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膝蓋骨脱臼に対するMPFL再建術

膝蓋骨脱臼は、膝のお皿(膝蓋骨)が外側にずれる状態です。再発を繰り返すと軟骨損傷のリスクが高まります。MPFL再建術は、重要な靭帯である「内側膝蓋大腿靭帯」を再建し、膝の安定性を回復させる治療法です。活動的な生活への復帰をサポートします。

治療の適応(対象となる方)

MPFL再建術は、脱臼の再発を防ぐことを目的とし、以下のような症状や状態にある患者様を対象とします。

  • 膝蓋骨の外側脱臼を2回以上経験している方。
  • 脱臼が1回でも、画像検査で骨折や大きな軟骨損傷を伴っている方。
  • 膝を動かす際に、「外れそうになる」という強い不安感(不安定感)が継続している方。
  • 保存療法を継続しても、膝の不安定性が改善せず、日常生活に支障をきたしている方。

手術術式の選択

MPFL再建術は、膝蓋骨の不安定性を改善する標準的な術式です。手術の成功には、再建靭帯の固定位置や張力を正確に決定することが重要です。

MPFL再建術の基本

MPFL再建術では、患者様ご自身の腱(自家腱)を採取し、新しいMPFLとして移植します。

  • 方法: ハムストリングスなどから採取した自家腱を使用し、膝蓋骨と大腿骨の内側に正確に固定します。
  • 目的: 膝蓋骨が外側へ移動するのを確実に防ぎ、膝の安定性を回復させます。

患者様の骨の形状を詳細に評価し、固定位置や張力を厳密に決定することで、手術後の再脱臼を防ぎます。

手術の詳細

当グループでは、体への負担を最小限に抑えるため、低侵襲な関節鏡を併用し、正確な手術を実施します。

麻酔・所要時間

  • 麻酔方法: 通常、全身麻酔または区域麻酔(下半身麻酔)を組み合わせて行います。
  • 手術時間: MPFL再建術単独の場合、およそ1時間〜1.5時間程度で完了します。

手術手順

  1. 腱の採取: 靭帯の材料となる自家腱を採取します。
  2. 固定位置決定とトンネル作成: 関節鏡で確認しながら、最適な位置に再建靭帯を固定するためのトンネルを作成します。
  3. 再建と固定: 採取した腱をトンネルに通し、適切な張力で固定具を用いて強固に固定します。
  4. 最終確認と縫合: 安定性が確保されていることを確認し、創部を縫合して終了します。

入院・術後経過

入院期間

標準的な入院期間は、術後の痛み管理と初期リハビリテーション指導を行うため、約5日間を目安としています。

術後経過

入院中の管理

  • 疼痛管理と創部管理: 術後の痛みを和らげ、感染予防のためのケアを行います。
  • 早期荷重開始: 手術翌日から松葉杖を使用して部分的な体重負荷を開始します。
  • 初期可動域訓練: 理学療法士の指導のもと、膝の曲げ伸ばし訓練を開始します。

退院後の注意点

  • 継続的なリハビリテーション: 退院後も医師の指示に基づき、集中的なリハビリを継続し、筋力回復と動作改善に努めます。
  • 活動再開とスポーツ復帰: ランニングは術後3〜4ヶ月以降、スポーツ活動への完全復帰は機能評価を経て段階的に進めていきます。

期待される効果

MPFL再建術は、膝蓋骨脱臼による不安定性を根本的に解決することで、生活の質を大きく向上させます。

  • 脱臼の不安感からの解放
  • 再発の強力な予防
  • 関節軟骨の保護と関節寿命の延長
  • 活動的な生活への完全復帰

手術のリスクと合併症

手術を受けるにあたり、起こりうるリスクや合併症についてご理解いただくことが重要です。

一般的なリスク

  • 感染: 術後に創部が細菌に感染するリスク。
  • 出血・血腫: 術後に出血が起こり、膝の腫れや痛みを引き起こす可能性。
  • 疼痛: 術後の痛みは発生しますが、適切な鎮痛管理を徹底します。

特有のリスク

  • 関節可動域の制限(拘縮): 術後の炎症により、膝の曲げ伸ばしが制限される場合。
  • 再脱臼: 稀に再脱臼が発生する可能性。
  • 神経・血管の損傷: 手術部位の周辺の神経や血管が一時的に損傷を受ける可能性。

費用について

MPFL再建術は、公的医療保険が適用となる治療です。健康保険3割負担の方の場合、標準的な入院期間(5日間)を含めた治療費の自己負担額の目安は、概ね16万円から19万円程度となります。 高額療養費制度の適用や医療費控除についてもご相談いただけます。事前手続きにより、窓口での支払いを軽減できます。

当グループでのMPFL再建術の特長

アレックスメディカルグループ(AR-Ex)は、関節鏡、リハビリ、運動療法の三分野を重視した専門クリニックグループです。この連携により、診断から手術、術後の機能回復、再発予防まで一貫した質の高いサポートを提供します。

1. 低侵襲で確実な関節鏡視下手術

  • 高精度な処置の実現: 靭帯の固定位置決めにおいて、「1mmの精度」にこだわり、解剖学的に正確な再建を追求します。
  • 早期回復の促進: 傷が小さく、周囲組織への負担が少ないため、早期にリハビリテーションへスムーズに移行できます。

2. 再発予防を見据えたリハビリテーション

  • 執刀医との徹底した連携: 医師と理学療法士は密接に連携し、患者様一人ひとりに最適なプログラムを共有・管理します。
  • 客観的な指導: 超音波診断装置などの技術を用いて治療部位を可視化しながらリハビリ指導を行います。

3. 機能向上を目指す運動療法

  • 専門スタッフのチーム: 理学療法士に加え、トレーナーやアスレティックトレーナーが在籍しています。
  • 科学的根拠に基づくトレーニング: 医師・理学療法士とトレーナーが連携し、術後のリスク管理のもと、再発予防に焦点を当てたトレーニングを処方します。

よくあるご質問

  • Q. 手術は痛いですか?
    • A. 麻酔下で行うため、手術中に痛みはありません。術後の痛みも適切な薬剤管理で最小限に抑えます。
  • Q. 入院期間はどれくらいですか?
    • A. 標準的な入院期間は5日間を目安としています。
  • Q. スポーツ復帰までの目安を教えてください。
    • A. 個人差がありますが、ランニングは術後3〜4ヶ月以降、競技スポーツへの完全復帰は機能評価を経て4〜6ヶ月以降を目安に段階的に進めます。

関連する疾患について

MPFL再建術は、膝蓋骨の不安定性に関連する以下の疾患・症状に対して適用されます。

  • 膝蓋骨亜脱臼症候群
  • 膝蓋骨骨折

対応クリニックのご紹介

当グループでは、診断から手術、術後フォローまで継続的なサポートを提供しています。

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