股関節唇損傷の手術後リハビリテーション

股関節唇損傷や大腿骨寛骨臼インピンジメントに対する手術は、当院では関節鏡視下で損傷した関節唇を縫合し、大腿骨頚部等のインピンジメントによって反応性に生じた骨膨隆部を切除する処置が主な内容です。術後リハビリテーションは処置をおこなった組織の回復具合に応じて、段階的に行なうことが推奨されています。当院での術後リハビリテーションをご紹介いたします。

<PhaseⅠ 〜保護期〜>

手術翌日から約6週間までの時期で、患部の炎症を鎮め修復した組織の回復を図るとともに、癒着を防ぐため修復組織に負担をかけない範囲で股関節を動かしていくことが必要な時期です。担当セラピストが、股関節の状態を判断し適切な負荷でリハビリテーションを行います。

股関節も痛みの出ない範囲で徐々に動かしていきますが、股関節伸展(脚を後ろに動かす)方向や外旋(外側に捻る)方向は、修復した関節唇や関節包に負担がかかり回復を妨げる可能性があります。以前は下の写真のような硬性装具を装着していましたが、今は手術方法が改良されて術後装具は不要になりました。
 

※以前の装具

歩く練習も痛みに応じて、翌日から松葉杖を使用して開始します。
手術の処置内容によって異なりますが、手術側での荷重(脚に体重をかけること)は足の裏全体が床に触れる程度(約10kg)から開始します。状態を確認しつつ体重の1/3、体重の1/2、体重の2/3と徐々に増やしていき、1~2週間で杖なし歩行ができることを目指します。なお、軟骨損傷の場合は1ヶ月半程度を目標にすすめていきます。

<PhaseⅡ 〜安定性強化期〜>

手術後1ヵ月から3ヵ月までの時期です。
この時期になると修復した組織へ徐々に負荷をかけていきます。患部に痛みが生じないよう注意しながら歩行距離を徐々に増やしていきます。
また、殿部や太ももの筋力トレーニングを積極的に行い筋力の回復を図ります。当院では股関節周囲だけでなく、腹筋や背筋など体幹の筋力が改善すること、また骨盤や脊椎、肩甲骨が柔軟に動かせることも股関節の負担を減らすために重要であると考え、全身にアプローチするリハビリテーションを行なっています。



このPhaseの目標は日常生活を痛み無く過ごせることですが、修復した関節唇は充分な強度まで回復してはいないため、深くしゃがんだり、股関節を強く捻ったりすることは行わないよう注意が必要です。

スポーツ活動への復帰を目指す場合は、次のPhaseⅢへ移行しジョギング・プログラムを開始します。
下肢全体や体幹の筋力のさらなる強化、筋持久力の強化を目的にトレーニング強度をあげ、次のPhaseⅣではスポーツ特異的なリハビリテーションをおこない徐々にスポーツ活動へ復帰していきます。

手術から3〜4ヵ月で日常生活が問題なく過ごせること、約6ヵ月でスポーツ復帰できることを目標とします。

※ここに記載したのはあくまで目安であることをご承知おきください。
執刀医・担当セラピストと相談しながらリハビリテーションを進めていきましょう

保存療法についてはこちらをご参照ください。 →  保存療法のリハビリテーション

Ver 4.2024.4.20

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