清水医師によるアキレス腱断裂についての勉強会
日時:平成28年2月19日(月)
場所:尾山台整形外科クリニック 4F
アキレス腱断裂について
【病態:原因・発生機序】
ジャンプやダッシュ、切り返し時に受傷することが多く、主にスポーツ活動時に多いです。中高年に多く、柔軟性の低下・筋収縮のコントロール不足が原因とされています。受傷時には「後ろを振り向く」「足に何かが当たった」などの訴えが多く聞かれます。受傷後、歩くことは可能ですが、つま先立ちができなくなります。
【評価】
受傷時に音がした、立位で踵上げができない、患部の陥凹の有無、トンプソンテスト(正常なら下腿をつまむと足が動く、断裂があると動かない)画像所見(MRI・超音波検査)が主な評価方法です。
・アキレス腱の陥凹(へこみ)の有無
【治療】
治療には、「保存療法」「手術療法」があます。両者ともに長期成績に差はありません。しかし、再断裂のリスクが高いのは保存療法です。理由は、回復の段階がわかりづらく負荷量の設定が難しためです。そのため、医療機関での定期的なチェックが大切になってきます。手術療法では、確実に断裂部位を縫って強度を保てるため、短期的に回復が見込めスポーツ復帰が早いとされています。
【術後のリハビリテーション】
当院プロトコールとしては、術後〜3日後からヒール付きギブスで固定します。2週後にアキレス腱装具を着用します。4週後でエアロバイク、6週後で両足踵上げ、8週後で20回の両足踵上げ、9週後で片脚踵上げ、10週で健側同様の可動域獲得した状態でジョギングを開始します。その後MRIで患部の状態をチェックし、4~5ヶ月のスポーツ復帰を目標としていきます。
術後の注意点は、術創部の癒着・固さを極力出さないようにすること、可動域・筋力訓練をしっかりと行うことです。定期的な医師のチェック・リハビリテーションが大切になります。