仙腸関節性疼痛

仙腸関節性疼痛とは

仙腸関節(図1)は、骨盤の骨である仙骨と腸骨の間にある関節であり、周囲の靭帯により強固に連結されています。仙腸関節は脊椎の根元に位置し、画像検査ではほとんど判らない程度の3~5mmのわずかな動きを有しています。
中腰作業や日常生活での不用意な動きで関節に負担がかかると周辺の靭帯や神経組織が刺激され腰臀部痛、下肢痛が生じます


     (図1 仙腸関節)
 

症状

疼痛部位は、仙腸関節を中心とした痛みが一般的ですが、臀部(でんぶ・おしり)、鼠径部、下肢にも痛みを生じることがあります(図2)。

図2 仙腸関節由来の症状(腰痛クリニカルプラクティス261Pより引用)
 

診断

仙腸関節はわずかな動きしかありません。レントゲン、CT、MRIなどの画像検査では、仙腸関節障害の診断は困難です。
診断で特に重要なのは、患者さんの症状と触診です。
痛みは表現しづらいものですが、ご自身の人差し指で痛みの部位を示してもらうワンフィンガーテスト(図3)や仙腸関節に対しての疼痛を誘発させる整形外科テストを行い診断します。

(図3 ワンフィンガーテスト)

 

治療

安静、鎮痛剤、骨盤ベルト、リハビリテーションといった保存的治療を行います
リハビリテーションでは患部にかかる負担を減らすため腰や股関節周りの柔軟性の改善、体幹の筋力強化などを行います。
保存療法を行っても持続的効果が得られず、日常生活が困難な場合は手術療法を検討します。


太ももの前の筋肉のストレッチ



体幹の筋力強化

 
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