Hospitalization

関節鏡視下手術について

治療方針と関節鏡手術の概念

保存療法を第一に考え、必要な場合の「最終手段」として

アレックスに来院される方の90%以上は手術を必要としない患者さんです。しかし、保存療法(リハビリ等)で改善が見られず、他に治療法がない場合、最終手段として手術を行います。

関節の中に原因のある疾患の多くは、「関節鏡」という内視鏡の手術により完治を目指すことが可能です。これは直径1〜4mmの細いカメラ器具を関節内に挿入して行う、非常に精密で身体への負担が少ない手術です。

最小侵襲手術のメリット

関節鏡手術は、従来の手術のように関節を大きく開ける必要がないため、筋肉を傷つけずに治療が可能です。

  • 傷跡が小さい(最小侵襲)
  • 術後の痛みが少ない
  • 組織の癒着による痛みが出にくい
  • 術後早期にリハビリを開始できるため、社会復帰・スポーツ復帰までの期間を短縮できる

当院の高度な技術力と取り組み

関節鏡手術は、わずか1mmの誤差が術後の回復に大きく影響する、非常に高度で緻密な作業です。当院では、患者様が最大限の回復を得られるよう、技術と安心への取り組みを徹底し、患者様の最大限の回復をサポートします。

1mmの誤差を意識した高い技術力

関節鏡手術は、日本で開発され世界に誇れる治療法ですが、最善の結果を得るためには術者の洗練された技術と最新の知識が不可欠です。当院では、この緻密な手術において、1mmの誤差が術後の回復に差を生むことを意識し、高度な技術を追求しています。世界各国から最新の情報を集め、治療技術と知識を常に更新することで、国際的な水準以上の安全で効果的な治療を提供しています。

部位別・主な関節鏡視下手術

関節鏡を用いることで、関節の内部を詳細に観察し、損傷部位を正確に特定できます。これにより、各関節の疾患に対して的確な修復・再建治療を行います。

1. 膝関節の鏡視下手術

膝は人体で最も大きな関節であり、スポーツ外傷や変性疾患によって様々な組織が損傷しやすい部位です。

鏡視下前十字靭帯再建術(ACL再建術)

前十字靭帯(ACL)損傷が対象疾患です。この靭帯は膝の前後方向の安定性をつかさどっており、断裂すると膝がぐらつく不安定な状態(動揺性)になります。

  • 手術の目的
    • 膝関節の前後方向の安定性を回復させる。
    • スポーツ活動や日常生活への完全な復帰を目指す。
  • 手術の概要
    • 損傷したACLを摘出した後、患者様ご自身の腱(ハムストリング腱など)を移植腱として採取する。
    • この移植腱を関節鏡を用いて正確な位置に固定し、元の靭帯と同じ機能を持つ新しい靭帯を再建する。

鏡視下半月板切除術または縫合術

膝の曲げ伸ばし時の痛み、引っかかり感、膝の動きが固定されてしまうロッキングなどを引き起こす半月板損傷対象疾患です。

  • 手術の目的
    • 損傷した半月板をできる限り温存・修復(縫合)するか、修復不能な部分のみを最小限に切除することで、膝の痛みや機能を改善する。
  • 手術の概要
    • 関節鏡で半月板の損傷形態や血流の状態を詳細に確認する。
    • 血流があり修復可能な損傷は糸で縫合し、半月板のクッション機能を可能な限り温存する。
    • 切除が必要な場合も、将来的な変形性関節症のリスクを抑えるため、最小限に留める。

2. 肩関節の鏡視下手術

肩関節は可動域が非常に広い反面、構造が複雑で不安定になりやすい関節です。

鏡視下腱板修復術

肩腱板断裂(肩を動かす際の痛みや筋力低下)が対象疾患です。腱板は、肩のインナーマッスルを構成する腱の集まりです。

  • 手術の目的
    • 断裂した腱板を上腕骨頭に再縫合し、肩の痛みを取り除く。
    • 肩の筋力と可動域の回復を図り、日常生活やスポーツ動作の改善を目指す。
  • 手術の概要
    • 関節鏡下に断裂した腱の縁を剥離し、特殊な糸付きのアンカー(骨に固定する器具)を用いて、腱を骨の本来の位置に精密に固定・修復する。

鏡視下Bankart(バンカート)修復術

一度脱臼した後、繰り返し脱臼してしまう反復性肩関節脱臼対象疾患です。これは、脱臼時に関節窩の縁(関節唇)や靭帯が損傷し、肩関節が不安定になるために起こります。

  • 手術の目的
    • 損傷した関節包や靭帯、関節唇を修復・強化し、肩の安定性を根本から回復させる。
    • 脱臼の再発を確実に防ぐ。
  • 手術の概要
    • 関節鏡を用いて、骨から剥がれた関節唇や靭帯を特殊なアンカーで骨に縫い付ける。
    • これにより、肩関節の受け皿(関節窩)の安定性が改善し、外れにくい肩にする。

3. その他の部位の鏡視下手術

股関節:股関節唇損傷に対する手術療法

股関節の痛みや、曲げ伸ばし時の引っかかり感の原因となっている股関節唇損傷対象疾患です。

  • 手術の目的
    • 股関節の機能改善と痛みの軽減。
  • 手術の概要
    • 股関節内に細い関節鏡を挿入し、損傷した関節唇を縫合する。
    • 炎症の原因となっている骨の形態異常(インピンジメント)がある場合は、その骨の一部を削るなど、損傷組織と周辺構造を修復する。

足関節:足関節外側靭帯損傷の手術腓骨筋腱脱臼の手術

対象疾患は、捻挫を繰り返すことによる慢性的な足首の不安定性や、腓骨筋腱脱臼です。

  • 手術の目的
    • 足首の不安定性を解消し、捻挫の再発を予防する。
    • 脱臼した腱を元の位置に戻して固定することで、歩行時の痛みを改善する。
  • 手術の概要
    • 不安定な靭帯を鏡視下で修復・補強する。
    • 腱の脱臼を防ぐための処置を行うことで、足首の安定性を取り戻す。

肘関節:上腕骨小頭離断性骨軟骨炎に対する手術療法

野球などで肘に負担がかかる成長期に起こりやすい、上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(野球肘)が対象疾患です。

  • 手術の目的
    • 損傷した軟骨の修復を促し、肘の痛みや可動域制限を改善する。
    • 競技への早期復帰を目指す。
  • 手術の概要
    • 肘関節の軟骨の損傷部位に穿孔(細い穴あけ)を行うなどして、軟骨の再生・修復を促すための処置を鏡視下で行う。

手関節:TFCC損傷の関節鏡での手術

手首の小指側の痛みの主な原因である三角線維軟骨複合体損傷(TFCC損傷)が対象疾患です。

  • 手術の目的
    • 手首の痛みの原因となっているクッション組織の損傷を修復する。
    • 手首の安定性と機能を取り戻す。
  • 手術の概要
    • 手首の関節にあるクッション組織(TFCC)の損傷部位を関節鏡で確認し、正確に修復(縫合など)を行う。
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