で脱臼を繰り返し、不安定感が強い方。特に若い方で反復性脱臼になっている場合、早期の手術が推奨されます。
  • 特定の動きで股関節に強い痛みや詰まり(インピンジメント)を感じる方。
  • 保存療法(リハビリや薬物治療)では症状が改善しない方。

手術術式の選択

損傷の種類や安定性、患者様の目標に基づき、関節機能の回復を優先した治療法を選びます。

関節唇鏡視下修復術(アンカー縫合)

関節の不安定性が強い場合や、関節唇が骨から大きく剥がれている場合に適用されます。特殊なアンカーを用いて、剥離した関節唇を元の骨に縫合固定し、安定性を回復させます。損傷を根本的に治しますが、修復部位の治癒のため約3ヶ月間の安静とリハビリが必要です。

関節唇鏡視下切除術(デブリドマン)

損傷が軽度で安定性が保たれている場合に、痛みの原因となっている断裂組織の一部を整える方法です。身体への負担が少なく、回復が比較的早いのが特徴です。

手術の詳細

鏡視下修復術は、小さな切開で行うため、回復を早められる身体への負担が少ない手術法です。

麻酔・所要時間

  • 麻酔方法: 基本的に全身麻酔で行います。
  • 手術時間: 目安として60分~120分程度です。

手術手順

全身麻酔後、関節周囲に5mm〜10mm程度の小さな切開(ポータル)を数カ所作成し、関節鏡を挿入します。損傷状態を確認・クリーニングした後、剥がれた関節唇をアンカーで骨に固定・縫合します。股関節の場合は、インピンジメントの原因となる骨の突出部分を削る処置を同時に行うことがあります。

入院・術後経過

入院期間

  • 肩関節: 標準的な入院期間は4日間程度です。
  • 股関節: 術後の重要なリハビリを集中して行うため、約1週間(標準的な入院期間は8日間)の入院をお勧めしています。

術後経過

  • 入院中の管理: 疼痛管理、創部管理を行い、理学療法士の指導のもとで早期にリハビリを開始します。
  • 退院後の注意点: 修復部位が完全に治癒するまでの約3ヶ月間は、再損傷を防ぐために、医師と理学療法士が設定した段階的なリハビリプログラムを継続することが最も重要です。

期待される効果

  • 関節の不安定性の解消。
  • 痛みや引っかかりの消失。
  • 日常生活およびスポーツへの復帰。
  • 関節の長期的保護(変形性関節症への進行リスクの抑制)。

手術のリスクと合併症

一般的なリスク

  • 感染、出血
  • 術後疼痛

特有のリスク

  • 関節拘縮(関節が硬くなること)
  • 修復部の再損傷・再脱臼
  • 神経・血管の損傷

費用について

関節唇損傷の鏡視下修復術は公的医療保険が適用される保険診療です。

健康保険証3割負担の方の場合の概算費用は、以下の通りです。

  • 肩関節(関節鏡下関節唇形成術)の場合: 標準的な入院期間4日間で、概算費用は22万円~34万円程度です。
  • 股関節(関節鏡下関節唇形成術)の場合: 標準的な入院期間8日間で、概算費用は35万円~45万円程度です。

高額療養費制度の適用や医療費控除についてもご相談いただけます。

当グループでの治療の特長

当アレックスメディカルグループでは、Arthroscopy(関節鏡)、Rehabilitation(リハビリ)、Exercise(運動療法)の3分野を高度に連携させた専門チームで、患者様の完全復帰をサポートします。

低侵襲かつ高精度な手術

経験豊富な専門医が執刀し、最小限の侵襲で最大限の治療効果を追求します。低侵襲手術は、術後の痛みや筋力低下のリスクを抑え、早期の回復とリハビリ開始を可能にします。

専門チームによるリハビリ

手術を行う医師と理学療法士が定期的に情報共有し、一貫性のある治療計画を実行します。知識と計測に基づき、患者様の状態に合わせた最適なプログラムを処方します。超音波診断装置で治療部位を見ながらリハビリを行うことで、正確な回復を目指します。

再発予防を見据えた運動療法

リハビリの最終段階では、理学療法士に加え、トレーナーなどの専門スタッフが連携し、科学的根拠に基づいた専門トレーニングを実施します。徹底したリスク管理のもと、競技力向上や生活レベルの維持に必要な筋力と安定性を高め、再発を防ぎます。

よくあるご質問

Q. 手術後、スポーツはいつからできますか?

 A. 修復部位が治癒するのに約3ヶ月を要します。この期間は関節に無理な負荷を避けます。本格的な競技復帰は、リハビリの進捗によりますが、通常6ヶ月程度を目安に専門医が判断します。

Q. 初めて脱臼した場合でも手術が必要ですか? 

A. 初めての脱臼では、リハビリで安定化を目指すことが多いです。しかし、脱臼を繰り返す場合や不安定性が強い若年の方には、将来のダメージを防ぐために手術が強く推奨されます。

Q. 入院期間中にリハビリは行いますか? 

A. はい、術後の回復を早めるため、入院中から理学療法士によるリハビリを開始します。特に股関節鏡手術では、8日間の入院期間を利用し、初期の重要なリハビリを集中して行います。

関連する疾患について

  • 肩関節上方関節唇損傷(SLAP lesion)
  • 肩関節脱臼
  • 股関節唇損傷
  • 臼蓋形成不全
  • 変形性股関節症

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