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体重をかけると股関節が痛む

こんな症状はありませんか?

立ったり、歩いたり、階段を昇り降りしたりといった体重をかける動作の際に股関節に痛みを感じる症状は、日常生活の質(QOL)を大きく低下させます。これは単なる疲れではなく、股関節の機能や構造に何らかの異常が起きているサインかもしれません。

特に以下のような症状に心当たりがないか確認してみてください。

  • 朝起き上がるときや、椅子から立ち上がるときなど、動作の「最初の一歩」で脚の付け根(鼠径部)にズキッとした痛みを感じる(初動時痛)。
  • 長い時間立っていたり、続けて歩いたりすることが困難。
  • 階段の昇り降りが辛く、特に降りるときに股関節が抜けそうな不安を感じる。
  • 靴下を履く、足の爪を切る、あるいは和式トイレのように深くしゃがみ込む動作が痛みでできなくなった。
  • 痛みが進行し、動いていないとき(安静時)や夜、眠っている最中にまで脚の付け根が痛むようになった。

体重をかけるときの痛みだけでなく、安静時や夜間にも痛みが続くようになった場合、関節の内部構造(軟骨や骨)に進行性の炎症や変形が生じている可能性が高いことを示しています。特に、靴下を履くなどの日常動作に支障が出始めたら、専門的な評価が必要な段階に入ったと考えられます。

この症状が考えられる主な原因

体重をかけると股関節が痛む主な原因は、股関節にかかる「物理的な負担(力学的ストレス)」が、関節のクッション材や周囲の組織の耐久限界を超えてしまっていることにあります。

  • 軟骨のすり減りと加齢 加齢によって、股関節の骨の表面を覆う「関節軟骨(クッション材)」が徐々にすり減っていきます。軟骨を消耗すると関節内に炎症が生じ最終的には骨同士が直接擦れる状態になるため、体重をかけるたびに強い痛みが生じます。特に女性は、男性に比べて筋肉量が少ないことや、生まれつき股関節の形に特徴がある場合が多く、40代〜50代で股関節痛を発症しやすい傾向があります。
  • 過剰な体重負荷 股関節は、歩行時に自身の体重の約3〜5倍もの負荷がかかると言われています。体重が増加すると、この負荷は劇的に増加し、例えば体重がわずか1kg増えるだけで、歩くときの股関節への負担は3〜4kg増加するとされています。この過剰な負荷が、股関節のクッションである関節軟骨の摩耗を早める最大の原因となります。
  • 筋肉の機能不全と姿勢の偏り 股関節の痛みの初期段階では、股関節周囲の筋肉(お尻や太もも)の緊張が原因となっているケースが多くあります。足を組む、片足重心で立つなど、日常生活における悪い姿勢や歩き方を続けていると、骨盤が傾き、股関節に偏った負荷が集中します。このような筋肉の異常が関節の動きのバランスを崩し、最終的に関節の炎症へと進行していくという悪循環が指摘されています。

症状に関連する疾患

体重負荷時の痛みを引き起こす可能性のある、代表的な疾患をいくつかご紹介します。

  • 変形性股関節症 股関節の軟骨が徐々にすり減り、それに伴い骨が変形してしまう病気です。加齢による摩耗も原因の一つですが、生まれつき股関節の形に特徴がある場合が原因で、通常よりも早く発症するケースも多く見られます。進行すると軟骨が完全に失われ、体重をかけるたびに骨同士がぶつかり、激しい痛みを伴うようになります。
  • 臼蓋形成不全症(きゅうがいけいせいふぜんしょう) 骨盤側の股関節の受け皿(臼蓋)が生まれつき浅く、大腿骨頭(太ももの骨の先端)を十分に覆うことができていない状態です。例えるなら、屋根が浅くてかぶりが足りない状態であり、この構造的な特徴のため関節の負荷が一点に集中し、変形性股関節症へと移行する大きな原因となります。
  • 大腿骨頭壊死症(だいたいこっとうえししょう) 大腿骨の先端部分(大腿骨頭)への血流が悪くなり、骨の一部が死んだ状態(骨壊死)になる病気です。壊死した部分が体重に耐えきれずに押しつぶされ、陥没・変形した瞬間に、急激で激しい股関節痛が発生します。ステロイド薬の使用歴や多量のアルコール摂取歴などがある方に発生しやすいことが知られています。
  • 股関節インピンジメント(FAI) 股関節を深く曲げたり、内側に捻ったりする特定の動作をした際に、大腿骨頭と臼蓋の骨の一部が異常に衝突し、痛みや関節唇などの組織の炎症を引き起こす状態です。特にストレッチや深くしゃがみ込む動作をしたときに、股関節の前側(鼠径部)に痛みが走る場合は、この疾患が疑われます。

併せて見られる関連症状

股関節の異常は、痛みだけでなく、体全体の動きや姿勢にも影響を及ぼします。

  • 歩き方の変化(跛行)(痛みや関節の変形をかばうように、不自然な歩き方になること)
  • 関節の動きの制限(可動域低下)(あぐらをかいたり、靴下を履くときのように股関節を大きく曲げたり捻ったりする日常動作が難しくなる)
  • 痛みの放散(痛みを股関節だけでなく、お尻の奥、太ももの前側や横側、さらには膝のあたりに感じること)
  • 筋力の低下(痛みによって活動を控えるようになり、股関節を安定させるために重要な筋肉(中殿筋など)の筋力が弱ってしまう)
  • 関節の不安定感や異常音(動かすたびに股関節から「カクカク」「ポキポキ」といった摩擦音が聞こえるようになる)

これらの関連症状は、体の他の部位にまで負担を広げ、痛みの悪循環を生み出す原因となります。

股関節の痛みの進行を防ぐために

体重をかけると痛む股関節の症状を放置すると、周囲の筋肉に負担がかかり、将来的に人工関節などの手術が必要になるリスクを高めます。また、痛みをかばうことで運動量が減り、体重が増加してさらに負荷が高まる悪循環に陥りかねません。

痛みの進行を防ぐためには、日常生活で以下の3つの工夫が非常に重要です。

  • 生活様式の見直し: 股関節を深く曲げる正座や和式トイレなどの高負荷な動作は避け、椅子やベッドを中心とした洋式生活に切り替えましょう。
  • 適切な運動の継続: 痛みがあるからといって安静にしすぎると関節が硬くなります。「安静すぎず、無理しすぎず」の原則に基づき、専門家の指導のもとで必要な筋肉を強化する運動を取り入れることが有効です。
  • 体重の管理: 体重が1kg減るだけで、股関節への負荷は数倍単位で軽減されます。適正体重を保つことは、痛みの軽減に最も効果的な対策の一つです。

股関節の痛みは、軟骨の摩耗や骨の形、筋肉の異常など、原因が多岐にわたります。痛みの根本原因を正確に突き止め、患者様一人ひとりに合った最適な対応計画を立てることが、改善への第一歩となります。当グループでは、丁寧な問診と専門的な知識に基づき、股関節の状態を詳しく評価し、原因に応じた適切な対応を提案いたします。

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