糖尿病

糖尿病とは
 
糖代謝機能低下により高血糖になり、それによる様々な合併症を呈する疾患です。
膵臓の機能低下によって十分なインスリンが作れなくなってしまう「インスリン分泌低下」、運動不足や食べすぎによってインスリンが十分な効果を発揮できない「インスリン抵抗性」が原因とされています。
 

糖尿病のタイプとは
 

1型糖尿病

膵臓のインスリンを排出する細胞・β細胞が壊されてしまい、インスリンがほとんど排出できなくなるタイプです。
一般的にβ細胞の破壊は進行性とされており、治療にはインスリン製剤を使用します。
さらに細かく「劇症1型糖尿病」「急性発症1型糖尿病」「緩徐進行性1型糖尿病」に分類されます。

2型糖尿病

最も多いタイプの糖尿病とされています。
遺伝的要因によるインスリン分泌低下や、環境的要因として生活習慣の悪化によるインスリン抵抗性が加わり、相対的にインスリン不足に陥った状態です。

妊娠糖尿病

妊娠中に初めて発覚した、まだ糖尿病には至らない血糖の上昇を指します。
糖は赤ちゃんの栄養となるため、多すぎても少なすぎても成長に影響を及ぼしてしまいます。妊娠中は細やかな血糖管理が大切です。
多くの場合、出産後は正常に戻りますが、妊娠糖尿病を経験すると将来的に糖尿病になりやすいとされています。


糖尿病の検査
 
血液検査
朝食を食べないで採血する「空腹時血糖」と合わせて、HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)を測定して判断します。
空腹時血糖が126mg/dL以上 であったり、 HbA1cが6.5%以上 の場合、糖尿病と診断します。
会社の健康診断等で血糖値が高いと指摘された方は、採血の結果をご持参ください。

糖尿病の治療
 
薬物療法
飲み薬、場合によって注射を用います。
飲み薬には、インスリンの分泌を促進する薬剤、インスリンの効果を高める薬剤、食事で摂った糖の分解・吸収を遅らせる製剤、糖の排尿を促す薬剤があります。
注射には、インスリンの分泌を促す薬剤、インスリンそのものを補う薬剤があります。
検査の結果や生活環境に合わせて提案します。
食事・運動療法
血糖値のコントロールのため、なによりも大切な基礎となります。
食事で摂取する糖の量やエネルギーのバランスなどをコントロールし、運動によって脂肪を減らすことで、インスリンが効果を発揮しやすい環境を整えていきます。

合併症
 
糖尿病神経障害
三大合併症の1つです。
全身にくまなく張り巡らされた神経が障害されるため、さまざまな症状となって現れます。
特に多いのが手足の痺れや感覚異常などの「末梢神経障害」です。
そのほか、胃腸の働きが低下したことによる胃腸障害、血圧が適切にコントロールされないことによるひどい立ちくらみ、低血糖状態を自覚できない、尿意を自覚できないことによる排尿障害など、症状は多岐に渡ります。
糖尿病型網膜症
三大合併症の1つです。
網膜とは、眼球の奥に広がるスクリーンのことで、眼の中に入った光が焦点を結ぶ部分です。
網膜には細かい血管が張り巡らされていますが、高血糖によりそれらの血管が障害され、視覚症状を引き起こします。
多くの場合は自覚症状がなく、進行すると失明してしまいます。
 
糖尿病型腎症
三大合併症の1つです。
腎臓には血液中の不要なものを尿中に排出し、全身の血液をきれいに保つ働きがあります。
腎臓内には約200万個の細い血管が存在していますが、高血糖によりそれらの血管が障害され、血液に不純物が蓄積されてしまいます。
生命の危機に繋がり、透析療法を始める必要があります。
病気は「早期腎症」「顕性腎症前期」「顕性腎症後期」「腎不全」の順に進行します。
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