アキレス腱縫合術後のリハビリテーション
- 2017/02/01
腓骨筋腱脱臼とは、足関節に起こる外傷の中でも比較的に稀な疾患です。
腓骨筋腱は外くるぶしの後方を走り、急激にその走行を変える解剖学的な特徴から足関節を捻った際に、
腱を抑える支持組織(バンドのような組織)が破綻して腱が外くるぶしを乗り越えてしまうことで痛みや不安感が出現する疾患です。
※赤丸内に浮き出している組織が 腓骨筋腱
急性例では足関節を急激に捻った際に強大な縮む力が腓骨筋腱にかかると腱が走行する溝を腱が乗り越えて起こります。
また、慢性的な捻挫により 足関節の靭帯が弛緩してしまうことで腱が外れやすくなり脱臼が起こります。
また腱が太い、腱を収める外くるぶしの溝が浅いなどの先天的な要因も関係していると言われています。
※腓骨筋腱はこのような内返し(足の裏が内側に向く)動きを制限する働きがある。
運動時(歩行時や左右への切り返し時)の後足部外側の痛みや、
外くるぶし後方での腱の脱臼感、不安感が出現します。
脱臼が慢性化すると外くるぶし後方に腱に沿った腫れなどを認めるようになります。
徒手的に腱を後方から前方に圧迫したり、足関節を動かしたりした際に腱の脱臼を再現できれば診断となります。
補助的診断として単純レントゲン撮影などがありますが、腱の状態をより詳細に精査する場合はMRIや腱の脱臼を動的に観察できる超音波診断装置を使用します。
新鮮の損傷の場合は、ギプス固定を4-6週間程する場合もありますが固定をすることで破綻した組織が回復するわけではありません。
腱の脱臼頻度が少ない、痛みが軽度の場合は経過観察になる場合もあります。
治療の第一選択としては、リハビリテーションで足関節の正しい運動を獲得し、腓骨筋腱への負担を軽減させます。
リハビリテーションを継続しても日常生活や運動時の活動の制限やパフォー マンスの低下が明らかな場合は、
手術療法(内視鏡を使用した腱鞘形成術)で腱の脱臼を起こさないために破綻した支持組織を修復します。
また、病状によっては内視鏡だけでは手術を行えない場合もあります。
保存療法については疾患別リハビリテーションでご確認下さい。
→腓骨筋腱脱臼の保存療法
当院足関節担当医は森医師です。
→森医師