骨粗鬆症

骨粗鬆症とは
 
骨に含まれるカルシウムなどが減り、骨が脆くなって骨折しやすくなる疾患です。
初期には自覚症状がなく、背骨(腰)が曲がってきたことを周囲から指摘されたり、健康診断や人間ドックで身長が縮んてきて気が付いたりすることが少なくありません。
閉経後の女性に多い疾患ではありますが、生活習慣などの様々な要素が絡んでいるため、男性でも発症します。

骨粗鬆症の仕組み
 
皮膚と同様、骨も新陳代謝を繰り返しており、古い骨が削られ(骨吸収)、新しい骨が作られる(骨形成)ことで、骨折しにくい弾力性を保っています。
この骨吸収と骨形成のバランス(骨代謝)が崩れ、骨を作る量よりも骨を削る量が上回ると骨の量が減少し、脆くなっていきます。
骨量は20歳前後でピークに達し、40歳半ばまではほぼ一定量に保たれています。
その後、多くは50歳前後から低下していきますが、特に女性は急激な低下が見られます。女性ホルモンのひとつ・エストロゲンに骨吸収を抑える作用があり、閉経後に伴ってエストロゲンの分泌量が低下することと関係していると言われています。
しかし、若い人でも極端なダイエットや運動不足、別の疾患に対してステロイド剤を長期的に投与している、などが原因で、若年性骨粗鬆症を引き起こすこともあります。

骨粗鬆症の検査
 
DEXA
微量なX線を当て、より正確な骨密度を測定します。日本骨粗鬆症学会のガイドラインにおいても推奨されている、優れた検査方法です。
骨折しやすい腰椎と大腿骨をそれぞれ測定します。股関節に骨折歴があり、人工関節置換術を受けたことがある場合は片方だけの測定もしくは腰椎のみ測定することになります。
血液検査
DEXAの結果次第で追加の検査を行ないます。
骨代謝マーカーを測定し、骨吸収と骨形成のバランスを調べるほか、現在のカルシウム濃度も測定します。
また、摂取したカルシウムが骨に吸着するために欠かせないビタミンDの値も一緒に測定します。
これらの結果から骨粗鬆症の原因を総合的に判断し、治療方法を検討していきます。

検査の詳細については、こちらもご参照ください


骨粗鬆症の治療
 
薬物療法
一般的には薬物療法が必要です。
骨粗鬆症のタイプに応じて内服薬を処方します。
およそ半年~1年ごとに骨密度検査を行ない、内服薬のみでは効果が乏しい場合、注射に切り替えることを検討します。
初回の骨密度検査結果によっては、早い段階から注射を用いて治療することもあります。
生活習慣の改善
骨密度の維持には運動・食事療法が欠かせません。
日光を浴びることでビタミンDの生成を促し、運動で骨に刺激を与えることも重要とされています。
バランスの良い食事や、カルシウムを多く摂取できるレシピ本などもお渡ししています。
 
最後に・・・
 
骨粗鬆症に対する治療では、痛みに対する治療や骨折に対する治療だけではなく、
①カルシウムやビタミンといった骨を作る材料を補う治療
②骨の新陳代謝のバランスを改善し骨を強くする治療
が欠かせません。
当院では整形外科+内科の強みを生かし多角的な視点で骨粗鬆症治療を行っております。
骨粗鬆症の大きな治療目標である「将来の骨折を予防して健康で長生きする」ことを達成すべく治療に当たります。
骨粗鬆症検診結果で指摘を受けた方、これまでに骨折歴のある方など一度ご相談ください。  
AR-Exグループ クリニック