第45回日本股関節学会学術集会
平成30年10月26~27日に愛知県名古屋市の名古屋国際会議場で開催された第45回日本股関節学会学術集会に
当院理学療法士の多田智顕が口述発表してきました。
セッション:一般演題(リハ)2 疼痛・OA評価など
演題名:「外来整形外科を受診数股関節疾患患者における破局的思考と臨床評価指標との関連性」
昨年我々は長期間痛みに悩んでいる股関節痛の患者さんの状態に破局的思考(痛みを誇張・拡大して悲観的に捉える思考)が影響している
という心理的問題に関する研究を報告しました。
今年は昨年に引き続いてのテーマで、痛みがでてからの期間によって股関節痛の状態と破局的思考との関係に違いがでるのかについて調査しました。
結果としては痛みが出現してか短期間の患者さんに股関節の状態と破局的思考は関係がなく、長期間の患者さんになると破局的思考が
影響するようになることがわかりました。
今回の結果から、我々は股関節痛で悩む患者さんに対して、痛みがでてからの期間によって提供する治療を変化させることが、
より効果が高い医療に必要であると考えています。
今後さらに調査・研究を重ねてこの分野を確立させていきたいと考えています。
今回の学会に参加して、股関節の痛みのメカニズムに関するセッションがいくつもあり、どこから痛みはでてくるのか、
慢性疼痛や神経障害性疼痛との関係など興味深い内容が多くありました。
また、境界型寛骨臼形成不全という現在確立されはじめている疾患に関するシンポジウムもありました。
このように医学が進歩していくことで、今まで原因不明と言われ悩んでいた患者さんの痛みの原因が明らかになり、
その苦悩を解決することができるようになっていくのだと感じました。
クリニックに来院される患者さんの苦悩を解決することができるようにこれからも日々研鑽を続けていきたいと思います。