第13回 肩の運動機能研究会 「健常人におけるYエクササイズの運動パターンの検討」についての発表報告
2016年10月21日から22日の2日間、広島で開催された第13回肩の運動機能研究会に参加し、発表を行いました。
今後も肩関節に関する研究を継続し、患者さんへ還元できるよう精進していこうと思います。
僧帽筋下部のトレーニングとして知られているYエクササイズについて、僧帽筋下部および菱形筋の筋動態、運動前後の肩甲骨アライメント(肩甲骨の位置)変化の関係性について口述発表を行ってきました。
アライメント変化に関しては、テープメジャーを用いて運動前後の変化を評価しました。筋動態に関しては、超音波検査装置を用いて運動中の僧帽筋下部と菱形筋の筋厚変化を評価しました。
結果として僧帽筋下部と菱形筋の筋厚変化率は、筋間での有意な差を認めませんでした。
アライメント変化に関しては、菱形筋に対し僧帽筋下部の筋厚増加が大きかったとしても、下方回旋や内転、外転などに変化しており、ばらつきが多い結果となりました。
アライメント変化と筋動態に関して明らかな関連性は認められず、本研究から、同一の動作であっても、どの筋を優位に使うかは個体差があると考え、臨床では代償動作を姿勢や動作分析を行い、かつ触診を駆使しながら治療を行っていく必要があると考えました。
今後も肩関節に関する研究を継続し、患者さんへ還元できるよう精進していこうと思います。