肩が外れやすい:肩関節の不安定性
こんな症状はありませんか?
肩関節の不安定性は、日常生活やスポーツにおいて、次にいつ外れてしまうのかという強い不安や恐怖感を伴う症状です。もし、以下のような症状に心当たりがある場合は、肩関節の安定性に構造的な問題が生じている可能性があります。
- 腕を頭の上に上げる、後ろに回す、あるいは強くひねるなど、特定の動作をした時に「肩が外れそう」な強い不安感や恐怖を感じる。
- 以前、スポーツや転倒などで肩を強く打って脱臼(または亜脱臼)したことがあり、それ以来、弱い力や寝返りだけでも肩が完全に、あるいは部分的に外れてしまうようになった。
- 脱臼や亜脱臼のたびに、肩に激しい痛みが走り、その後、肩の動きが悪くなったり、力が入らなくなったりする。
この症状が考えられる主な原因
肩の関節は、人間の体の中で最も大きく動く関節の一つですが、その構造は「けん玉」に例えられます。受け皿にあたる肩甲骨の上に、玉にあたる上腕骨の丸い部分が乗っているような状態です。この構造の特性上、肩関節は骨による支えが非常に少ないため、外からの強い力に対してはとても弱い関節となっています。肩が外れやすくなる、すなわち不安定になる主な原因は、この安定性を保つ「ストッパー」の損傷にあります。
- 外傷による強い衝撃の発生:ラグビーや柔道などのコンタクトスポーツでの衝突、または転倒などにより、肩の許容範囲を超えた強い外力が加わることが、脱臼の引き金となります。肩の関節は骨による支えが少ないため、この強い衝撃によって玉が受け皿から外れてしまいます。
- 関節を支えるストッパーの損傷:脱臼が発生した際、肩の関節の前方にある**関節唇(軟骨)や関節包や靱帯**といった、肩が外れないように支えている重要な組織が損傷したり、受け皿の骨から引き剥がされたりします。これらのストッパーが壊れると、一度外れた肩は構造的に不安定になり、非常に再脱臼しやすい状態になってしまいます。
- 不安定性の継続:損傷した靱帯や、受け皿である肩甲骨が欠損した部分は、自然治癒をすることはありません。これにより、不安定性が慢性化し、「脱臼を引き起こしやすい肩」となってしまい、日常生活での軽い動作や寝返りなどでも外れてしまう状態へと進行します。
症状に関連する疾患
肩の不安定性は、脱臼の経験やその状態の進行度によって、主に以下の二つの疾患として区別されます。特に脱臼を繰り返す状態になると、専門的な対応が必要となる可能性が高まります。
- 肩関節脱臼(外傷性):初めて肩が外れた状態を指し、強い外傷が原因で発生します。初回の脱臼の時点で既に肩の安定に関わる組織が損傷しているため、初回の脱臼後、適切な処置を行っても再脱臼のリスクは高いことが知られています。
- 反復性肩関節脱臼:一度脱臼した後、何度も脱臼を繰り返す状態を指します。再脱臼が起こるたびに損傷がさらに進み、関節がより不安定になっていくため、わずかなきっかけでも肩が外れるようになり、生活に大きな支障をきたします。
併せて見られる関連症状
肩関節の不安定性が長期化すると、脱臼への恐怖心からくる機能的な問題や、損傷の進行に伴う神経系の症状を伴うことがあります。
- 筋力低下 痛みが続くと、肩を安定させるための筋肉をうまく使えなくなり、肩全体の力が入りにくくなります
- 可動域の制限 肩が外れることを恐れて特定の動きを避けるため、徐々に関節の動く範囲が狭くなり、肩全体が硬くなってしまいます
- しびれや感覚の低下 脱臼や強い衝撃によって、肩の周りを通る神経が傷ついたり圧迫されたりすることで、腕や手にしびれや感覚の異常が生じることがあります
これらの症状は、スポーツ活動だけでなく、着替えや物を持ち上げるなどの日常的な動作にも大きな支障をきたし、生活の質を大きく低下させてしまいます。再発を予防し、安心して日常生活を送るためには、これらの関連症状にも着目した対応が重要です。
繰り返す脱臼の不安から解放されるために
肩が外れやすいという症状は、肩の安定性を支える重要な構造(ストッパー)が壊れていることを示しており、脱臼を繰り返すことで損傷が進行すると、日常生活に大きな支障をきたす反復性の状態へ移行するリスクがあります。
肩に不安を感じたり、脱臼を繰り返したりする場合は、損傷の程度が軽いうちに適切な治療を始め、症状の慢性化を防ぐため、早期に専門家による正確な評価を受けることが鍵となります。
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