disease

僧帽筋膜炎

症状

僧帽筋膜炎は、首の付け根から肩、背中にかけて広がる大きな筋肉である僧帽筋(そうぼうきん)や、その筋肉を包む筋膜が、慢性的な負担によって炎症を起こし、長期間にわたる痛みを引き起こす状態です。これは、一般的な「肩こり」が重症化し、休息や市販薬では回復しないレベルに進行したことを示します。症状は局所的な痛みだけでなく、全身の不調につながることもあります。

具体的な症状としては、以下のものが挙げられます。

  • 慢性的な首・肩の強いこわばりや重だるさ: 休息やマッサージをしても痛みがすぐにぶり返し、「重いものが乗っている」ような不快感が常態化します。特に、朝や夕方以降に症状が悪化する傾向があります。
  • 緊張型頭痛の頻発: 凝り固まった僧帽筋が後頭部の神経を刺激することで、頭全体を締め付けられるような、重く慢性的な頭痛が繰り返し起こり、集中力を低下させます。
  • めまいや吐き気の併発: 強い頭痛や、筋肉の緊張による自律神経の乱れから、ふらつきやめまいを感じたり、時には吐き気を伴ったりすることがあります。
  • 姿勢の悪化(猫背や巻き肩): 筋肉が硬くなることで肩が前方に丸まり、背中が曲がる不良姿勢(猫背)が定着しやすくなります。これにより、さらに僧帽筋への負担が増加します。
  • 睡眠障害や倦怠感: 持続的な痛みや緊張により体が十分にリラックスできず、熟睡できない状態が続きます。その結果、常に疲労感が抜けず、全身の倦怠感につながります。

これらの症状が長引いている場合は、自己判断せずに専門的な診断を受けることが早期改善のために重要です。

原因

僧帽筋膜炎は、特定の事故などによる急な外傷ではなく、主に日々の生活習慣や環境要因が積み重なることによって発症します。特に、デスクワークやスマートフォンの長時間使用など、現代的な生活スタイルが、僧帽筋に持続的な負担をかけやすい主要な要因となっています。

主な原因は、以下のように複雑に絡み合っています。

  • 姿勢の悪さ: パソコンやスマホ使用時に、頭部が前に突き出る姿勢が続くと、重い頭を支える僧帽筋に常に過剰な負荷がかかり続けます。この慢性的な負担が、筋膜の炎症を引き起こす根本原因です。
  • 運動不足: 身体活動量が少ないと、筋肉の血流が悪くなり、疲労物質や老廃物が溜まりやすくなります。血行不良が筋肉を硬くし、慢性的な痛みの状態へと移行させる原因となります。
  • 精神的ストレス: 強いストレスや緊張状態が続くと、無意識に交感神経が優位になり、首や肩の筋肉が防御的に強張ります。この持続的な緊張が、炎症や痛みを長引かせる主要な原因の一つです。
  • 体の冷え: 体が冷えると血管が収縮し、筋肉への酸素や栄養の供給が滞ります。これにより筋肉の柔軟性が失われて硬くなり、痛みを感じやすい状態を作ります。

痛みの根本的な改善には、これらの複合的な要因を専門的な視点から特定し、総合的に対処することが不可欠です。

診断

肩や首の痛みは、単なる僧帽筋膜炎以外にも、首の骨(頚椎)からくる神経の圧迫や、稀に心臓・内臓の疾患が原因で痛みが放散しているケースも存在します。そのため、症状が続いている場合、専門の整形外科医による正確な「鑑別診断」を行い、痛みの本当の原因を見極めることが非常に重要となります。

当クリニックでは、患者様の安全を第一に考え、以下のプロセスを通じて慎重に診断を進めます。

  • 丁寧な問診と視診: 痛みの始まりや悪化する状況に加え、頭痛、めまい、動悸など全身症状がないかを詳しくお伺いします。これにより、肩こりが整形外科的な問題か、内科的な疾患によるものかを慎重に見極めます。
  • 専門医による触診: 僧帽筋や肩甲骨周辺の特に硬くなっている部分、強い痛みを感じるポイント(圧痛点)を特定します。この触診により、筋膜炎の範囲や重症度、筋肉の緊張状態を詳細に把握します。
  • 画像検査(必要に応じて): 骨や関節の変形を確認するレントゲン検査を行います。さらに、筋肉や筋膜の炎症や血流の状態をリアルタイムで詳しく評価できる超音波(エコー)検査を併用することもあります。

私たちは、これらの多角的な診断を通じて痛みの真の原因を特定し、もし肩こりの症状の裏に、治療を急ぐべき重篤な疾患が隠れている可能性がある場合は、速やかに適切な専門科への受診をご案内いたします。

治療

僧帽筋膜炎の治療は、まず現在感じている「強い痛みを取り除く対症療法」と、「痛みの原因を解消する根本治療」を組み合わせて進めます。患者様一人ひとりの症状や生活環境に合わせた無理のない治療方法を選択し、痛みの悪循環を断ち切り、再発しにくい体づくりを目指します。

具体的な治療方法には、以下のものがあります。

  • 薬による治療: 炎症を抑え痛みを鎮めるための内服薬(飲み薬)や、患部に直接貼る湿布(外用薬)を処方します。まずは強い痛みを緩和し、その後のリハビリテーションが行いやすい状態を整えることが目的です。
  • 物理療法: 患部の血行を改善するために、硬くなった筋肉を温める温熱療法や、電気の力で痛みを和らげる電気治療などを実施します。これにより、筋肉の緊張を緩和させていきます。
  • 注射による治療: 他の保存療法で改善が見られない強い痛みに対し、痛みを感じるトリガーポイントに局所麻酔薬などを少量注射します。これにより、痛みの悪循環を急速に断ち切ることを目指します。
  • 運動療法・リハビリテーション: 専門スタッフが、硬直した筋肉を緩めるストレッチや、正しい姿勢を維持するために必要な深層筋を鍛える運動を指導します。根本的な姿勢改善と再発予防のために最も重要な治療法です。
  • 生活指導と姿勢指導: 日常生活におけるデスク環境、長時間同じ姿勢でいないためのアドバイス、睡眠時の姿勢、ストレス対処法など、無意識に筋肉に負担をかけている習慣を見直します。症状の再発を防ぐための具体的な改善策をアドバイスします。

当グループでは、一時的な痛みへの対処だけでなく、患者様がセルフケアや運動療法を継続できるよう二人三脚でサポートし、痛みのない日常を取り戻すことを目指します。

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