物理療法
物理療法とは?痛みの根本にアプローチする専門治療
痛みや運動機能の制限でお困りの方にとって、整形外科治療の柱となるのが「物理療法」です。物理療法とは、電気、超音波、温熱などの物理的なエネルギーを患部に作用させることで、体の自然治癒力や組織の回復力を高めることを目的とした治療法です。投薬や手術に頼ることなく、体への負担を抑えながら症状の改善を目指します。
物理療法が担う役割
物理療法は、単に痛みを一時的に和らげるだけでなく、その後のリハビリテーション(運動療法や徒手療法)の効果を最大限に引き出すための準備段階として、極めて重要な役割を果たします。
期待される主要な効果は以下の通りです。
- 痛みの軽減(消炎鎮痛): 炎症を抑え、神経の伝達を調整することで、効率的に痛みを和らげます。
- 血流の改善と浮腫の軽減: 患部の血の巡りを良くし、治癒に必要な栄養を届けやすくすることで、むくみ(浮腫)の軽減にもつながります。
- 筋肉の柔軟性の向上: 緊張して硬くなった筋肉をほぐし、関節の可動範囲(動かせる範囲)を広げる準備を整えます。
物理療法の主な対象となる症状
アレックスメディカルグループの物理療法は、急性期から慢性期まで、幅広い運動器疾患に対応しています。患者様の痛みの性質や発生部位に応じて、最適な機器と設定を選択し、回復をサポートします。
- 関節の炎症と慢性的な痛み
- 五十肩(肩関節周囲炎)、腱鞘炎、上顆炎(テニス肘・ゴルフ肘)。
- 腰部疾患、股関節痛、膝内症など、日常的な関節の痛み。
- リウマチに伴う症状、関節拘縮(関節が固まる状態)。
- 外傷後の回復促進
- 打撲、捻挫、靭帯損傷、骨折後の治癒過程。
- 創傷や熱傷、外傷後の皮膚異常。
- 筋肉や神経に関連する症状
- 筋肉の異常(硬結)、血流の改善が必要な症状、浮腫。
- 肩こり、筋力の低下や機能障害。
アレックスメディカルグループが提供する物理療法
当グループでは、痛みの根本原因、深さ、治癒の段階を正確に見極め、それぞれに最も効果的な物理療法機器を使い分けています。単に機械を当てるだけでなく、患者様一人ひとりの症状に合わせた「最適な治療アプローチ」を行うことが、当グループの専門性であり、強みです。
1. 電気療法
電気療法は、吸盤やパッドを患部に装着し、電流によって治療を行います。痛みの原因や組織の深さに応じて、電流の種類や周波数を細かく調整することで、表面の広範囲な痛みから、深い層にある炎症、さらに損傷組織の修復促進まで、多角的に対応できることが特徴です。
当グループでは、主に以下の5種類の電気療法を使い分け、治療効果の最大化を目指しています。
電気療法の種類と期待される効果
| 電気療法の種類 | 主な目的 | 期待される効果(患者様メリット) |
| 干渉波療法 | 筋肉の緊張緩和、広範囲の疼痛管理 | 広範囲の痛みを和らげ、表層の筋肉をリラックスさせます。 |
| Hi-volt(高電圧電流治療) | 深部組織への集中的アプローチ | 高圧電流により皮膚の抵抗を抑え、深い場所にある痛みの原因や炎症を改善します。 |
| マイクロカレント(微弱電流治療) | 自然治癒力・組織修復の促進 | 人間が持つ微弱な電気を通電することで、骨折や靭帯損傷の早期回復を促し、治癒力を高めます。 |
| EMS(電気筋肉刺激療法) | 筋力強化、血流改善 | 関節に負担なく筋力トレーニングができ、血流改善によるマッサージ効果も得られます。 |
| TENS(経皮的末梢神経刺激療法) | 疼痛信号の抑制 | 痛み信号を脳へ伝達している知覚神経を選択的に刺激し、急性痛(打撲・捻挫)や慢性痛(肩こり)の両方を軽減します。 |
2. 超音波療法
超音波療法は、人の耳に聞こえない周波数(超音波)の振動を使い、患部を立体的に治療する手法です。この治療は、現在、柔道や水泳などの日本代表選手団のケアや、多くのプロスポーツ現場でコンディショニングに採用されており、その高い実績と安全性が証明されています。
作用(温熱/非温熱効果)と深達度
超音波は、体内で吸収される際に温熱効果を生み出すとともに、ミクロレベルの高速振動によって組織にマッサージ効果を与えます。これにより、血流の増大、痛みの減少、筋肉の柔軟化、神経伝達速度の改善、浮腫(むくみ)の軽減など、多岐にわたる効果が期待されます。
特に重要なのは、患部の深さに合わせた精密な周波数設定です。超音波は、周波数によって伝わる深さが異なります。当グループでは、患者様の損傷部位の正確な深さを診断し、以下の通り周波数を使い分けています。
- 浅い部分(皮膚表面から2cmまで):超音波が広がらずにまとまって届く(収束性が高い)3MHzを使用し、表層の腱や筋肉の炎症に集中してアプローチします。
- 深い部分(2cm〜5cm):より深くまで伝わる(伝播性が高い)1MHzを使用し、股関節や膝関節など深部の組織へ効率的にアプローチします。
この精密な使い分けこそが、超音波治療器の持つ力を最大限に引き出し、症状改善へと導くための鍵となります。
リハビリテーションとの包括的サポート
当グループの物理療法は、理学療法士が個別に作成するリハビリテーションプログラム(運動療法、徒手療法)と連携して機能します。この連携こそが、痛みの改善だけでなく、根本的な機能回復と再発予防を目指すための戦略です。
物理療法によって痛みや炎症が軽減され、筋肉の柔軟性が高まった状態は、まさにリハビリを行うための最適な準備状態といえます。特に、超音波治療後は筋肉が最も緩んでいるため、治療後3分〜3分30秒以内にストレッチや運動を行うことで、固まった関節の可動域を効率的に広げ、治療効果を持続させることが可能であると報告されています。
医師の正確な診断と、理学療法士の専門的な技術に基づき、物理療法を戦略的に組み込むことで、患者様が「もう一度思い切り動きたい」という目標を達成できるよう、一貫してサポートいたします。
受診をおすすめするケース
以下のような症状でお困りの方は、早期の診断と治療をおすすめいたします。痛みを放置すると、悪化や再発を招く可能性もありますので、お早めにご相談ください。
- 数週間以上、体の特定の部位(肩、腰、膝など)の痛みが続いている。
- 夜間痛があり、痛みで眠りが浅い、または夜中に目が覚めてしまう。
- 物を持ち上げたり、腕を上げたりする動作で決まった痛みが走る。
- スポーツや事故によるケガを、できるだけ早く、かつ後遺症なく治したい。
- 他院での治療や自己流のケアでは、関節の可動域が回復しない、または痛みが改善しない。