第14回肩の運動機能研究会発表報告

 10月6日~8日にグランドプリンス新高輪で開催された第44回日本肩関節学会、第1回アジア太平洋肩肘シンポジウム、第14回肩の運動機能研究会、第1回肩の看護研究会に参加し、第14回肩の運動機能研究会で発表してきました。
発表内容は「筋前進併用鏡視下腱板修復術後にバレーボール復帰が可能であった1症例」という演題で発表を致しました。

 当院では平田正純医師による肩関節外来を行っており、肩関節疾患の患者さんが多く来院されます。様々な肩疾患の中で腱板断裂(肩関節のバランスをとる筋肉が断裂してしまう)を有する患者さんを多く経験します。

 腱板断裂の中でも断裂幅が大きいものを広範囲腱板断裂と分類します。広範囲腱板断裂に対する術式は様々ありますが、当院の平田医師は患者さんの年齢や活動性その他関節の状態に応じて、主に筋前進併用鏡視下腱板修復術を行っています。
 筋前進併用鏡視下腱板修復術とは、肩甲骨から上腕骨にかけて付着している腱板筋を肩甲骨側から剥がして、断裂して短くなっている腱板を前進させた後に関節鏡を使用して元の上腕骨に修復する術式です。(図1)図1 筋前進

 今回広範囲腱板断裂を負った患者さんに対し筋前進併用鏡視下腱板修復術を行い、バレーボール復帰を果たした症例に対する術後リハビリテーションについて発表しました。
通常の鏡視下腱板修復術とは異なり、断裂幅が広く術式も特殊なためリハビリテーションに工夫が必要です。
 今回の発表ではバレーボール復帰が目標であったため、肩甲帯、体幹筋力に着目しスポーツ特性を考慮したリハビリテーションを行ったことにより復帰が可能になったと考えています。
 今回の経験を活かし今後の臨床に還元していきたいと思います。

 

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