上腕骨外側上顆炎(テニス肘)

特にテニスプレーヤーに多い疾患であることから、「テニス肘」とも呼ばれます。
発症の多くは使いすぎによるものが原因で、週3回以上テニスを行なうことで発症頻度が上がるとも報告されています。
経験の浅い初心者~中級者に多く発症します。
テニスのバックハンドでは手首を反らした状態でボールを打ちます。
これと同様に、テニスをしない人でも、長時間のパソコン作業や家事など、手関節を反らす動作が多い方にも発症しやすいと言われています。
また、重い物を持つことが多いと、同じように手首を反らす動作が繰り返し行われるため、発症することがあります。
発症の多くは使いすぎによるものが原因で、週3回以上テニスを行なうことで発症頻度が上がるとも報告されています。
経験の浅い初心者~中級者に多く発症します。
テニスのバックハンドでは手首を反らした状態でボールを打ちます。
これと同様に、テニスをしない人でも、長時間のパソコン作業や家事など、手関節を反らす動作が多い方にも発症しやすいと言われています。
また、重い物を持つことが多いと、同じように手首を反らす動作が繰り返し行われるため、発症することがあります。
目次
原因

拡大されている部分は、短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん)と呼ばれる、手首を反らす(=背屈する)筋肉です。
筋肉は骨に付着しており、この付着部に慢性的にストレスが加わり続けることで発症すると言われています。
テニスでは、ボールがラケットに当たるインパクトの際にラケットを手首に固定する役割を果たしています。
そのため筋肉の付着部に慢性的なストレスが蓄積し、炎症や変性、微小断裂が生じて痛みの原因になると考えられています。
筋肉は骨に付着しており、この付着部に慢性的にストレスが加わり続けることで発症すると言われています。
テニスでは、ボールがラケットに当たるインパクトの際にラケットを手首に固定する役割を果たしています。
そのため筋肉の付着部に慢性的なストレスが蓄積し、炎症や変性、微小断裂が生じて痛みの原因になると考えられています。
年齢や性別による発症率の違い
筋肉や腱は、年齢とともに柔軟性が低下していきます。
テニスをする方の場合、 40歳を超えると発症率が高くなる と報告されています。
硬くなった筋肉に負担をかけ続けることで、筋肉と骨の付着部にかかるストレスが増強し、微細な損傷が生じやすくなるためです。
手首を使う頻度や強度がこれまでと変わらなくても痛みが起きやすいのは、この柔軟性の低下が原因と考えられます。
性別による明らかな発症率の差はありませんが、女性は男性と比較して筋肉が弱いことや家事などによって日頃から手首や手指を使う頻度が多いため、 40歳~60歳代の主婦にも好発 します。
テニスをする方の場合、 40歳を超えると発症率が高くなる と報告されています。
硬くなった筋肉に負担をかけ続けることで、筋肉と骨の付着部にかかるストレスが増強し、微細な損傷が生じやすくなるためです。
手首を使う頻度や強度がこれまでと変わらなくても痛みが起きやすいのは、この柔軟性の低下が原因と考えられます。
性別による明らかな発症率の差はありませんが、女性は男性と比較して筋肉が弱いことや家事などによって日頃から手首や手指を使う頻度が多いため、 40歳~60歳代の主婦にも好発 します。
症状
ある一定の動きをしたときに前腕の親指側(近位橈側)に生じる痛みが主症状です。
タオルを絞る、掌を下に向けた状態で物を持ち上げる、ドアノブをひねるといった動作で痛みが出る特徴があります。
タオルを絞る、掌を下に向けた状態で物を持ち上げる、ドアノブをひねるといった動作で痛みが出る特徴があります。
テニス中の特徴的な痛み

- ストローク(特にバックハンド)が痛い
- 痛みのせいでラケットを強く握れない
日常生活の特徴的な痛み

- ペットボトルの蓋を開ける動作が痛い
- 雑巾、布巾、タオルを絞る動作が痛い
- フライパンや包丁を使うときが痛い
理学検査
中指伸展テスト

肘を伸ばした状態で手首と指を上に反らし、中指を下方向に押し下げます。
中指を上に持ち上げようと抵抗した際に肘の外側に痛み出ると陽性です。
中指を上に持ち上げようと抵抗した際に肘の外側に痛み出ると陽性です。
チェアーテスト

背もたれのある椅子を用意します。
掌を下に向けた状態で、椅子の背もたれを掴んで持ち上げます。
肘の外側に痛みが出ると陽性です。
ご自宅で試されるときに背もたれのある椅子が身近にない場合、大きめのフライパンなどでも代用できます。
掌を下に向けた状態で、椅子の背もたれを掴んで持ち上げます。
肘の外側に痛みが出ると陽性です。
ご自宅で試されるときに背もたれのある椅子が身近にない場合、大きめのフライパンなどでも代用できます。
トムゼンテスト

肘を伸ばし手首を上に反らした状態で、手首から先を下方向に押し下げます。
手首を持ち上げようと抵抗とした際に肘の外側に痛みが出ると陽性です。
手首を持ち上げようと抵抗とした際に肘の外側に痛みが出ると陽性です。
画像検査
レントゲン

レントゲン検査では、棘の有無を調べることができます。
腱付着部に負担がかかることで、骨棘(こつきょく)が形成されることがあります。
腱付着部に負担がかかることで、骨棘(こつきょく)が形成されることがあります。
エコー

エコー検査では、腱損傷を調べることができます。
腱に損傷があると、本来は白く描出されるはずの組織が黒く抜けたり、乱れが生じたりします。
腱に損傷があると、本来は白く描出されるはずの組織が黒く抜けたり、乱れが生じたりします。
MRI

MRI検査では、筋損傷の度合いや関節内の炎症を調べることができます。
矢印で示したように腱付着部が白く写っている場合は、腱付着部が損傷していると考えられます。
三角矢印で示した部分は、関節内の「ひだ」の腫れを確認できます。
矢印で示したように腱付着部が白く写っている場合は、腱付着部が損傷していると考えられます。
三角矢印で示した部分は、関節内の「ひだ」の腫れを確認できます。
治療
治療の基本は保存療法です。
痛みの度合いや生活状況に応じて治療方針をご提案します。
痛みの度合いや生活状況に応じて治療方針をご提案します。
理学療法
運動療法(ストレッチ指導、筋力トレーニング)や物理療法(超音波治療、電気療法)を行ないます。
特にストレッチは使いすぎによって生じた筋肉の緊張を和らげる効果があります。
下図のようなストレッチも取り入れてみると良いでしょう。
装具療法


痛みが生じる部位よりも少し離した部分に装着し、筋肉の付着部に対してのストレスを軽減させます。
当院では肘の痛みに対して必要に応じて写真のような装具を処方しています。
当院では肘の痛みに対して必要に応じて写真のような装具を処方しています。
薬物療法

主に痛み止めの飲み薬や湿布・塗り薬を処方します。
お薬の希望がない場合も、お気軽にお申し出ください。
お薬の希望がない場合も、お気軽にお申し出ください。
エコーガイド下注射

疼痛の原因になっている部分をエコー(超音波)検査機器を用いて特定します。
可能な限り少量の注射薬剤で正確に効果が出るよう、超音波ガイド下で1mm単位で調節しながら注射をします。
ステロイド剤の効果によって痛みが取れたあとは、痛みが再び出ないようにストレッチの継続が大切になります。
可能な限り少量の注射薬剤で正確に効果が出るよう、超音波ガイド下で1mm単位で調節しながら注射をします。
ステロイド剤の効果によって痛みが取れたあとは、痛みが再び出ないようにストレッチの継続が大切になります。
動注治療

痛みの原因になっているモヤモヤ血管(新生血管)に対し、近くの動脈から抗生剤を注入し、抗生剤の粒子でモヤモヤ血管を閉塞することで痛みを抑える治療です。
詳細はこちらをご覧ください。
↑*肘の動注ページに置き換え予定
詳細はこちらをご覧ください。
↑*肘の動注ページに置き換え予定
体外衝撃波治療

内服薬やリハビリテーションで改善しない場合は、体外衝撃波治療が選択されます。
拡散型体外衝撃波治療とは、ヨーロッパから普及し、欧米では低侵襲ながら有効な治療法としてスポーツ選手を中心に、腱付着部障害などに使用されている除痛装置です。
なかなか痛みが引かない場合など、慢性的な疼痛は痛みを感じる自由神経終末の増加により、痛みに対して敏感になっています。
その神経をこの体外衝撃波を用いて変性させ、即時的に痛みを軽減させます。
拡散型体外衝撃波治療とは、ヨーロッパから普及し、欧米では低侵襲ながら有効な治療法としてスポーツ選手を中心に、腱付着部障害などに使用されている除痛装置です。
なかなか痛みが引かない場合など、慢性的な疼痛は痛みを感じる自由神経終末の増加により、痛みに対して敏感になっています。
その神経をこの体外衝撃波を用いて変性させ、即時的に痛みを軽減させます。