喘息・気管支喘息

喘息とは
 
慢性的な気管支の炎症によって気道が過敏な状態になり、気道が狭窄する(狭くなる)ことで、発作的な喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという音)や咳、呼吸困難などの様々な症状を引き起こす疾患です。
炎症を起こした気道は非常に敏感になっており、タバコ、ホコリ、ストレス等の刺激に反応して発作症状を引き起こします。  

喘息の症状
 
  • 発作的な咳、痰
  • 呼吸時に喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという音)がする
  • 運動後の息苦しさ
  • 胸の痛み
  • のどの違和感
  • 夜間の激しい咳

喘息の検査
 
呼吸機能検査(スパイロメトリー)
スパイロメーターという機械を用いて行います。
思いきり息を吸いこんだときの努力性肺活量、息を吐き始めてから吐き終わるまでの時間・スピードを測定します。
最初の1秒間で吐きだした空気の量を「1秒量」といい、この値(FEV1)が重症度の基準となります。
また、努力性肺活量をグラフで示したものを「フローボリューム曲線」といいます。力いっぱい息を吐きだしたときの息の強さ(速さ)の最大値を「ピークフロー」といい、喘息の管理の指標となります。
 
血液検査
どのアレルゲンに対しアレルギー反応を示すか検査します。
採取した血液とアレルゲンを反応させて、アレルゲンに対する抗体(特異的IgE抗体といいます)が検出されるかテストします。
 
胸部レントゲン検査
喘息と似た症状を持つ他の呼吸器疾患との鑑別や、肺炎等の合併症を調べます。  

喘息の治療
 
一般的に、薬剤が直接的に炎症部に届く吸入器を使用します。
吸入薬には数種類のデバイスがあるため、患者さんと相談しながら使いやすいデバイスを提案します。
また、診察室内でも吸入薬の使用方法をレクチャーします。
吸入薬だけではうまくコントロールできない場合、内服薬や貼り薬を処方することもあります。

合併症
 
アレルギー性鼻炎
喘息の方は、ほかのアレルギー疾患を合併してしまうことがあります。
なかでもアレルギー性鼻炎の合併率は高く、小児では約5割、成人では約6割の方が併発していると言われています。
喘息の場合は下気道(気管、気管支)に、アレルギー性鼻炎の場合は上気道(鼻腔、咽頭など)の粘膜などに炎症が起こるため、それぞれに合わせた薬物治療を行ないます。
 
副鼻腔炎・蓄膿症
副鼻腔(鼻の周りにある骨に囲まれた空洞)に炎症が起こり、鼻の痛みや鼻汁などの症状が現れます。
喘息の方の40~60%が併発していると言われています。
特に、アスピリン喘息では副鼻腔炎や鼻茸(はなたけ)の合併率が高いことが分かってきました。
 
アトピー性皮膚炎
多くは幼児期に発症します。
かゆみを伴う湿疹が特徴で、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、長期的に症状が継続します。
特にアトピー型喘息の方に多く合併します。
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