第2回 足の構造と機能研究会 学術報告
2019年6月1日~2日に大阪府の森ノ宮医療大学で開催された足の構造と機能研究会第2回学術集会において当院理学療法士の兼岩淳平が「超音波画像診断装置を用いたretrocalcaneal wedge part移動量信頼性についての検討」という演題名でポスター発表を行いました。
超音波画像診断装置はお腹の中の赤ちゃんを見ることができるものというと分かりやすいかと思います.近年,超音波画像診断装置を用いて筋肉や骨などを見ることで今までわかっていなかったことが多く発表されてきています.
今回,私はその超音波画像診断装置を用いてアキレス腱の奥にあるアキレス腱下脂肪体(脂肪の塊)の動きを見る方法を確立することを目的に研究を行いました.
アキレス腱下脂肪体はアキレス腱周囲炎など踵の辺りが痛くなる原因になるという報告やこの脂肪体が硬くなることで足首の動く角度を制限するという報告などがあり,足首周囲の痛みがある患者さんに対して良く治療対象となる部位です.しかし,アキレス腱下脂肪体がどのように動くか,またどの程度動くのが正常かということは明らかとなっておりませんでした.その原因として,アキレス腱下脂肪体の動きを明確に測定する方法が無いということが挙げられます.そこで私達はアキレス腱下脂肪体の動きを測定する方法を考えました.そして,その測定方法で誰が,何回撮っても同じように撮れるかを検証しました.
その結果,私達が考えた測定方法では誰が何回撮っても同じように撮れることが分かりました.
最後になりますが,今回参加した足の構造と機能研究会は足についての研究や治療のトップランナーが一堂に会する研究会です.足について現在分かっていることをそれぞれの研究分野から意見交換がなされ,とても勉強になりました.ここで得られた知識を実際の治療に活かし,より良い治療が提供できるよう今後も精進してまいります.