投球による肩の痛み・腕や手の痺れ 〜四辺形間隙症候群(QLSS)〜
四辺形間隙症候群(QLSS)とは・・・?
投球時または投球後に「肩の外側が痛い」「腕や手が痺れる」といった症状がある場合、四辺形間隙症候群(QLSS : Quadrilateral Space Syndrome)かもしれません。肩甲骨の外側にはいくつか筋肉があり、それらと上腕骨の隙間には首から腕に伸びる神経や血管が通っています。
繰り返し投球することによって肩甲骨の外側の筋肉が固くなった結果、神経などが圧迫され、牽引ストレスが大きくなってしまうことで腕の症状が現れます。
治療は・・・?
肩甲骨の外側の筋肉は、力を出すことはもちろんのこと、投球のストレスから肩を守るためにも働いています。症状を出現させないためには、肩甲骨外側筋の柔軟性獲得や肩甲骨外側筋以外の機能も高めることが重要となります。
まずは柔軟性のセルフチェック!
上腕三頭筋の柔軟性チェック
両肩に手を置き、肘を正面から挙げる。①正面から見て肘の高さに左右差がないか、②横から見て耳の後ろに腕が到達しているかを確認する。
肩甲骨外側筋の柔軟性チェック
・横向きに寝て、肩・肘をそれぞれ90°に曲げる・手首をもって、手のひらを地面に近づける。
・左右での移動量の差を確認する。
ストレッチ
四つ這いストレッチ(肩甲骨外側、広背筋)
方法
① 手を肩より少し前において四つ這いになる。
② 目線は前方に向けながらお尻を後ろに下げ、肩甲骨外側をストレッチする。(30秒×3セット)
③ 肩が痛くなる場合は、症状がある方の手を反対側の手に近づける方法で、ストレッチが可能となる場合がある。
※③を試しても肩が痛い場合は中止する。
四つ這いストレッチ(肩甲骨後方、胸郭)
方法
① 手を肩より前において四つ這いになる。
② 目的側の手を反対側の体側に伸ばし、肩を床に近づけ、肩後方をストレッチする。(30秒×3セット)
※息は止めずに深呼吸しながら行いましょう。
上腕三頭筋ストレッチ(二の腕~脇)
方法
頭上で目的側の肘を反対の手で持ち、肘を引くことでストレッチする。(30秒×3セット)
※目的側の肘はできるだけ曲げておくことで、より上腕三頭筋がストレッチされます。
トレーニング
肩甲骨内側、背中のトレーニング
方法
① うつ伏せになり、肘を曲げた状態で腕を広げる。
② 肩甲骨同士を寄せるように腕を上げ、キープしながら腕を上下に動かす(10回×3セット)。
※首の力は出来るだけ入れないよう注意する。
※上腕部におもりを付けて負荷量を調節する。