寛骨臼形成不全
寛骨臼とは?
股関節には、臼蓋という受け皿のような部分があり、大腿骨の先端の骨頭が臼蓋に
納まるように構成されています。
(図1)
寛骨臼形成不全について
寛骨臼の形成が不十分で浅くなってしまう疾患です。(図1参考)
日本人では成人男性0〜2%、女性2〜7%が寛骨臼形成不全と言われており、
女性に多いことがこの疾患の特徴です。
寛骨臼形成不全がある場合、変形性股関節症に移行するリスクが高くなります。
症状
・重い荷物などを持った状態での歩行時の痛み・違和感
・股関節の関節可動域の制限
・脚の付け根の痛み
・足の爪切り・靴下の脱衣の際の痛み
・あぐらの姿勢をとった際の疼痛の誘発
寛骨臼形成不全があることにより、股関節に不安定性が生じ、軟骨の磨耗、
変形性股関節症、股関節唇損傷へ移行します。
ただし、寛骨臼形成不全であっても症状が出ないことがあります。
診断
診断はレントゲン検査で行います。
CE角 :20°以下 寛骨臼形成不全
20°〜25° 境界型
25°以上 正常
Sharp角 :成人男性38〜42°、成人女性43〜45°
を正常とし、この角度以上のものを
寛骨臼形成不全と判断する。
VCA :25°以下で寛骨臼形成不全と判断します。
治療
《保存療法》
内服薬・注射 →消炎鎮痛
物理療法・徒手療法→筋緊張の緩和
運動療法 →股関節周囲のインナーマッスル強化(股関節安定性の獲得)
特にリハビリを行い、合併症に移行させないことが重要です。
《観血療法》
・関節鏡で行う棚形成術
腸骨から形成不全部に骨を移植し、臼蓋を補う手術。
・直視下で行う骨切り術
寛骨や大腿骨を一度切断し、回転させた後固定することで
軟骨の荷重面を増やす手術です。
当院では関節鏡視下での手術を行なっています。
手術後のリハビリテーションはこちらをご参照ください。
→術後のリハビリテーション
股関節担当医
内田宗志医師(不定期の木曜午前、土曜日)
・全国よりご紹介を受けておりますが出来るだけセカンドオピニオン等の場合、
紹介状とすでに撮影されたMRI等もご持参下さい。
金崎志帆医師(第1、3、5木曜日午前)
清水勇樹医師(月曜日午後、金曜日終日)
股関節担当医の診察をご希望の方は下記までご気軽にお問い合わせください。
0267-88-7850(インフォメーション直通)