上腕骨小頭離断性骨軟骨炎
上腕骨離断性骨軟骨炎とは
12~15歳の成長期に発症し、関節面の一部が分離を生じ徐々に進行する疾患です。 上腕骨離断性骨軟骨炎の病期は、①透亮期、②分離期、③遊離期(関節ねずみ)に分類されます(図1)。
上腕骨離断性骨軟骨炎はどのように起こるの?
最大発生要因は、スポーツ動作時における骨への圧迫ストレスです。具体的には、図のような投球動作時に橈骨頭と上腕骨小頭との間(図3)に強い圧迫ストレスを受けて障害を生じます。
どのような症状があるの?
主な症状は手の平を上にあげた時の肘の外側の痛みです。症状が進行すると、日常生活での痛みや動かしにくさが生じます。
診断について
診断は主に診察所見、超音波(エコー)検査、単純レントゲン検査、MRI検査で行います。
治療について
治療方針は病期や年齢などを基にリハビリテーションで経過を追う(保存療法)か手術療法かを決定します。 保存療法は病期が進んでおらず、骨の成長により修復が期待できる低年齢の子が対象になります。方針としてはスポーツ活動を制限し、患部への負担を軽減させる必要がありますが、数か月から1年以上と長期にわたります。 一方、動かしにくさが著明で関節ねずみを認める例や成長期が過ぎた例には手術療法を行います。手術療法では透亮期はクリーニング(関節内の掃除)が選択され、分離期、遊離期で軟骨欠損が大きい場合は膝の体重がかからない部分から骨と軟骨を柱状に摘出して患部に移植する手術が選択されます。
※上記のような症状がある場合は自己判断せず、医療機関を受診して下さい。 Ver.1 2017.8.31