四十肩・五十肩の原因や症状と治療法について
四十肩・五十肩とは?
- 四十肩・五十肩というのは、いわゆる「俗称」です。
- 肩の腱が傷む「腱板断裂」やはっきりとした原因がないまま肩の動きが悪くなってくる「凍結肩」と呼ばれるものなど、 様々な病態を総称して古来より四十肩・五十肩と呼ばれてきました。
- 四十肩・五十肩の治療を行うには「肩の中で何が起こっているのか」の把握が重要です。
肩の痛みと可動域制限が生じる“拘縮肩・凍結肩”
四十肩・五十肩の中には「拘縮肩・凍結肩」と呼ばれるものがあります。拘縮肩・凍結肩とは一体どんなものなのでしょうか?
肩関節の構造
肩の構造を一度見てみましょう。肩は表層から皮膚→筋肉→関節包(関節の袋)→関節という構造になっています。
関節包が硬くなると肩の動きが著明に悪くなり、難治性の肩関節拘縮になります。
関節包が硬くなると肩の動きが著明に悪くなり、難治性の肩関節拘縮になります。
症状
何らかのきっかけで関節に炎症が起こると、関節の支持組織である関節包や靭帯が癒着し、動きを制限します。放置しておくと、さらに肩の可動域制限が生じてきて、腕が挙がらない、背中に手が回らないなど、日常生活にも支障が出てきます。
原因
四十肩・五十肩の原因は以下の点が挙げられます。- 腱板断裂など肩の疾患や怪我、施術後などに起因するもの
- 糖尿病などの内分泌疾患や内臓疾患に合併するもの
- 特に原因がないもの
放っておけば治る?
四十肩・五十肩は「放っておけば治る」という言葉も耳にすることがあるかと思います。
拘縮肩・凍結肩の症状は次のような時期に分けられます。
また長期間痛みを我慢し、悪化した状態で来院される患者さんも少なくありません。
肩の痛み・可動域制限など違和感を感じたら、すぐに医療機関へ受診することをおすすめします。
拘縮肩・凍結肩の症状は次のような時期に分けられます。
- 炎症期 :痛みで初発し、動作時痛のため自動運動が制限されます。それとともに安静時痛、夜間痛も出現し徐々に拘縮が進行します。
- 拘縮期 :痛みは軽快しますが、肩周りの組織が硬くなり肩を動かしにくくなってきます。
- 回復期 :肩の動きにくさが改善されてくる時期に入り、積極的に動かしていきます。
また長期間痛みを我慢し、悪化した状態で来院される患者さんも少なくありません。
肩の痛み・可動域制限など違和感を感じたら、すぐに医療機関へ受診することをおすすめします。
どんな治療が有効か?
治療の第一選択は保存療法(手術をしない治療)です。
保存療法ではリハビリや内服・外用薬で痛みや可動域制限の改善を図ります。
また、炎症が強い場合や、肩の組織の動きが悪い場合などは注射も併用しながら治療を行います。
保存療法ではリハビリや内服・外用薬で痛みや可動域制限の改善を図ります。
また、炎症が強い場合や、肩の組織の動きが悪い場合などは注射も併用しながら治療を行います。
保存療法(手術をしない治療)で改善しない場合
当法人では可動域制限の著しい患者様に対して「非観血的関節授動術(Manipulation Under Anesthesia:MUA)」と呼ばれる治療を行います。
MUAは硬くなってしまった関節包を剥がすことで関節可動域の獲得を図る治療になります。
MUAについてさらに詳しく知りたい方はこちらから!MUAは硬くなってしまった関節包を剥がすことで関節可動域の獲得を図る治療になります。
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