disease

側彎症

症状

側彎症(そくわんしょう)とは、脊柱(背骨)がねじれを伴いながら左右に曲がりくねってしまう状態を指します。背骨は正面から見るとまっすぐですが、この疾患ではS字やC字のように変形し、単なる姿勢の癖ではなく、体全体のバランスに影響を及ぼす構造的な異常です。特に思春期のお子様の場合、初期段階では痛みを伴わないことが多いため、体の見た目の変化から気づかれることが一般的です。

側彎症で現れる主な症状は、体の左右の非対称性と、曲がりが進行した場合に生じる痛みや不調に分けられます。

  • 肩の高さが左右で違う:一方の肩がもう一方よりも高くなっている状態です。
  • ウエストラインの左右非対称:腰のくびれの深さが左右で異なって見えます。
  • 片側の肩甲骨や肋骨の突出:片側の肩甲骨が背中から浮き出ているように見える、または前屈みになった際に片側の背中や肋骨が盛り上がって見えます。この現象は「肋骨隆起(ろっこつりゅうき)」と呼ばれ、ねじれ(回旋)を伴う側彎症に特有のサインです。
  • 頭の位置の偏りや傾き:体の中心軸がずれることで、頭が常に左右どちらかに傾いている状態が確認されます。
  • 慢性的な腰や背中の痛みや疲労感(腰背部痛):背骨の歪みが進むと、周囲の筋肉や関節に大きな負担がかかり、特に成人になってから発症・進行する側彎症(脊椎変性後側彎症)でよく見られます。
  • お尻や太ももにかけての痛み(下肢痛):背骨のねじれが神経を圧迫し、坐骨神経痛のような症状を引き起こすことがあります。
  • 体幹の疲れやすさ:長時間の直立姿勢や座っている姿勢を維持することが困難になります。

ご家族による日常的なチェックで、これらの体の非対称性に早く気づくことが、適切な対応へと繋がる重要な第一歩となります。

原因

側彎症は、その発生原因によっていくつかの種類に分類されますが、最も多く見られるのは、特定の原因が特定できないタイプです。

側彎症の原因は、主に以下の3つのタイプに分けられます。

  • 特発性側彎症:側彎症全体の約60%から80%以上を占め、原因が特定されていません。最も一般的なタイプであり、主に思春期の急成長期に発症します。特に女子に高い頻度で見られ、成長期に曲がりが急速に進行しやすい傾向があります。
  • 先天性側彎症:これは、生まれつき背骨を構成する椎骨の形に異常があることが原因で起こります。骨の成長や形成の異常が原因となるため、早期の診断と対応が必要となります。
  • 症候性側彎症神経や筋肉の基礎疾患(例:筋ジストロフィーや脳性麻痺など)が原因で発生する側彎症です。これらの疾患により、筋肉のコントロールが難しくなったり、筋力が低下したりすることで、二次的に背骨が曲がってしまいます。

特発性側彎症は原因が不明であるため、予防は難しいですが、早期に発見し進行を食い止めるための専門的な管理が非常に重要になります。

診断

側彎症の診断では、背骨の曲がりの有無だけでなく、その曲がりの程度、ねじれの有無、そして将来の進行リスクを正確に評価することが不可欠です。この正確な評価に基づき、患者様にとって最も負担の少ない適切な対応を決定します。

医師は、まず問診を通じて症状を確認し、身体診察を行います。特に、前かがみになってもらい背中の非対称性を確認するアダムス前屈テストは、側彎の有無を判断する上で重要な診察方法です。

診断を確定し、客観的な治療方針を立てるためにはX線(レントゲン)検査が必須です。

  • 立った状態での全身のX線撮影:背骨全体のバランスや曲がりを正確に把握するため、立った状態での全身のX線撮影を行います。これにより、背骨全体の曲がりやバランスを客観的に評価します。
  • コブ角の測定:X線写真に基づき、背骨の曲がりの最も傾いている部分の角度を「コブ角」として測定します。このコブ角は、側彎症の重症度を示す国際的な指標であり、治療の選択肢(経過観察、装具、手術)を決定する際の基準となります。
  • 成長段階の評価:特に成長期のお子様の場合、X線検査を通じて骨の成長の進み具合(リッサーサインなど)を評価します。成長が残っているほど曲がりが進行する可能性が高いため、この成長予測は、その後の対応を考える上で欠かせません。

これらの検査結果を総合的に判断し、現在の状態だけでなく、将来的な見通しも含めた適切なアドバイスを行います。

治療

側彎症の治療目標は、曲がりの進行を抑制し、それに伴う痛みや不調を和らげ、長期にわたって日常生活の質(QOL)を維持・向上させることです。診断で得られたコブ角の大きさや、骨の成長の残り具合に基づき、患者様一人ひとりに合わせた対応を検討します。

側彎症の治療は、主に「経過観察」「装具治療」「保存的治療(痛みの管理)」「手術治療」の四つに大別されます。

  • 経過観察(定期的なモニタリング):曲がりが軽度な場合(一般的にコブ角20度未満)や、骨の成長がほぼ完了していると判断される場合に選択されます。この期間は定期的なX線検査を行い、曲がりの変化を注意深く確認し続けることが、最善の管理方法となります。
  • 装具(コルセット)による治療:成長期のお子様で、中等度の曲がり(一般的にコブ角20度~40度程度)が認められる場合に適用されます。コルセット治療の目的は、成長が完了するまでの間、曲がりの進行を効果的に食い止めることにあります。
  • 保存的治療(痛みの管理):特に成人や、側彎によって腰や背中に痛みが出ている患者様に対して行われます。この治療は、痛みを和らげるための薬物療法や、筋肉の緊張や姿勢の偏りを改善するための理学療法(マッサージ、電気療法、運動指導など)を組み合わせ、日常生活の改善を目指します。
  • 手術による治療:曲がりが重度に進行した場合(一般的にコブ角40度以上)や、保存的治療で痛みが改善せず、日常生活に大きな支障をきたす場合に検討されます。手術は、背骨の曲がりを矯正し、体幹の支持機能と全身のバランスを安定させることが目的となります。

いずれの治療も、コブ角だけでなく、患者様の年齢、活動レベル、そして何よりも患者様やご家族の意向を尊重し、最善の道筋を選びます。

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