第13回 肩の運動機能研究会 「超音波検査装置によるelbow push test時の 前鋸筋と腹斜筋群の動態観察」についての発表報告
2016年10月21〜22日に広島で開催された第43回 肩関節学会・第15回 肩の運動機能研究会において、超音波検査装置を用いた研究のポスター発表を行いました。
野球の投球動作で肩関節を怪我した患者に対して、Elbow Push Test(EPT)と呼ばれるテストが臨床上多く用いられており、そのテスト時に明らかな体幹の動揺を呈する症例を経験します。EPTを考案した久恒病院の原正文医師はこれを「脱力現象」と呼び、この現象が認められた場合、前鋸筋や腹斜筋と呼ばれる体幹筋の筋力低下などが生じていると判断します。今まで超音波検査装置を用いてEPTに関与する筋肉の活動状態を観察した研究は行われてきていなかったため、この度超音波を用いてEPT時の体幹筋の活動状態を観察し、EPTの運動特性を調査することを目的とした研究を行いました。
今回の私の研究から、EPTが前鋸筋や腹斜筋の筋機能を反映している可能性があるということが分かりました。しかし、「脱力現象」がどの筋肉の筋力低下によって生じるのかまでは解明することができませんでした。もしかしたら、EPT時の運動パターンが各個人で異なるのかもしれません。
今回の発表経験を活かして今後も研究活動に励み、それを通じて患者様により良いリハビリテーションを提供できるよう努めてまいりたいと思います。