肩脱臼の手術とスポーツ復帰について
AR-Exスポーツ整形外科では、肩脱臼の診断から治療、スポーツ復帰までをトータルでサポートしています。
肩脱臼とは?
肩関節は「ゴルフのティーの上にボールが乗っている」ような構造をしており、可動域が広い反面、不安定なつくりになっています。そのため、何らかの衝撃で「外れてしまう(脱臼)」ことがあります。
肩脱臼は10万人に20人ほどが経験すると言われています。
脱臼すると、肩の「土台」が欠けたり、「ボール」が傷つくことがあり、再発しやすくなります。
診断と整復
肩脱臼の診断では、受傷時のエピソード(例:「外れた感覚があった」)をもとに、画像検査(レントゲン、MRI、CTなど)を行い、関節の状態を詳しく調べます。
整復(脱臼を戻す)後も、損傷の程度に応じた治療が必要です。
治療方法と方針
AR-Exでは、スポーツ選手一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療方針を大切にしています。競技種目や時期(シーズン中かオフか)によって、治療戦略を柔軟に変えています。
■ シーズン中の治療
3週間のスポーツリハビリで早期復帰を目指す
骨に異常がある場合は関節鏡による手術
■ シーズンオフの治療
CT/MRIによる精密検査
必要に応じて関節鏡手術とリハビリ
手術と固定方法
脱臼によって傷ついた肩の「土台(骨)」を修復・強化するために、関節鏡手術を行う場合があります。小さな傷口で行えるため、術後の回復もスムーズです。
競技 | 手術のポイント |
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野球 | 肩がカタくなりすぎず、投げることができる肩へ |
バスケットボール | シュート性能を高めるためにプロプリオセプション(proprioception)を高めるトレーニングを行います |
サッカー | 競り合いをしても、腕を引っ張られても外れない肩 |
柔道 | 釣り手に力が入るよう(内側に引き込む力)に |
ラグビー | スクラムを組んだときに腕に力がはいる肩 |
スキー | スティック操作に影響する肩の前方の痛みなく |
ボクシング | 外側にはじかれても外れない肩に、かつ鋭いフック |
空手 | 外側にはじかれても(外旋)外れないような肩へ |
アメリカンフットボール | 力なコンタクトにも負けない肩をつくります |
この記事を書いたスタッフ

医師
木﨑 一葉
木﨑 一葉
2023年7月まで赤毛のアンの舞台であるカナダ・ダルハウジー大学整形外科にて肩・膝関節鏡手術に特化したトレーニングを行いました。特に肩の脱臼に対する治療法では、肩脱臼の世界的権威Ivan Wong先生から直接指導を受け、世界に先立つ手術方法を習得しました。私のチームのモットーは、肩脱臼の手術後3-4ヶ月で逆立ちを可能にすることで、肩が自由に動きかつ外れない理想的な肩を創り上げます。