膝蓋腱炎
膝蓋腱炎(膝蓋靱帯炎)とは?
膝蓋腱炎とは反復するスポーツ動作が原因となり膝のお皿の下にある腱が炎症を起こし痛みが出るスポーツ障害です。スポーツ動作(ランニングやジャンプなど)では、太ももの筋肉である大腿四頭筋に力が入り、
膝の前面にある膝蓋腱が伸びることで体重を支えています。
しかし、スポーツで活動での練習量増加や試合などで繰り返し負荷が加わり膝蓋腱を使いすぎると小さな損傷や炎症が生じ、
痛みが出てくるようになります。
症状
走る時に痛い、ジャンプする時に痛い、膝を曲げると痛いなどが特徴的な症状です。膝蓋腱炎の重症度は4段階に分けられます。
stage1 スポーツ活動後の痛み
stage2 スポーツ界しっじと終了時に痛みがあるが、スポーツ活動に支障なし
stage3 スポーツ中にも痛みがあり、スポーツ活動に支障あり
stage4 腱断裂
症状の程度から治療の選択肢を決定していくため重症度の把握がとても重要になります。
また、小さな損傷の繰り返しにより膝蓋靱帯の損傷が大きい場合は、治りにくく慢性的に症状が続く場合もあります。
診断・検査方法
診断は問診、画像所見、身体所見を照らし合わせながら行っていきます。【圧痛】
膝蓋腱の圧痛の有無を確認
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【膝前面の大腿四頭筋の柔軟性チェック:エリーテスト】
大腿四頭筋の硬さ、伸ばした時の痛みの有無を確認する
↓正常な場合 ↓大腿四頭筋が硬い場合
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画像所見
レントゲン検査
レントゲン検査ではほとんど異常所見を認めません。MRI検査
◯で囲んだ部分に炎症を認めます。
超音波画像
正常な膝蓋腱と比べて◯で囲んだ部分が肥厚しています。↓正常な膝蓋腱 炎症が起きている膝蓋腱
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当院での治療
症状の程度、患者さんの希望に基づいて治療を計画して実施します。以下の保存的治療により多くの場合症状を改善させることができます。
リハビリテーション
患部の負担増加に関係する身体機能障害に対して治療していきます。患者さんごとにも大点は異なるため、理学療法士が評価して適切な方法を指導します。
例えば、太もも周囲のストレッチや臀部・体幹の筋力強化を行い、膝への負担を減らします。
予防や症状の軽減を目的としたストレッチの方法を下に掲載します。
1.大腿四頭筋のストレッチ
横になり、伸ばしたい足の足首を掴みます。
反対側の足はもう片方の手で抱えるようにします。
【20〜30秒×3セット程度】
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2.ハムストリングスストレッチ
ひもやバスタオルなどを足に引っ掛けて引っ張ります。
この時に膝が曲がらないようにしましょう。
【20〜30秒×3セット程度】
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拡散型体外衝撃波治療
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内服やリハビリテーションで改善しない場合は体外衝撃波治療が選択されます。
拡散型体外衝撃波治療とは、ヨーロッパより普及し、欧米では低侵襲ながら有効な治療法としてスポーツ選手を中心に、腱付着部障害などに使用されている除痛装置です。副作用がほとんどなく、安全な治療として推奨されています! なかなか痛みが引かない場合など、慢性的な疼痛は痛みを感じる自由神経終末の増加により、痛みに対して敏感になっています。その神経をこの体外衝撃波を用いて変性させ、即時的に痛みを軽減させます。
詳細 → 拡散型体外衝撃波治療について
膝蓋腱炎になりやすい体の特徴
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このような姿勢で運動をやっている方は膝蓋腱炎になりやすいです。