ハイドロリリース
ハイドロリリース(Hydrorelease)とは
「Hydro(液体)」で「release(剥がす・緩める)」という意味から名付けられた治療法です。
この治療は、超音波(エコー)を使って、痛みやしびれの原因となっている神経や筋膜の周囲に、安全な生理食塩水を注入し、癒着や圧迫を解除することを目的としています。
ターゲットがFascia(筋膜)であれば「Fascia Hydrorelease」(筋膜リリース)、ターゲットが神経(Nerve)であれば「Nerve Hydrorelease」(神経リリース)と定義されており、治療対象によって使い分けられます。
治療の手順
超音波診断装置(エコー)を用いて、ターゲット(筋膜や神経)を写し出しながらハイドロリリースを行います。
超音波診断装置で患部を正確に確認しながら行うため、安全性の高い手技とされています。
目的と効果
ハイドロリリースの目的と治療で痛みが改善する仕組み
主な目的は「痛みの改善」です。
ハイドロリリースでは、超音波で確認しながら、神経や筋膜の周りに生理食塩水を注入します。
- 痛みが改善する理由(治療の仕組み): 凝り固まった筋肉や筋膜が神経を圧迫したり、神経の周りの滑走性が失われたりすることが痛みの原因と考えられています。生理食塩水を注入することで、この圧迫を解除し、組織同士の滑走性を改善させます。
- 期待される効果: 神経の過緊張(パツパツの状態)が緩み、連動して筋肉の緊張も改善し、痛みの緩和につながります。
ハイドロリリースの効果
期待される効果は以下の2点です。
- 鎮痛効果
- 組織の伸張性・滑走性の改善
メリット・デメリット
メリット
- 超音波ガイド下で行うため、患部を可視化でき安全です。
- 安全な生理食塩水を使用するため、アレルギー反応や副作用がありません。
デメリット
- 細い針を使用しますが、注射のため痛みを伴います。
- 出血や腫れが生じることがあります。
- ごく稀ですが、感染のリスクがゼロではありません。
適応疾患
適応疾患(具体的な症状例)
この治療は、神経根症状ではない末梢神経障害を呈している症例に適応されます。
具体的な症状や疾患の例としては、以下のようなものがあります。
- 肩・腕の痛み: 慢性的な肩こり、四十肩・五十肩(一部)、テニス肘・ゴルフ肘
- 手・指の痛み/しびれ: ばね指、腱鞘炎、手根管症候群
- 腰・足の痛み: 原因不明の腰痛、坐骨神経痛に似た下肢の痛み、足底筋膜炎
※この治療が適切かどうかは、詳細な診断に基づき医師が判断します。
治療後の経過と注意点
治療後の経過と効果の現れ方
効果には個人差がありますが、治療直後から痛みが和らぐなどの効果を感じる方もいます。**多くの場合、症状の程度や慢性化の状況に応じて、継続的な改善を目指して複数回の治療を行うことが一般的です。**神経への圧迫が解除されることにより、可動域の改善や痛みの軽減が期待できます。
治療後の注意点
- 治療当日の活動: 治療直後は激しい運動や飲酒は避けてください。
- 一時的な症状: ごくまれに注射部位に内出血や軽い腫れが生じることがありますが、通常は数日で治まります。
- 症状の再燃: 効果には持続性がありますが、生活習慣や動作により再び症状が出ることがあります。その際は、医師と相談の上、リハビリテーションや追加の治療を検討します。
治療の動画紹介
文章では伝わりにくい治療の様子や、超音波ガイド下の注射の手技について、以下の動画で視覚的にご確認いただけます。
より具体的なイメージを持つために、ぜひご覧ください。