disease

腰椎椎間関節障害

症状

腰椎椎間関節障害とは、背骨の腰の部分にある「椎間関節」という小さな関節が、炎症を起こしたり傷んだりすることで腰に痛みが生じる状態のことです。背骨はいくつもの骨が積み重なってできており、それぞれの骨をつないでスムーズな動きを支えているのがこの関節ですが、ここがうまく動かなくなると強い痛みを感じるようになります。一般的に「ぎっくり腰」の原因の一つとしても知られており、急激な痛みとして現れることもあれば、慢性的な重だるさが続くこともあります。

具体的な症状としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 腰を後ろに反らせたり、体をひねったりした時に痛みが強くなる:椎間関節は腰を反る動作で負担がかかりやすいため、洗濯物を干す動作や、高いところの物を取る動き、あるいはゴルフのスイングなどで鋭い痛みを感じることが多いです。
  • 朝起きた時や、動き始めに腰がこわばって痛む:しばらくじっとしていた後に動こうとすると、関節の動きが滑らかでないため、強い痛みや重だるさを感じることがあります。
  • 腰だけでなく、お尻や足の付け根、太ももなどに痛みや違和感が出る:痛みの原因となっている関節の場所によって、お尻や太ももの横、裏側に響くような痛みが出ることがあり、これらは坐骨神経痛と似たような症状として現れることもあります。
  • 痛みの場所が比較的はっきりしており、指で押すと痛む箇所がある:背骨の真ん中から数センチ横の部分を押した時に、ピンポイントで「ここが痛い」と感じる場所があるのがこの障害の特徴です。
  • 前かがみの姿勢をとると、一時的に痛みが和らぐ:腰を丸める姿勢は関節の隙間を広げて圧迫を逃がすため、反る時とは対照的に楽に感じることがあります。

このような症状は、放置すると周囲の筋肉が硬くなってさらに痛みが悪化するという悪循環に陥ることもあります。特に、安静にしていても痛みが引かない場合や、夜に痛みで目が覚める、あるいは足の力が入りにくいといった症状がある場合は、早めに専門的なチェックを受けることが大切です。

原因

腰椎椎間関節障害は、日常生活の中での何気ない動作や、加齢による体の変化が積み重なって起こります。背骨をつなぐ関節の表面には軟骨があり、滑らかな動きを助けていますが、この軟骨がすり減ったり、関節を包んでいる膜に炎症が起きたりすることが痛みの直接的なきっかけとなります。

主な原因としては、以下のものが考えられます。

  • 加齢に伴う関節の変化:長年身体を支え続けてきたことで関節の軟骨が徐々にすり減り、骨と骨がぶつかりやすくなったり、関節そのものが変形したりすることで痛みが生じやすくなります。
  • 急激なひねり動作や重い荷物の持ち運び:ゴルフやテニスなどのスポーツで腰を強くひねったり、中腰の姿勢で重い物を持ち上げたりした際に、関節に許容量を超える大きな負担がかかって炎症が起こります。
  • 長時間の悪い姿勢やデスクワーク:猫背や反り腰、あるいは椅子に浅く腰掛けるといった不自然な姿勢を長時間続けることで、特定の関節に常にストレスがかかり続け、少しずつ組織が傷んでいきます。
  • 体幹の筋力低下によるサポート不足:お腹や背中の筋肉が弱くなると、背骨や関節をしっかりと支えることができなくなり、動くたびに関節に直接負担が集中してしまいます。
  • 体重の増加による腰への負担増:体重が増えると、身体を支える腰椎にかかる圧力が増し、特に関節部分への摩擦が強くなることでトラブルを引き起こす原因となります。

これらの原因は複数重なり合って発症することがほとんどです。特に関節のクッションである椎間板が年齢とともに薄くなってくると、後方にある椎間関節への負担がさらに増し、痛みが強まる傾向があります。日頃から腰をいたわる生活を心がけることが、予防と改善の第一歩となります。

診断

腰椎椎間関節障害を正確に見極めるためには、まず「どのような時に、どこが、どのように痛むのか」を詳しく確認することから始まります。似たような症状を出す他の腰の病気としっかり区別することが、適切な治療への近道です。

診断のステップは、主に以下のように進められます。

  • 触診と動作の確認:医師が実際に腰のどの部分に痛みがあるかを確認したり、体を前後左右に動かしてもらったりして、痛みが誘発される動きをチェックします。特に、身体を後ろに反らせながら、痛む側の斜め後ろに傾ける動作で痛みが再現されるかどうかは、重要な判断基準となります。
  • 画像検査による状態の把握:レントゲン、MRI、CTなどの検査を行い、骨の並びや、関節の隙間が狭くなっていないか、骨の変形がないかを画像で確認します。特にMRI検査では、軟骨や筋肉、神経の状態を詳しく映し出し、関節に炎症による水が溜まっていないかや、他の病気が隠れていないかを精密に確認します。
  • 診断のためのブロック注射:痛みの原因となっていると思われる関節に、少量の麻酔薬を注入します。これで一時的に痛みが大きく改善されれば、その場所が痛みの源であると特定することができ、診断を確定させる有力な証拠となります。

正確な診断を受けることで、今の痛みの原因が関節にあるのか、それとも別の場所にあるのかが明確になり、適切なケアを始めることができます。

治療

腰椎椎間関節障害の治療では、まずは「炎症を抑えて痛みを取り除くこと」と「関節への負担を減らして再発を防ぐこと」の二つを大切にして進めていきます。多くの場合は、手術を行わない保存的な方法で改善を目指すことが可能です。

具体的な治療方法には、以下のものがあります。

  • お薬による治療:痛みや炎症を抑える飲み薬や、筋肉のこわばりを和らげる薬、湿布などを使用して、まずは日常生活を楽に過ごせるようにします。
  • ブロック注射: 痛みの原因となっている関節内に直接お薬を注入し、強力に炎症を抑えます。痛みによって硬くなっていた周囲の筋肉もほぐれ、血行が良くなることで、お薬の効果が切れた後も痛みが和らぐ効果が期待できます。
  • 物理療法:患部を温めて血流を良くする温熱療法や、電気刺激を与えることで痛みの伝わり方を和らげる治療を行い、関節周辺の状態を整えます。
  • リハビリテーション:理学療法士のアドバイスのもと、硬くなった関節周りの筋肉をストレッチでほぐしたり、腰を支えるための筋肉を鍛えたりして、関節に負担がかからない体作りを目指します。
  • コルセットの着用:痛みが強い時期には、コルセットを使用して腰の動きを制限し、関節の安静を保つことで炎症が早く引くのを助けます。
  • 生活動作の工夫:椅子からの立ち上がり方や荷物の持ち方、寝る時の姿勢など、腰を痛めにくい体の動かし方を身につけます。床の物を拾う時は腰を曲げずに膝を落とすようにするだけで、関節への負担を大きく減らすことができます。

治療を継続することで、多くの方は痛みが和らぎ、以前のように動けるようになっていきます。痛みが引いた後も、無理な姿勢や動作を避け、ストレッチや筋力維持を続けることが、健康な腰の状態を長く保つ鍵となります。

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