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症例 8
今回の症例は「前十字靭帯損傷?」の症例です。
上の画像は他施設から持ち込まれた左膝のMRI画像です。
A、B、Cは同じ方向(正面)から見た異なる種類の画像です。それぞれの下にある画像D、E、Fは別の方向(横)からみた画像で、種類は上の画像と同じです。
矢印の部分が「前十字靭帯」です。正常な前十字靭帯はどの種類の画像でも真っ黒な帯として描出されます。もし靭帯損傷が起こると、黒から灰色に変化します。その程度は損傷の強さ、画像の種類によって異なります。MRIを読影する時は、この色の変化をみて判断します。
上の画像ではどれを見ても真っ黒とは言えません。従って、この画像からは前十字靭帯損傷の可能性を考えなければなりません。

「本当に損傷があるのでしょうか?」

下の画像(G〜J)は当方で撮像された同じ患者さんの画像です。
当方で撮像したMRIの画像では、前十字靭帯は黒い帯として描出されており、損傷が無い事が分かります。
なぜ他施設の画像では黒い帯にならなかったのでしょうか?
その一つの理由は「マジックアングル効果」という特殊な現象が影響していると思われます。これは腱や靭帯の様な構造に見られるもので、画像を撮る時の条件によって現れたり現れなかったりします。従って、腱や靭帯を評価する時にはこの現象が現れないような条件で撮像した方が良いのです。上のA、B、D、Eの画像はこの現象が現れやすい画像あり、唯一 C、Fの画像だけがこの現象を回避できる画像です。ただし、CやFの画像は軽度の損傷を捉えにくいという欠点があります。
もう一つの理由は、検査をする時の膝の状態が影響していると思われます。通常、前十字靭帯は膝が伸びきった状態では引き伸ばされて細くなり、大腿骨の内側にぴったりとくっついてしまいます。骨の輪郭をなす部分は骨皮質と呼ばれますが、この骨皮質もすべての画像でまっ黒くなります。そうすると、骨皮質と前十字靭帯を見分けるのが難しくなってしまいます。
下の画像を見て下さい。
他施設の画像では大腿骨と脛骨がほぼ一直線になっています。これは膝が伸びきった状態です。それに対し、当方の画像では軽く膝が曲がっているのがお分かり頂けると思います。この様に軽く膝を曲げる事で前十字靭帯がわずかに緩み、その分やや太くなります。また、大腿骨とも少しだけ離れるため、骨皮質と区別がしやすくなります。この様に、前十字靭帯をより見やすい状態にして検査を行う必要があります。この事はかなり一般的になっており、多くの施設でも行われています。
今回の症例の問題点は、検査を行う時の膝の状態(ポジショニングと言います)が前十字靭帯を評価するのに適した状態ではなかった事、撮像された画像の種類も前十字靭帯の評価には十分とは言えないものであった事が挙げられます。
当方では膝を軽く曲げて前十字靭帯を見やすくして検査を行っています。また、GやIの画像は先の「マジックアングル効果」 が生じにくいように条件を設定してあります。
この様に、対象をできるだけ見やすい状態にし、さらに適切に評価できるような画像を撮る事で、初めて正確な診断に近づく事ができるのです。
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2015/4/20
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