「神経系に対する評価と治療戦略」勉強会
当グループのさいたま整形外科に所属する多田理学療法士が、外部で得た知見を尾山台のスタッフにも共有することを目的に勉強会をしました。
講師:多田智顕 理学療法士内容:「神経系に対する評価と治療戦略」
今回の研修目的は以下のとおりです。
①臨床で神経系由来の疼痛だと疑うことができるようになる
②臨床で神経系由来の疼痛だと検査から判断できるようになる
③臨床で神経系由来の疼痛に対して治療マネジメントができるようになる
神経性疼痛は、神経因性疼痛、神経障害性疼痛に分類されます。神経からくる痛みは神経組織の損傷、疾患、機能異常が原因であると考えられます 。
神経性由来の疼痛に関しては、症状の部位、範囲、質(痛みの種類:チクチクする痛み、ズキズキとする痛みなど)を評価するために問診を行うことから始まります。
痛みの部位が神経学的・神経解剖学的部位に出現する場合、損傷している骨や筋に一致しない場合、疼痛が長期間持続しているあるいは発作的な疼痛がある場合に神経性由来の疼痛を疑います。
そして神経性由来の疼痛であると判断した場合、さらに3つに分類します。
・動作によって疼痛の増減があり、神経の圧迫によって疼痛が増悪するタイプ
・神経の伸張で増悪するタイプ
・疼痛部位が解剖学的組織に一致しない場合や、疼痛が長期間持続している時、疼痛部位に損傷組織とのずれが生じているタイプ
そしてそれぞれの神経性の疼痛に合わせた治療マネジメントを行います。
外来の整形外科においては痛みの部位が必ずしも損傷部位と一致するわけではありません。痛みを訴えて来院される患者さん
に対して、疼痛の原因として神経系の疼痛の可能性も考えながら治療に当たっていきたいと思います。