足首が緩く捻りやすい、捻挫が癖になっている
こんな症状はありませんか?
一度足首を捻挫してから、グラつきや痛みが長引き、頻繁に足首をひねってしまう状態は、「慢性的な足関節の不安定性」と呼ばれています。これは単なる不注意によるものではなく、最初の怪我で負った関節のダメージが完全には修復されず、足首の安定を保つ仕組みが損なわれてしまっているサインです。慢性的な不安定性は、放置すると関節軟骨の損傷や将来的な変形につながるリスクがあります。
もし、以下のような症状に心当たりがあれば、足首の不安定性が進行している可能性があります。
- デコボコ道や階段を歩くとき、足首がグラグラして心もとない
- 捻挫した覚えはないのに、くるぶしの奥や前下方に鈍い痛みが続いている
- バランスを取ろうとすると足首の外側が疲れやすい、または力が抜ける感覚がある
- 急な方向転換やジャンプの着地で、足首が「カクッ」と外れそうな感覚がある
- 足首を動かすと、奥の方で「カクカク」「パキパキ」といった音が鳴ることがある
この症状が考えられる主な原因
捻挫を繰り返してしまう主な理由は、最初の怪我で負ったダメージが完全には修復されず、足首の安定を保つための仕組みが損なわれてしまっていることにあります。原因を理解することが、慢性的な不安定性から脱却するための第一歩です。専門的な評価を受けることで、不安定さの根本にある原因を突き止めることができます。
- 靭帯の損傷とゆるみ 一度捻挫をした際に足首の靭帯が伸びたり、切れたりしたダメージが十分に回復しないまま残ってしまう状態です。靭帯は関節を補強するバンドの役割がありますが、ゆるみが残ることで足首は外力に対して簡単に不安定になり、再びひねりやすくなります。
- 距骨下関節の不安定性 足首の奥深くにある距骨(きょこつ)と踵骨(しょうこつ)をつなぐ「距骨下関節」が、過去の捻挫などの影響でゆるんでしまう状態です。この関節は着地時の衝撃吸収や足全体のバランス調整に重要であり、ここが不安定になると足元全体のぐらつきにつながります。
- 固有受容感覚の低下 捻挫によって、関節の位置や動きを脳に伝えるセンサーの機能が鈍化することです。この感覚が落ちると、足首が不安定な体勢になったとしても脳がすぐに認識できず、適切なタイミングで筋肉が働かないため、転倒や再捻挫のリスクが高まります。
- 足の形の偏り(扁平足や回内足) 生まれつきや後天的な影響で、足の土踏まず(アーチ)が低くなり、歩行時に足が内側に過度に崩れる傾向がある場合です。これにより、足首の外側に常に無理なストレスがかかり続け、靭帯への負担が増し、不安定な状態が慢性化しやすくなります。
これらの原因は単独で起こるのではなく、複合的に作用していることがほとんどです。特に不安定な足首をかばって歩き続けると、さらに症状が悪化する悪循環に陥りやすいのです。
症状に関連する疾患
足首の不安定性が長期間続くと、それに伴い二次的な障害や慢性的な疾患が発生します。単なる捻挫の後遺症だと軽視せず、以下の疾患が潜んでいないか専門家による正確な診断が必要です。これらの病態を放置すると、関節の深刻な損傷につながる可能性があります。
- 足関節捻挫(ねんざ) 足首の靭帯が傷つき、関節が構造的に不安定になる最も一般的な怪我です。捻挫が十分に治らないまま活動を再開すると、慢性的な不安定性の始まりとなります。
- 距骨下関節不安定症(きょこつかかんせつふあんていしょう) 過去の捻挫の後遺症などで足首の奥にある関節がゆるみ、着地時などに足が崩れてしまい、バランスを取るのが困難になる状態です。
- 足根洞症候群(そっこんどうしょうこうぐん) 捻挫や不安定性の影響で、足首の外側、くるぶしの前下方にあるくぼみ(足根洞)に慢性的な炎症が起こり、長期間痛みが続く状態です。
- 離断性骨軟骨炎(りだんせいこつなんこつえん) 繰り返される不安定な動きや衝撃により、足首の関節軟骨とその下の骨の一部が傷つき、剥がれてしまうことがある深刻な疾患です。進行すると関節の動きを妨げることがあります。
- 腓骨筋腱脱臼(ひこつきんけんだっきゅう) 急な動作をした際に、足首の外側を腓骨筋腱が正常な位置から外側にずれてしまう(脱臼)ケガです。脱臼が習慣化し、痛みや不安定感を引き起こすことがあります。
- 変形性足関節症(へんけいせいそくかんせつしょう) 慢性的な不安定や繰り返しの外傷によって関節軟骨がすり減り、関節が変形し、最終的に慢性の強い痛みや歩行障害を引き起こす進行性の疾患です。
併せて見られる関連症状
足首の不安定性による影響は、患部だけにとどまらず、体の他の部位にも負担をかけます。以下の症状は、不安定な足首を無意識にかばい、無理な使い方をしているサインかもしれません。これらの症状は、問題が長期化していることを示唆しています。
もし、以下のような症状が足首の不安定性に併せて見られる場合は、放置せずにご相談ください。
- 関節の引っかかり(損傷した軟骨片などが関節に挟まり、足首の動きが急に止まる「ロッキング」と呼ばれる感覚)
- くるぶし周辺の腫れや熱感(足根洞などの慢性的な炎症が続いているサイン)
- 運動時の可動域制限(足首が硬くなり、深くしゃがんだり、つま先を上げたりする動作の範囲が狭くなる)
- 歩行時の違和感(地面を蹴る力が弱くなったり、足を引きずったり、左右の足の使い方が異なる感覚)
足首の不安定性を放置し、これらの関連症状まで進行させてしまうと、スポーツ活動だけでなく、日常生活の質も大きく低下します。早期に専門的な評価を受け、根本的な原因を改善することが重要です。
捻挫の癖は治せます。専門家にご相談を
「捻挫が癖になった」状態は、単なる不注意ではなく、適切な治療が必要な慢性的な疾患です。最初の捻挫で完全に治りきらなかった靭帯のゆるみや、低下したバランス感覚が根本原因となっています。不安定な状態を放置すると、関節への負担が増え、将来的に変形性足関節症へ進行するリスクが高まります。症状を詳しく評価し、装具やリハビリテーションなど、患者様に合わせた方法で足首の機能回復を目指しましょう。
対応クリニックのご紹介
当アレックスメディカルグループでは、足首の慢性的な不安定性や捻挫の後遺症に対して、専門知識を持った医師と理学療法士が連携し、患者様の症状に合わせた適切な治療プログラムを提供しています。