半月板損傷とは
半月板とは
半月板は、膝内節内、大腿骨と脛骨(けいこつ)の間にある、アルファベットのCの形をした繊維性軟骨の板で、外側と内側にひとつづつあります。膝にかかる衝撃をクッションのように吸収する、負荷を分散させる、関節の位置を安定にするなどの役割があります。
半月板損傷の原因は?
半月板損傷の原因は、スポーツ時、相手と接触するなど外力が加わった時に損傷してしまう外傷性と、外傷性と比べて原因がはっきりしない非外傷性に分けられます。経年変化で半月板の変性が起こり、日常生活動作で膝に負荷がかかると知らないうちに損傷してしまうことがあります(非外傷性)。
生まれつき半月板の形状がC型ではなく円板型の方がいます。この状態の半月板は損傷をしやすいと言われています。
また、前十字靭帯損傷の合併症としても起こります。
スポーツの場面にみられる半月板損傷
体重がかかった状態で、膝をひねったりしてしまうと半月板が損傷される場合があります。例えばジャンプの着地時、急停止、ターンなどの場面に見られます。
前十字靭帯をスポーツで損傷してしまった場合、合併症として半月板損傷が起こることがあり、前十字靭帯の再建手術が必要です。
■損傷しやすいスポーツ
サッカー
バスケットボール
バレーボール
スキー など
半月板損傷 どんな症状?
痛みが生じます。膝を伸ばしたときに引っかかり感が出ることがあります。膝関節包内に水が溜まり、腫れが繰り返されることもあります。
特徴的な症状として、断裂により半月板が関節に挟まってしまう(=嵌入 かんにゅう)ことによる、ロッキングという現象がおこることがあります。
膝を曲げた時に、ある角度からそれ以上伸ばすことができなくなってしまいます。そのときは歩けなくなるほどの痛みが生じます。
診断
半月板はレントゲン検査では確認できないので、確定診断にはMRI検査が有効です。↑内側半月板水平断裂 半月板に白い線が確認できます。
当院では半月板の損傷が疑われた場合、精密検査としてMRI検査を提案することがあります。
★当院にMRI装置は無く、近隣の検査専門クリニックでの撮像となります。
↑レントゲンでは半月板はわかりません
半月板損傷 治療について
半月板損傷の治療には、保存療法と手術療法があります。保存療法
損傷の程度、症状の程度などから、まずは保存療法を選択します。リハビリテーション、薬物療法、装具療法などを行っていきます。
急性期には患部の安静、関節に針を刺して関節液の吸引、痛み止めの注射などを行います。
手術療法
リハビリテーションを行っても改善が見られない場合、ロッキング症状がみられた場合などは、手術を視野に入れます。手術は関節鏡視下にて行われます。直径1~4ミリの細いカメラや器具を関節内に挿入して行う手術になります。人体へは最小限の負担で抑えることを可能としたオペ技術です。
関節鏡視下手術に関して詳しくは こちら