オスグッド・シュラッター病
オスグッド・シュラッター病とは
オスグッド・シュラッター病とは主に成長期(小学校高学年〜中学生)の子供に多くみられサッカーやバスケットボールなどジャンプやストップ動作を繰り返すスポーツで発症することが多い疾患です。太ももの前面にある筋肉が膝下の骨の一部を引っ張りすぎることで、成長軟骨を剥離させてしまい、痛みや腫れが生じます。
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原因
下記のような姿勢でスポーツを行なっているとオスグッドになりやすいです。パワーポジションと呼ばれる姿勢をするスポーツでは特にこのポジションが筋肉の硬さや弱さによって正しい姿勢がとれない場合があります。
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症状
走ったりジャンプなど膝を伸ばす動作で症状が出ます。1、膝のお皿のしたにある骨(脛骨粗面)が隆起してくる。押して痛みが出る。
2、脛骨粗面付近が赤く腫れる。熱を持つ。
3、運動すると痛みが生じ、休むと治る。
上記のような症状が現れます。
診断
レントゲン画像
脛骨粗面の隆起、不整像、骨端核の剥離などを確認します。![](/uploads/ckeditor4/pictures/823618725073/content_%E5%9B%B31.jpg)
◯で囲んだ部分は脛骨粗面と呼ばれ、上のレントゲン画像では骨が遊離しています。
超音波画像
骨の遊離体の不安定性、脛骨粗面付近に水腫がないか確認します。![](/uploads/ckeditor4/pictures/686170816543/content_%E5%9B%B31.jpg)
◯で囲んだ部分が超音波画像では黒く映り、水腫(腫れて水が溜まっている)を認めます。
赤くなっているところに炎症を認めます。
治療
治療は原則として保存療法が第一に選択されます。
炎症が強い場合
局所のアイシング、外用薬、消炎鎮痛薬などの処方も必要に応じて併用します。
リハビリテーション
オスグッド・シュラッター病は脛骨粗面への負担がかかる動作や機能低下が原因になります。その原因を解決するためにリハビリを行います。太ももの前面にある大腿四頭筋の硬さや、スポーツの動作での異常などを評価しその人に合ったアプローチを行います。
予防や症状を軽減を目的としたストレッチの方法を下に掲載します。
1.大腿四頭筋のストレッチ
横になり、伸ばしたい足の足首を掴みます。
反対側の足はもう片方の手で抱えるようにします。
【20〜30秒×3セット程度】
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2.ハムストリングスのストレッチ
ひもやバスタオルなどを足に引っ掛けて引っ張ります。
この時に膝が曲がらないようにしましょう
【20〜30秒×3セット程度】
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3.下腿屈筋群のストレッチ
タオルなどを足先にかけ、ふくらはぎから足先の筋肉を伸ばします。
【20〜30秒×3セット程度】
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装具療法
痛みが長期化してきた場合には、脛骨粗面の負荷を軽減するために、膝に専用のサポーター(オスグッドバンド)を装着することも効果的です。当院でも装具の処方を行っています。![](/uploads/ckeditor4/pictures/698155548750/content_IMG_1424.jpg)
ステロイド注射
炎症が起きている部分に直接治療薬を注射します。注射は一時的に症状を改善させるだけであり、その間に膝に負担をかけている原因に対してリハビリでを並行して行い、改善させます。
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体外衝撃波治療
ヨーロッパより普及し、欧米では低侵襲ながら有効な治療法としてスポーツ選手を中心に使用されている除痛装置です。最近では、オスグッド・シュラッター病にも多用されています。体外衝撃波治療をご希望される方は是非診察時にお申し付けください。
詳細 → 体外衝撃波治療について